ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年7月13日。ウクライナ侵攻から506日目

2023-07-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月13日。

 ベラルーシの若い人、特に男性に対して外国でいい仕事がありますよと求人の広告を出して、実際にはお金を巻き上げる詐欺が現れました。
 私の日本語教室の生徒の一人が数ヶ月前からノルウェーでIT関係の就職斡旋をしている会社があるから、履歴書を送ろうかと思っているけれど、詐欺かもしれないからよく調べてみます、と話していました。そうしたら昨日の授業で、やっぱり詐欺でした、手数料全く払っていなくてよかった!と報告してくれました。
 危なかったですね。この生徒は日本語学校に入学希望なのですが、学費を稼ぐためにノルウエーに出稼ぎに行こうかと考えていたそうです。
 同じような考えのベラルーシ人が大勢いると思います。
 そこを詐欺師は突いてくるわけですね。
 

 アメリカのウォールストリート・ジャーナルは今日、ワグネルがロシアで起こした反乱にからみ、ロシアの治安当局が少なくとも13人の幹部を拘束していたと報じました。拘束された軍人には、反乱に関与した疑いで拘束されたと報じられていたウクライナ侵攻の副司令官、スロビキン氏も含まれています。
 しかしロシア側はスロビキン氏がここ3週間姿を公の場にあらわしていないことについて、
「休暇中です。」
としています。
 ベラルーシでもそうなのですが、ロシアでも休暇は神聖なもので、休暇中の人間に仕事の話をしてはいけないんですよ。
 緊急の用事があるから休暇中の社員や職員に電話やメールを送るのは日本では(あまり好ましくありませんが)普通ですよね。
 こちらではご法度なので、
「スロビキン氏が最近所在不明ですよね? なぜでしょう?」
「休暇中だからです。」
・・・で納得しないといけません。
「本当に拘束されてませんか? 確認できませんか? 本人に連絡取るとか。」
「休暇中の人に連絡してはいけないことになっています。」
・・・で会話が終わります。
 なので、「スロビキン氏は休暇中です。」と言われると、日本人は、そんなの拘束されていない証拠にならないよ、根拠が弱いと疑うのですが、こちらの人からすると、「ああ、そうですか。」根拠が強いということで話が終着してしまいます。
 よくある話(言い訳)なんですよ。
 ちなみに有給休暇はふつう土日も追加して30日ですが、高官ともなると大目の休暇や追加の休暇が申請できます。
 同氏が30日を過ぎても、あるいは45日過ぎても休暇中だったら、おかしいと疑うことができます。

 ほかに、スロビキン氏の副官であるアンドレイ・ユーディン氏や、軍参謀本部情報総局のウラジーミル・アレクセーエフ副長官も一時拘束されたが、釈放され、現在は職務を停止されているそうです。
 ちなみに上官が休暇中だと副官は同じ時期に休暇を取れません。企業でも社長が休暇中は副社長は休暇が取れません。校長先生が休暇中だと副校長は休暇が取れません。
 なのに、スロビキン氏の休暇中にその副官や副長官が職務停止中というのはかなりおかしいです。
 ただし、一人の長官に複数の副長官がいる可能性が高いのでこの疑問もクリアできますね。うちの子が通っていた学校の校長先生は1人だけでしたが副校長先生は2人いました。
 スロビキン長官の周りに多くの副長官がいて、そのうち2人が拘束され取り調べ後、停職中ということなのでしょう。他の副長官が長官の代わりに職務をこなしていると思われます。
 
 
 IOCは26日にパリ大会への招待状を各国に送付するよていですが、ロシアとベラルーシのオリンピック委員会はこの中に含まれませんでした。
 ただIOCは、ロシアとベラルーシの選手の受入れ最終決定は適切な時期に行うとも述べています。後から遅れて招待状を送付する可能性もありますね。

 

