ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年7月4日。ウクライナ侵攻から497日目

2023-07-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月4日。

 日本でも今日ニュースになっていますが・・・ベラルーシの反政権派団体の幹部で、現在は国外退避中のラトゥシュコ元文化相が6月28日、SNSに告発文を投稿し、ベラルーシ現政権は2022年9月から、ウクライナ東部ドネツク、南部マリウポリなどロシア軍占領地域から子供たちを組織的にベラルーシ国内に移送しているそうです。
 ベラルーシの反政権派は、これまでウクライナから2100人以上の子供がベラルーシ国内に移送されたとし、ルカシェンコ大統領と側近らを国際刑事裁判所(ICC)に告訴しました。
 つまりロシアだけでなく、ベラルーシもウクライナから子どもを強制移送(誘拐)しているということです。
 子供たちは、戦争のトラウマを癒やす名目で、ベラルーシ国内5か所の「サマーキャンプ」に参加しているのですが、このことはもう何回もベラルーシ国内でニュースになっています。もちろん良いニュースという扱いです。

 あのですね、このサマーキャンプには、東日本大震災の被災者である日本の子どもも10年近くにわたり何百人と「震災のトラウマを癒やす名目」で滞在していますよ。これを強制移送とか誘拐とか言うのですか?
 他にもシリアの子どもも中国の子どももベラルーシで、心身の癒やし、そして国際交流をベラルーシの子どもとしています。
 テレビの報道では、ロシア軍占領地から来た子どもたちが、
「戦争が始まってから眠れていない。ベラルーシは安全なのでうれしい。」
と言いながらやってきて、規定のプログラムを受けています。帰るときには、列車で帰るのですが、駅までベラルーシ人が見送って、お土産を渡し、ドネツクの子どもたちが、
「ベラルーシの人たちは親切だった。帰りたくない。またベラルーシへ行きたい。」
と涙を流して別れを惜しんでいます。
 東日本大震災の被災者の子どもたちも、空港で、日本へ帰りたくないと泣いていましたよ。
 プログラム終了後、ベラルーシからウクライナへ帰っていくのに強制移送?

 大統領が関与? ああ、大統領基金のことですね。これはベラルーシ大統領が慈善活動をするための基金で、そこから、これらのサマーキャンプ滞在費用が充てられているのです。
 日本の子どもたちのサマーキャンプ滞在費用もベラルーシ大統領基金から出ていましたよ。
 それで大統領が告訴されるのですか?

 ベラルーシの反政権派の主張は私から言わせると、とても変です。
 それとも私が知らないところで、ベラルーシに保養に来たウクライナの子供が、一部帰国できず、ベラルーシのどこかで2100人の子供が留め置かれているのですか? 逃げられないように監禁されているとか? その子たちの親の間で「だまされた。早くうちの子を返して。私、ベラルーシまで探しに行く。」と今ウクライナで騒ぎになっているのですか?

 AP通信によると、ベラルーシ当局は6〜15歳の子供1000人以上を受け入れる計画で、4月には第1陣の350人が到着したということですが、こんなことベラルーシ人からするとニュースでも何でもなく、「ああ、今はもう第5陣が来たっけ。」という認識です。
 1000人以上どころか、もっと大勢受け入れられます。もちろんローテーションを組んでいますよ。

 サマーキャンプに外国の子供が来て、いろんなセラピーを受けただけではなく、本当に帰れなくなって、「さあ、ベラルーシの家庭の養子になりましょうね。」と言われているのでしょうか? 生活が苦しくなっているベラルーシ人が、2100人のウクライナの子どもを養子にできるのでしょうか?
 それとも反政権派は、告訴できるほどの確たる証拠を握っているのでしょうか。私が知らないだけで。
 上記のニュースでは、サマーキャンプに参加するという名目でベラルーシに入国しているウクライナの子どもが、実際にただサマーキャンプにいるだけのように読めます。
 本当はキャンプ場に連れて行かれず、どこかに閉じ込められているなら、そう記事に書けばいいのに、そうは書いていません。
 続報を待ちたいと思います。


 ベラルーシの反政権派指導者チハノフスカヤ氏は今日、自国内で収監されている夫セルゲイ・チハノフスキー氏(41)が死亡したとする匿名メッセージを受け取ったと明らかにしました。夫とは今年3月以降、連絡が取れていないそうです。弁護士も面会できないままなので、今まで同じような匿名メッセージを受け取っていても、公表はしていなかったのですが、今回は公表したことが懸念されます。