今思うと
朝起きると目やにがとても出るようになって
年かな?
それとも結膜炎かな...と思ったり
そして突然
「キューッ」と
胸を締め付けられるような
感じたことの無い痛み、
「心臓でも悪いのかな?」と思いながら
たまらず 水を一杯飲むと
それは不思議とおさまり
とくに医者には行かなかった
☆****☆
退職してから
酒を飲むと体調が悪くなって
「どこか悪いのかな...」と
しばらくやめていた
そんなある夜、
「ちょっと飲んでみようかな...」と
久しぶりに日本酒を
お猪口で一口、飲んだら
天井がグルグルと
回りだした
「うわっ、何だこれ、」
たまらず横になるが
天井のグルグルが
どうにも止まらない
「気持ち悪いぃ...」
「おぇーッ。」そして嘔吐がはじまった
すると ロッキーは
非情にも隣の部屋へ逃げて行った
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早朝 五時
まだクルクル回って歩けない
、
救急車でそのまま病院へ、
そして入院、
絶飲食と24時間の点滴、
検査の結果「胆嚢炎」と診断された
担当医は内科のやさしい医師だったが
時々外科の怖い医師がやってきて
手術をしろと言ったが
僕は断りつづけた
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断った理由は
父が心臓の手術の失敗で亡くなっていることと
ナースから「眠っている間に終わりますよ」
と言われて
そう医師に話すと
急に怒り出し
「そんな簡単な手術じゃありませんよ。」
「昨年 六人死んでいるんですよ。」
ただ今考えると胆嚢炎は誤診で
これがガンだった気がするのです
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それから二年後、突然、背中に強烈な痛み、
前回入院した病院へ行くと若い医師が
「運動不足です、」
「ストレッチをしてください。」
シップと痛み止めを
たくさんもらって帰宅、
しかしその後、背中の痛みはなくなったが
膝と腕の関節の痛みはとれず
近くのリウマチ専門医へ行くと
リウマチ性多発筋痛症と診断される
そして一年、通院を続けるが
関節の痛みはなくならない
一向に回復しない僕に医師は
「おかしいな...。」
「そうだ 注射にするか」
のみぐすりから注射に、確かに効果はあるらしいが
「リウマチの注射は高いよ。」、
年間六回で、120万円、「ぅわっ、」
渋っていると「だったら治験にするか..」
「治験」とは似たような新薬の人体実験、
「まぁ、モルモットだな..」
月に一万円、逆にお金がもらえる「それ、いいですね。」
僕は悩みぬいた末、契約をすることにした
そして治験での他の病気がないか検査がはじまった、
その検査の費用も無料、ところが肺に影が見つかり
遠くの大きな病院で再検査を受けることに、
二泊三日、入院して内視鏡検査、
そして「あなたは肺センガンです。」と医師から告げられる、、
脳への転移は無かったが
リンパ節に転移していて、
手術はせず抗がん剤による治療が始まった
そして一年、10回目の抗がん剤の投与、
ただ何回やっても 注射は痛い..
そう言えば ロッキーは注射が平気だったな...