2023年7月12日。ウクライナ侵攻から505日目

2023-07-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月12日。

 ベラルーシ国防省はミンスク州内に特殊部隊を設置しましたが、それに続いて新たに3箇所に特殊部隊を創設することを発表しました。
 そしてこの特殊部隊に実戦における戦闘方法を教えるのはワグネル戦闘員だそうです。
 そのためにプリゴジン氏と交渉中であることを明らかにしました。
 ということはまだワグネル戦闘員はベラルーシに入っていないということですね。
 それはそれで分かるのですが、まさに今、数千人の戦闘員たちはどこにいるのでしょう?
 一日や二日ではないし大人数なので、食事をしたり寝泊まりする場所を確保するだけでも大変だと思うのですが。
 
 昨日からベラルーシの隣国リトアニアではNATOの会議が始まっているのですが、招待されたウクライナ大統領がNATOへのウクライナ加盟国について
「ウクライナの招待も加盟も、時間枠の設定がないのは前例がなく不合理だ」「NATOにはウクライナを招待する用意も、加盟させる用意もないようだ」
と批判しました。
 NATO加盟国でもないのに、せっかく招待されて、わざわざ出席しているのに、これですよ。
 今はスウェーデンのNATO加盟について各国神経質になっているのでしょう。ロシアは
「NATOの反露性が改めて示された」と指摘。「NATOは露国境にさらに多くの戦力を配備しようとしている。ロシアには逃げ場所がない」などと表明しています。
 ロシア国防相は、ウクライナ軍が反攻作戦を開始した6月上旬以降の約5週間で2万6千人以上の死傷者を出し、戦車など3千以上の兵器を失ったとし、
「ウクライナの反攻はどの方面でも目標を達成していない」
とこのタイミングで主張。
 また、アメリカが殺傷能力の高いクラスター弾のウクライナへの供与を決定したことについて、実際に供与されれば「ロシアもクラスター弾を使う」と警告しました。
 戦争の悪い(そしてよくありがちな)パターンになっているなと思いました。
 

 ロシア国防省は今日、ワグネルが、戦闘車など2000以上の兵器をロシア軍に引き渡したと発表しました。事実上の解体・吸収です。
 これをプリコジン氏が黙って放置するのでしょうか。

2023年7月11日。ウクライナ侵攻から504日目

2023-07-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月11日。

 ベラルーシ国防省はワグネル戦闘員はベラルーシ国内の複数の群訓練場に分散し、ベラルーシ軍と「授業」をするそうです。つまりワグネルの高い戦闘力をベラルーシ軍が学びたいということです。またプリゴジン氏もベラルーシへ到着すると述べました。


 そのワグネルですが、先月反乱を起こした際、部隊の一部がロシア軍の核兵器貯蔵基地に向かっていたとロイター通信が報じました。
 ワグネルの部隊がモスクワに向けて北上していた際に、複数の車両が東へ外れてロシア軍の核兵器貯蔵基地「ボロネジ45」の方向に向かったということです。インターネットに投稿された動画や現地住民の話で明らかになりました。
 ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長はロイター通信のインタビューで「ワグネルの戦闘員は核兵器貯蔵基地に到達したが、ドアが閉鎖されていたために中に入れなかった」と指摘。その上で「ワグネルの意図は反乱の勝算を高めるために旧ソ連時代の小型核兵器を抑えることだった」と説明しました。
 また、アメリカ・国家安全保障会議のホッジ報道官はこの件について「裏付けを得られていない。いずれの時点でも核兵器や核物質が危機に瀕していたと示す情報は全くなかった」と述べたということです。
 結局、ワグネル部隊が核兵器を奪い取ることはできなかったようです。
 それにしても変ですね。
 核兵器を厳重に保管するはずの警備兵が貯蔵基地の周辺をがっちりガードしているはずなのに、ドアまで到達したけど開けずにすぐ諦めるとか、ロイターが作った話なのでしょうか。


 ロシア大統領報道官は今日、トルコが急にスウェーデンのNATOへの加盟容認に転じたことについて、
「トルコとは立場の違いを踏まえて、お互いに利益になる分野での対話と関係を発展させたい。」
と述べて、トルコへの批判を避けましたが、仲介役として頼りにしているトルコが米欧やウクライナへの接近していることに警戒しており、
「欧州にはトルコを欧州だと思う人はいない。」
ともクギを刺しました。
 うーん、ユーロヴィジョン・ソングコンテストにはトルコ代表が出場していますけどね。
 スポーツで言うと、9月の杭州アジア大会にロシアとベラルーシのアスリートが中立という立場で出場しますが、アジアにはベラルーシやロシアをアジアだと思う人はいないのでは。

