武 順子(Take Junko) ひとり語りのひとりごと

わがままな朗読家の我がままなひとりごと。「縁側の猫を枕に日向ぼこ」…猫が好き。詩を書く人でもあります。

桜桃を食べながら太宰の作品へ思いを馳せた

2018年06月20日 15時50分42秒 | Weblog

高円寺北口の青果店には、桜桃がたくさん並んでいた。思わず購入して、客席のテーブルごとに置いた。

『桜桃』の一節を頭の中で、繰り返してみる。

※ ※ ※

子供より親が大事、と思いたい。子供よりも、その親のほうが弱いのだ。
 桜桃が出た。
 私の家では、子供たちに、ぜいたくなものを食べさせない。子供たちは、桜桃など、見た事も無いかもしれない。食べさせたら、よろこぶだろう。父が持って帰ったら、よろこぶだろう。を糸でつないで、首にかけると、桜桃は、珊瑚の首飾りのように見えるだろう。
 しかし、父は、大皿に盛られた桜桃を、極めてまずそうに食べては種をき、食べては種を吐き、食べては種を吐き、そうして心の中で虚勢みたいに呟く言葉は、子供よりも親が大事。

※ ※ ※

来年こそは、桜桃忌に『桜桃』を読もうと、決めている。

あなたは来年、どの作品を読みますか?

たくさんのかたにいらしていただいて、笑っていただけたと思う。

太宰の道化の精神に、少しでも応えるような読みが、できていたのかなと思う。

来年もまた、笑っていただくために

 

拳を握りながらでも、笑って生きようね

なぁんてね

 

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