キーボード奏者で入ってきた彼は
国立の大学生で譜面は何でも弾ける
校長先生のおめかけさんの子供で
頭がいいんだとドラマーの人が言っていた
試験が近いからと言って
教科書をキーボードの上に置いて
余裕で譜面を演奏している
でも僕は、
譜面を弾くのも精一杯、
かなりごまかさないとヤバい!!
そんな僕を見て彼は
笑いながら
左手で僕のベースの譜面を
弾きはじめる
☆****☆
ある日、開演前に彼が
風呂へ入りたいと言っていたので
「行けば良い。」と言うと
「バンマスが入っているから....」と言うので
「だったら社員風呂じゃなくて、
大浴場へ行けばいいじゃん...」と言うと
「大丈夫かな...」
「平気平気...。」彼は笑顔で風呂へ向かった
☆****☆
ところがオープニングの時間になっても
戻ってこない
バンドマスターはイライラして
「あいつはどこへ行ったんだ。」
僕が「風呂へ行くって言ってましたよ。」と言うと
「風呂、俺は今、風呂から上がってきたんだ。」
「もしかして大浴場じゃないですか....。」
「なに!!」
「オレだって入ったことが無いのに.、あの野郎..」
その時、彼が慌てて走ってきた
「ば、はかやろう!!」
バンドマスターのバカでかい声が
ホールいっぱいに響いたとき
僕は「ニャッ」と笑った
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