2023年7月10日。ウクライナ侵攻から503日目

2023-07-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月10日。

 ベラルーシの市民権を取得したい外国人は、ベラルーシ語あるいはロシア語の試験に合格しないといけなくなりました。条件が厳しくなりました。移民対策の一つです。
 またベラルーシに住んでおらず、過激思想の持ち主(つまり反政府派)で、有罪判決を受けている人のベラルーシ国籍を剥奪できるようになります。しかし法改正の前に国から勧告を受けるそうです。
 ベラルーシ国外の野党メンバーからベラルーシ国籍を剥奪しようとしています。そうするとベラルーシの政府に干渉できなくなります。
 勧告を受けたら、どうするのか自分で判断せよ、ということです。このようにワンクッション置いていて、いきなり国籍剥奪するわけではありません。ただ、欠席裁判の末、有罪判決を受けている人も多いので、国としては国籍を剥奪されたくなかったら、帰国して罪を認め、服役しなさいと言いたいのだろうと思います。

 また新たに409人の外国人がベラルーシ国籍を取得しました。ベラルーシ大統領が国籍を与える署名をしました。
 このうち大部分がドンバス地方出身のウクライナ人です。
 これからはベラルーシ語かロシア語の試験に合格しないといけなくなりましたが、結局ウクライナ人でもロシア語が分からない、あるいはできるふりもしたくない人はベラルーシ国籍をもらえないということですね。

 EUに入れるシェンゲンビザは持っておらず、代わりに偽のルーマニア住民票を所持していたパキスタン人男性がベラルーシからリトアニアへ入国しようとしました。当然リトアニア側は拒否。男性は国境地帯で立ち往生していましたが、ベラルーシに戻りました。正当なベラルーシ入国理由がないので難民扱いになるそうです。しかし本人はリトアニアへの移民申請を希望しているとのこと。
 こういう外国人が国境地帯にうろうろふらふらしているので、新しい移民法を制定しないといけなくなっているのですよ。


 ロシア大統領がワグネルのプリゴジン氏と武装反乱を起こした後の6月29日にクレムリンで会談していたと今頃になってロシア大統領報道官が明らかにしました。
 プリゴジン氏だけではなくワグネルの指揮官ら35人をクレムリンに招き、およそ3時間も会談。前線でのワグネルの部隊の活躍をたたえ、指揮官らはプーチン大統領に忠誠を誓い、祖国のために戦い続ける用意があると述べたそうです。
 反乱が起きたときには裏切り者と呼んだり、ワグネルがロシア軍のヘリを撃墜して空軍パイロットが死んでいるのに、活躍を称えるとはどういうことなのか・・・。パイロットの遺族はどう思うでしょうか。
 ロシア大統領は「ワグネル指揮官らの説明に耳を傾け、ロシア軍への再雇用のチャンスがあると提案したそうです。

2023年7月9日。ウクライナ侵攻から502日目

2023-07-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
2023年7月9日。

 ロイター通信などによりますと、中央アフリカで、大勢のワグネル戦闘員が飛行機に乗って飛び立ったとの報道が相次いでいるということです。行き先はベラルーシ?
 匿名の軍関係者が、数百人規模のワグネル戦闘員が最近、出国したことを認めたということです。
 しかし中央アフリカ大統領府の報道官は昨日、「撤退ではなく、人員の交代だ」と報道を否定しています。
 
