<僕はベースマン>
ろくに譜面も読めないのに
適当に弾いていたらバンドに入ってしまった
「ただ 座っていればいい」と言うのは
最初だけの話で..
罵声は浴びせられるは
歌本は投げつけられるはと大変でした
<借金マン>
特に驚いたのは司会で入ってきたFさん
キーボードが欲しいというので
僕の持っていたのを安く譲ってやったら
何度約束しても金をくれない
しまいには「うるさいな。しつこいんだよ。」
バンドマスターに頼んで楽器は取り戻したけど
この人、車も生活すべてこの調子で
怖いお兄さんが何人もやって来た
「Fさんはどちらにいますか。」
偶然 本人に聞いてしまうから
「まだ楽屋じゃないですか。」本人が答える
楽屋に残っていたのはバンドマスター...どうなったかな?
<運命の悪戯>
いつも小銭しか持っていない僕が
その日に限って二万円持っていた
フィリピンの彼女のいるドラマーが
ビザの関係で二万円どうしてもいると言って
「僕にも貸してくれないか」と聞いてきた
「無理か、お前が持っているわけないよな。」
「ありますよ。僕だって二万円ぐらい。」
とは 言わずに「バンドマスターに頼んだら....」と言った
運命の悪戯かな、あの日持っていた二万円
今も 貸さなかったことが 心のどこかで引っかかっている
<僕が間違っていました>
ある夜、アルトサックスを吹いているFさんが
僕のベースの音が低いといった
僕はチューナーで440サイクルにあわせていたので
低いはずはないと言い返した
するとFさんが切れた「若造、なめんじゃねぇぞ。」
「俺は何年これで飯を食っていると思っているんだ...。」
ピアノはその場でチューニングできないので
それに合わせるから
バンドによって高さは違うことを
僕は知らなかった
その後 Fさんはギャラでバンドマスターともめて
バンドをやめて怖い世界へ入っていった
<突然の出来事>
ある夜、デビューした頃のコロッケがやってきた
バンドマスターを命の恩人だと言っていた゜
どこかの病院へ連れて行ってもらったような
話をしていた
バンドマスターが亡くなって何年経つのだろう
生前に一度ぐらい顔を出せばよかった
そう思う 今日この頃です
僕の作った曲です。興味ありましたら聴いてください。
https://creofuga.net/15498