ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年7月23日。ウクライナ侵攻から516日目

2023-07-23 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月23日。

 ベラルーシ大統領は予定通り今日、ロシア大統領と対面会談しました。会談冒頭に地図を持ち出し、ポーランド軍がベラルーシとの国境付近に部隊を集結させていると主張しました。これがとにかく会談の最初に言いたいことなのです。ベラルーシは脅威にさらされているとベラルーシ大統領は言いたい。地図まで取り出しているのは、自分たちの会談が世界的に注目されており、メディアで広く報道されるのが分かっているので視覚的インパクトを与えたいという作戦です。
 さらにベラルーシに駐留しているワグネル戦闘員について、
「この話をすべきではないかもしれませんが、話します。ワグネル戦闘員は緊張し始めている。ワルシャワへエクスカーションに行きたがっている。」
と述べました。ワグネル戦闘員がウクライナで戦闘中、対峙していた武器がポーランドから供与されていたからというのが、ポーランドに行きたい(報復したい)根拠だそうです。

 さらに
「戦闘員たちの機嫌が悪いので、ベラルーシ中心部に留めている。ロシア大統領もこの問題に注目して下さい。」
とロシア大統領に訴えました。
 つまり、プリゴジンの反乱が起きたとき、戦闘員をベラルーシで引き取るということで決着がついたし、仲介の采配を振るったのはベラルーシ。そして今、ベラルーシにいるワグネル戦闘員はストレスを貯めている。この現状をロシア大統領は放置しないでくださいと要求しています。
 何となく、万一ポーランドがベラルーシに何か仕掛けてきた場合でも、ベラルーシ軍が対応するのではなく、ワグネル戦闘員に対応させよう・・・というのがベラルーシ大統領の考えなのでは?と思いました。ベラルーシ軍はウクライナに兵を出していない(ロシアに協力的だが、実際にウクライナに攻め込んでいない)ので、このスタンスを守り続けるために、ベラルーシ人の代わりにワグネルを充てがうという計画です。ベラルーシ軍は無傷でいられるし、中立の立場を守れます。
 もちろん余計なことが起きないように、ワグネル戦闘員が勝手にポーランドへ行ってしまわないように、ベラルーシは管理しなければいけません。だからベラルーシ中心部に留めているという発言に繋がったのではないかと思います。
 
 
 ウクライナ空軍やオデーサ州知事によると、ロシア軍は今日、オデーサをミサイル19発で攻撃し、そのうち9発を撃墜。40以上の建物が被害を受け、1人が死亡、20人以上が負傷しました。
 大聖堂などの歴史的建物が被害を受けました。この大聖堂はロシア正教会の教会です。ロシア正教会の建物を壊すなんてロシア軍はミスをしたのかと思いましたが、この大聖堂はロシア正教会から離れようとしている(ウクライナ正教会寄り)教会だそうです。だから攻撃の対象になったのでしょうか。
 被害を受けたオデーサの歴史地区は今年1月、ユネスコの世界遺産に登録されたばかりでした。
 戦争になると敵国の世界遺産をわざと破壊しようとするものなのですね。日本も覚えておかないといけませんね。