 土日はジャーナリストのみなさんも休日なのかニュース記事の本数が少ないです。
 私もブログに書くことがないなあと思いながらニュースを見ていたら、広告が目に入りました。
 CIS諸国に住んでいる女性(なぜか18歳から22歳の指定あり)を対象にしたロシアでの就職斡旋です。職場はハイテク企業、高給、ロシアへの航空券(片道)支給、宿舎提供。・・・好条件過ぎて何だか怖いです。そして、やっぱりロシアは人手不足が深刻化しているのではないかと思えました。
 ちなみにベラルーシ人がロシアの大学に入学しても、男性はベラルーシの徴兵義務があるので、学業半ばにしてベラルーシへ呼び戻される法律が今年施行されました。
 保護者は反発して、法改正を望む活動を始めた親もいます。
 ロシア政府はベラルーシ人がロシアの大学に入学するのを歓迎するようになりましたが、それも卒業後ロシアに留まって働いてほしいと思っているからでしょう。
 それなのにベラルーシの政府は男子学生は徴兵のためにベラルーシに戻るよう法律を作っています。何だか矛盾しているような気もするし、ロシアとベラルーシの間で若い労働者の奪い合いが始まっているような気がします。
 日本も問題になっていますが、ロシアとベラルーシも人口減少、人手不足がこれから社会問題になると思われます。



2023年7月8日。ウクライナ侵攻から501日目

2023-07-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月8日。

 ザポリージャ原発の全職員が6日から10日まで休暇を取らされたそうです。
 この間に何かが起こるとか、11日に何かが起こるとか噂されていますが、とにかく何も起きないでほしいです。
 ロシアのロスアトム社と契約したウクライナ人職員は通常通りの時間で働いていて、ほとんどの人はロシアのパスポートも受け取っているそうです。しかしそうすると男性たちは軍事登録されることになって「兵士不足になったら、あなたたちに前線で戦ってもらう」と言われたという噂も流れていますが、噂じゃなくて実際そうなるでしょう。


 ベラルーシのオシポヴィチ地区にある軍事キャンプ場に兵士用の宿泊テントが大量に設営され、ここにワグネル戦闘員が駐留するのではないかと噂されていましたが。、ベラルーシ国防省は記者団に公開しました。
 ワグネル戦闘員は一人もいません。
 国防省側は、もしワグネルがベラルーシに来るとなったら来る、そしてここに駐留する予定だと明言しました。いつ来てもいいように準備はちゃんとしていますよと、マスコミの前で見せたという様相です。


 キーウのペチェールシク大修道院の聖職者が立ち退きを要請されていますが、それに対し、ベラルーシ政府は聖職者がベラルーシへ来た場合、支援することを発表し、国内の修道院に受け入れる準備を始めました。
 

 ベラルーシは最近は仲介役、逃げてきた人を受け入れるという立場を貫いていますね。

 
 

2023年7月7日。ウクライナ侵攻から500日目

2023-07-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月7日。
 日本は今日、七夕ですね。
 ベラルーシはクパーラ祭りです。が、6日から7日にかけての夜がメインのお祭りです。

 ロシアが占領するザポリージャ原発について、稼働している原子炉5号機を完全な停止状態とするようウクライナ当局や国際原子力機関が要請しているにもかかわらず、ロシアの国営企業ロスアトムは無視し続けているそうです。
 ウクライナ側が、ロシアが設置したと主張している爆発物は確認されなかったようですが、11日以降にロシアが原発を攻撃する計画だという嫌な情報もウクライナから漏れ伝わってくるし、本当に気が重くなります。
 とりあえずヨウ素のサプリをちまちま飲んでいます。 

 ロシアからベラルーシに移送された核兵器について、どこで保管されているのか安全性の保証のため、秘密にされているとベラルーシ国防省イデオロギー活動主要総局責任者が述べました。
 特にCIAに知られたくないそうです。

 さらにワグネルの戦闘員は、だれもベラルーシに来ていないと報道陣に語りました。
 ベラルーシに亡命すれば大目にみてあげるという解決案だったはずですが、どうなったのでしょう。
 ベラルーシ大統領はあんなに仲介の立役者になったと胸を張っていたのに。

 またワグネルの戦闘員500名ほどが中央アフリカの北部チャド国境地帯の駐屯地から、ベラルーシに移動するためまずはリビア入りしたという情報があります。
 ということは今からベラルーシにワグネル戦闘員が到着し、その数を増やすということでしょうか。


