ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年7月18日。ウクライナ侵攻から511日目

2023-07-18 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月18日。
 今日のミンスクは大荒れの天気でした。

 ロシア軍は17日から18日にかけて、ウクライナの10州を攻撃しました。昨日のクリミア大橋への攻撃についてロシア大統領は「テロ。報復する。」と」初外縁していましたが本当にすぐに報復しましたね。
 この攻撃により少なくとも6人が死亡し、25人が負傷しました。

 CNNが衛星画像をもとに報道したところによると、今日の午前11時過ぎ、ワグネルの部隊の第一陣の車列がベラルーシの軍用基地に到着し、少なくともあと二つの車列が基地に向けて移動中だそうです。
 衛星画像には、100台以上の軍用車両が基地に駐車している様子や、ベラルーシに向かう幹線道路の2カ所でワグネルの軍旗を掲げた車列が停車している様子が映っていました。本格的にワグネルがベラルーシに配備されましたね。
 しかしこの部隊を率いているのがプリゴジン氏ではなく、ロシア大統領が任命した新トップ、トロシェフ氏である可能性が高いです。


 またまたイギリスのイギリスのメディア「テレグラフ紙」が17日、去年9月以降、ウクライナの子どもおよそ2150人がベラルーシにある少なくとも4つのキャンプに連れ去られたと報じ、それにベラルーシ大統領が関与していたとしています。
 このブログにもすでに書きましたが、これらのキャンプは国立国営です。そして滞在費用はベラルーシ大統領基金から出ています。
 つまりこのお金の出処が大統領だから、海外ではウクライナの子ども連れ去りにベラルーシの大統領が関与していると主張しているわけです。

 仮にですよ、韓国と北朝鮮の間で戦争が起こり、心身ともに傷ついた韓国の子どもを日本の中にある国立の(公務員用の)宿泊施設に泊まらせて、保養してもらうことになったとします。その宿泊費を日本の総理大臣が自分のポケットマネーで出したら、韓国人の子どもの連れ去りに日本の総理大臣が関与しているということだから、国際裁判で訴えろと北朝鮮や中国が報道している・・・といった状況になったら、日本のみなさんはどう感じますか。

 何となく、ベラルーシの野党などがベラルーシの大統領が指名手配されたら外国に行きにくくなるので、それを狙っているだけのように私には思えます。
 「ウクライナの子どもに同情している」とか「救わなければ」という正義の心100%で、問題提起しているのではなく、政敵であるベラルーシ大統領に一矢報いたいから、大統領は子どもを誘拐していますよーとわざと騒いでいるような気がします。

 ベラルーシのキャンプ滞在中、軍事訓練を受けた子どももいるそうですが、ベラルーシでは去年から中学生も軍事教練を受けることになりましたから、これは義務教育なんです。
 キャンプでのプログラムの一つになっています。ベラルーシの中学生も軍事訓練を受けているから、君たちもやってみよう!と教官はウクライナの子どもたちに呼びかけて、両国の友好とか、子ども同士友情を結ぶきっかけになればと、盛り上げていると思います。
 サッカーの親善試合のような感覚で、両国の中高生が力を合わせキャンプ場で軍事訓練を受けていると思います。

 ベラルーシの大統領基金からは優秀で才能があり将来有望な大学生に奨学金が出ています。
 大統領の家族のメンバーもそれぞれ基金を持っていて、クリスマスの頃などいわゆる孤児院の子どもにプレゼントを配ったりしています。家族のメンバーそれぞれに担当の孤児院が決まっているんですよ。
 上記のキャンプ場は大統領が担当しているのでしょう。それをウクライナ人の子どもの連れ去りに関与の根拠になっているとメディアは言いたいわけですね。

 もし、この子どもたちが帰国できず無理やりベラルーシ国内に留め置かれているなら、人権無視の問題だと思いますが、ベラルーシの報道では帰国するようすがニュースになっています。
 ただし、このウクライナの子どもがドンバス地方から一旦ロシアへ避難していて、それが連れ去り認定されており、さらにロシア国内で場所がなくなってきたから、ベラルーシのキャンプ場を使わせてよ、ということでロシアからベラルーシへ来ている、ということだったら、ロシアの子ども連れ去りをベラルーシが協力していた、つまり犯罪行為を助けていたということになって、国際裁判でベラルーシも責められる・・・という構図になっているのかなと思いました。