 ロシアのテレビ番組でプリゴジン氏の別荘に入って、札束や金塊を発見したとか、司会者が同氏の批判(下げ発言)をしたりしていますね。
 こういうことしないほうがいいですよ。
 なぜならすでに独立系メディアによってロシア大統領の超豪華な別荘、プーチン宮殿の中身が暴露されているからです。
 つまり、プリゴジン氏の贅沢な別荘のようすをテレビで見せて、
「ほら、こんないい生活をしている。彼はずるいことをしている。普通の国民のみなさん、腹が立ちませんか? プリゴジンを支持するのはやめよう。」
と宣伝すると、それがそのまま「ロシアの大統領がこんな金ピカの宮殿で暮らしている」ことがずるいこと、国民が腹が立つこと、不支持へ・・・と繋がっていくからです。
 独立系メディアが誘導していることと同じ手法を使うなんて、ロシア大統領は失敗していると私は感じるのですが。それとも、もう深く考える余裕もなく、とにかくプリゴジン人気を低下させたいとやっきになっているということの表れなのでしょうか。


壺井栄ロシア語訳作品集をゴメリ州立図書館に寄贈しました

2023-07-06 |   壺井栄
 7月6日、壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」をゴメリ州内の図書館に寄贈するため、ゴメリ州立図書館を訪問し寄贈式を行いました。
 もともと少部数で発行した本書ですが、いよいよ手元の在庫も少なくなり、残ったベラルーシ国内用6冊をゴメリ州内の図書館に寄贈して、これでベラルーシの図書館向け寄贈作業は完了しました。

 ゴメリ州立図書館は州立だけあって規模が大きく、司書の方々のレベルも高いので、逆に言うと、辛口な批評も飛び出すかもしれないと思っていたのですが、集まってくださった方々から高評価をいただきました。
 壺井栄文学をぜひ読みたい、いろんな年齢層の来館者に紹介したいと寄贈式典の後、ご感想を司書の方々からいただきました。翻訳者冥利につきますね。

 会場には図書館職員の他、招待された小学生から高校生も出席し、ゴメリの盆栽職人ドミートリイ・ビハレフさんの盆栽が会場を飾っていました。今や盆栽だけではなく、ミニ石庭を自作していて驚きです。注文して購入しようかと思ったぐらいです。
 小学生の女の子はこの日のために日本について書かれた詩を朗読してくれました。
 大歓迎していただいて恐縮です。

 またゴメリ州立図書館は寄贈式のポスターまでデザインしてくださいました。
 寄贈式のようすはゴメリ州立図書館公式サイトでも紹介されています。リンク先はこちら。(ロシア語)

 ゴメリ州で壺井栄の作品が広く読まれるようになればと願っています。
 この司書さんたちのパワーがあれば大丈夫でしょう。本にとっては司書との出会いの運命が大事なのだと改めて感じました。



 

2023年7月6日。ウクライナ侵攻から499日目

2023-07-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月6日。
 壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」をゴメリ州立図書館に寄贈するために列車に乗ってゴメリに行ってきたのですが、車窓から外の景色を眺めていたら、小さい木造一軒家が、自分の屋根の上にベラルーシとロシアの国旗の両方を立てていたので、ああ、こういう人もいるんだなあと思いました。


 ベラルーシ大統領は今日、記者団に対し、「プリゴジン氏は今朝モスクワに行った。ロシアの他に地域に移動したかもしれない。」
と述べ、ロシアのサンクトペテルブルクにいる可能性があると明らかにしました。
 ベラルーシへ亡命してプリゴジンの反乱が終わったようでしたが、やっぱりおとなしく亡命などするはずがないんですよね。
 ワグネル戦闘員のほうはベラルーシ国内のキャンプ場に留まっている(集まっている?)そうです。
 ベラルーシ大統領はまた、ロシア大統領とプリゴジン氏の今後について緊密に協議していると記者団に述べたうえで、
「ロシア大統領が執念深い性格で、プリゴジン氏を消そうとしているとみなさん思っていますか? それはありえません。」
と発言しました。

 またロシアの戦術核兵器の使用にはロシア大統領が最終的な決定権を持っているものの、ベラルーシはいかなる使用にも拒否権を持つと表明しました。(こんな話なかったような・・・)
「管理はベラルーシとロシアが共同で完璧に行っている。ロシアが使用を決めた場合、最も近い同盟国であるべラルーシに相談すると確信している」とし、「私自身のほか、ベラルーシ国民、ベラルーシ政府が望まなければ、(核兵器の使用は)起こらない」と述べました。
 核兵器は防衛のためにのみ存在しているとの考えを表明しましたが、ベラルーシに対するいかなる攻撃にも直ちに対応すると警告しました。


 受験シーズンの真っ只中の今、ベラルーシ国立大学がハッカー攻撃を受け、約6000人分の個人データが流出しました。
 昨日もおとといも同大学のHPが閲覧できないという状況だったので、おそらくすでにハッカー攻撃を受けていて今日になって被害状況を公表したという流れだと思います。
 日本で言うと、入試が全日程終了したところへ東大がハッカー攻撃を受けて、個人情報が流出したような感じです。


2023年7月5日。ウクライナ侵攻から498日目

2023-07-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月5日。
 ベラルーシは気温が30度に達するという予報が出ていますが、あまり暑さは感じません。

 ベラルーシのアブラメンコ運輸通信相が昨日、急死していたことが今日、公表されました。46歳の若さです。死因は公表されていません。
 こういうニュースが流れるとまた暗殺説が出てくるのですが、ベラルーシ国内で道路建設というインフラ整備をしていた人を暗殺する理由がないです。

 
 ザポリージャ原発についてウクライナ大統領は昨日のビデオ演説で
「ロシア軍が爆発物に似た物体を電源施設の屋根に設置したとの情報がある」
と警告を発しました。
 一方のロシアの核関連企業関係者は、
「ウクライナが5日夜、闇に紛れてドローンを使い原発攻撃を仕掛ける」
などと主張。
 どちらが正しいのか分かりませんが、不穏な空気が流れています。7月5日までにウクライナ人職員も退避せよとロシア側が勧告していますが、原発職員がいなくなったら、誰が原発を制御するのか。
 原発への攻撃が取り沙汰される中、周辺住民の間にはパニックが広がり、国外脱出を試みる人が続出しています。
 イギリス、スカイテレビの記者によると、西方に位置する隣国モルドバ国境には越境希望者が殺到し、5日朝時点で3キロ以上の行列ができたそうです。
 今度は放射能被爆を恐れて隣国へ逃げていくのですね・・・。 

2023年7月4日。ウクライナ侵攻から497日目

2023-07-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月4日。

 日本でも今日ニュースになっていますが・・・ベラルーシの反政権派団体の幹部で、現在は国外退避中のラトゥシュコ元文化相が6月28日、SNSに告発文を投稿し、ベラルーシ現政権は2022年9月から、ウクライナ東部ドネツク、南部マリウポリなどロシア軍占領地域から子供たちを組織的にベラルーシ国内に移送しているそうです。
 ベラルーシの反政権派は、これまでウクライナから2100人以上の子供がベラルーシ国内に移送されたとし、ルカシェンコ大統領と側近らを国際刑事裁判所(ICC)に告訴しました。
 つまりロシアだけでなく、ベラルーシもウクライナから子どもを強制移送(誘拐)しているということです。
 子供たちは、戦争のトラウマを癒やす名目で、ベラルーシ国内5か所の「サマーキャンプ」に参加しているのですが、このことはもう何回もベラルーシ国内でニュースになっています。もちろん良いニュースという扱いです。

 あのですね、このサマーキャンプには、東日本大震災の被災者である日本の子どもも10年近くにわたり何百人と「震災のトラウマを癒やす名目」で滞在していますよ。これを強制移送とか誘拐とか言うのですか?
 他にもシリアの子どもも中国の子どももベラルーシで、心身の癒やし、そして国際交流をベラルーシの子どもとしています。
 テレビの報道では、ロシア軍占領地から来た子どもたちが、
「戦争が始まってから眠れていない。ベラルーシは安全なのでうれしい。」
と言いながらやってきて、規定のプログラムを受けています。帰るときには、列車で帰るのですが、駅までベラルーシ人が見送って、お土産を渡し、ドネツクの子どもたちが、
「ベラルーシの人たちは親切だった。帰りたくない。またベラルーシへ行きたい。」
と涙を流して別れを惜しんでいます。
 東日本大震災の被災者の子どもたちも、空港で、日本へ帰りたくないと泣いていましたよ。
 プログラム終了後、ベラルーシからウクライナへ帰っていくのに強制移送?

 大統領が関与? ああ、大統領基金のことですね。これはベラルーシ大統領が慈善活動をするための基金で、そこから、これらのサマーキャンプ滞在費用が充てられているのです。
 日本の子どもたちのサマーキャンプ滞在費用もベラルーシ大統領基金から出ていましたよ。
 それで大統領が告訴されるのですか?

 ベラルーシの反政権派の主張は私から言わせると、とても変です。
 それとも私が知らないところで、ベラルーシに保養に来たウクライナの子供が、一部帰国できず、ベラルーシのどこかで2100人の子供が留め置かれているのですか? 逃げられないように監禁されているとか? その子たちの親の間で「だまされた。早くうちの子を返して。私、ベラルーシまで探しに行く。」と今ウクライナで騒ぎになっているのですか?

 AP通信によると、ベラルーシ当局は6〜15歳の子供1000人以上を受け入れる計画で、4月には第1陣の350人が到着したということですが、こんなことベラルーシ人からするとニュースでも何でもなく、「ああ、今はもう第5陣が来たっけ。」という認識です。
 1000人以上どころか、もっと大勢受け入れられます。もちろんローテーションを組んでいますよ。

 サマーキャンプに外国の子供が来て、いろんなセラピーを受けただけではなく、本当に帰れなくなって、「さあ、ベラルーシの家庭の養子になりましょうね。」と言われているのでしょうか? 生活が苦しくなっているベラルーシ人が、2100人のウクライナの子どもを養子にできるのでしょうか?
 それとも反政権派は、告訴できるほどの確たる証拠を握っているのでしょうか。私が知らないだけで。
 上記のニュースでは、サマーキャンプに参加するという名目でベラルーシに入国しているウクライナの子どもが、実際にただサマーキャンプにいるだけのように読めます。
 本当はキャンプ場に連れて行かれず、どこかに閉じ込められているなら、そう記事に書けばいいのに、そうは書いていません。
 続報を待ちたいと思います。


 ベラルーシの反政権派指導者チハノフスカヤ氏は今日、自国内で収監されている夫セルゲイ・チハノフスキー氏(41)が死亡したとする匿名メッセージを受け取ったと明らかにしました。夫とは今年3月以降、連絡が取れていないそうです。弁護士も面会できないままなので、今まで同じような匿名メッセージを受け取っていても、公表はしていなかったのですが、今回は公表したことが懸念されます。

 

2023年7月3日。ウクライナ侵攻から496日目

2023-07-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月3日。
 今日はベラルーシの独立記念日です。厳密にはミンスクがナチスドイツの占領から解放された日です。
 今日のベラルーシの国営テレビはどこもお祝いムードの楽しい映像や式典のニュースばかり報道しています。夜の11時には花火も上がりました。
 その中で、独立記念日だからでしょう。ベラルーシが独立したばかりのころ、国がどれほど混乱していたかを示す特別番組が報道されました。そして続けて、現大統領が当選してから、どれほど国が安定してよくなったかを過去の映像を組合わせて作られた番組でした。

 ベラルーシ大統領は、記念イベントの壇上で豊かな文化遺産と強固な精神的基盤がなければ、世界のいかなる人々も真に独立することはできないと語りました。


 ワグネルトップのプリゴジン氏は今日、自身が創設した民間軍事会社「ワグネル」に関連するSNSで、40秒ほどの新たな音声を公開しました。
 自身が起こした反乱を「裏切り者と戦うため」とあらためて正当化したうえで、「その多くに成功した」とコメントし、首都・モスクワにはたどり着けなかったものの、納得がいく形で終えたことを強調していますが、裏切り者と思われる国防相は責任を問われていません。
 同氏は「近い将来、我々の次の勝利が前線で見られると確信している」とウクライナ戦線への復帰を示唆しました。
 一方、ロシアのショイグ国防相は今日、ワグネルの反乱に初めて言及し、「兵士たちが軍務に忠実だったため、反乱は失敗に終わった」「(ワグネルの)挑発行為は、部隊の行動に何の影響も与えなかった」としています。
「兵士たちは勇敢かつ無私無欲に、与えられた任務を遂行し続けた。彼らの誠実な行動に感謝する」
とやや大げさに自国軍兵士を称えています。


 ロシア連邦保安局は今日、クリミア共和国トップの親ロシア派、アクショノフ首長の車に爆発物をしかけた男を拘束し、「暗殺計画を阻止した」と主張しました。


 ロシア中央選挙管理委員会委員長は今日、ロシアが一方的に併合したウクライナの4地域で状況が悪化した場合、9月に予定されている地方選挙は中止される可能性があると述べました。


2023年7月2日。ウクライナ侵攻から495日目

2023-07-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月2日。
 ベラルーシは昨日から3連休中です。

 オランダ・ハーグのベラルーシ大使館のガラスが割られ、壁に落書きされました。警察は容疑者1人を拘束しました。


 ロシアやベラルーシのテレビを見ていると、いかにウクライナ軍が弱いか、劣勢なのかという番組ばかりが流れています。
 そしてウクライナ大統領がザポリージャ原発を攻撃して放射能汚染を武器にしようとしていると報道しています。
 さらにはスピリチュアルなものも。ブルガリアの予言者ババ・ヴァンガがこんな事を言っていたとかロシアの国営放送で大真面目に紹介しています。
 他にも預言者みたいな人が出てきて、今年の7月17日にウクライナ大統領がテロを起こすと話していました。2週間後には的中したのかどうか分かりますね。


 ポーランド当局は、ポーランドとベラルーシの国境を強化するために警察官500人を派遣することを決定しました。

 ミンスクの南東約98キロで、ウクライナ国境から約230キロのオシポヴィチ近郊の軍事施設にワグネル戦闘員のものと思われる軍事キャンプが建設されているもようです。
 ウクライナ国境警備隊は、ワグネル戦闘員の兵力を8000人とみているようです。
 一方、ロシア側は、ワグネル戦闘員の多くがロシア軍に入ることに同意したと主張しています。

 昨日、ウクライナの著名作家、ビクトリア・アメリーナさんが亡くなったと所属先団体「ペン・ウクライナ」が今日、発表しました。先月27日、ウクライナ東部クラマトルスクであったロシア軍によるミサイル攻撃で負傷していたそうです。作家としてこの戦争を表現したかっただろうと思うと残念です。この攻撃による死者は13人目。子どもが4人含まれます。

2023年7月1日。ウクライナ侵攻から494日目

2023-07-01 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年7月1日。

 ベラルーシの非友好国の報道機関とメディアの入国を禁止する法律にベラルーシ大統領が署名しました。
 ベラルーシに非友好的な行動を示した場合、ベラルーシ領内での外国メディアの活動を禁止できます。外国メディアはベラルーシで取材できませんし、ウェブサイトなどへのアクセスの制限も拡大すると思われます。

 ロシアのリャプコフ外務次官はタス通信が1日報じたインタビューで、ベラルーシへのロシアの戦術核兵器配備について「ロシアは核兵器の管理は移管しない」と明言しました。
 敵がベラルーシを攻撃したら、独自に使用するとベラルーシ大統領が27日に発言していたのですが、それに釘を刺したと言えるでしょう。

 ウクライナ大統領は、ロシアとベラルーシの個人190人以上と291の法人に対し、新たな制裁を科しました。
 ジョージアがロシアとの直行便を再開したことで、ジョージアの航空会社『ジョージアン・エアウェイズ』とその創設者個人にも制裁を発動しました。

 ワグネルの戦闘員が、ベラルーシの基地に、近日中に配備される見通しであることも伝えられ、ウクライナ側は、ベラルーシ国境の軍事態勢を強化する方針でいます。
 そうするとウクライナの北部に人員を割かないといけないので、東部や南部への人員を減らさなくてはいけません。これはウクライナにとって不利になるので、結局ワグネルがトップを含めベラルーシへ移動したのは、望ましいことではないということです。
 ベラルーシはワグネル戦闘員をベラルーシ軍に取り込もうとしているので、得をしましたね。