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エミッタ接地回路

2024-10-17 15:29:36 | 第一級陸上特殊無線技術士



エミッタ接地回路の『特徴』や『原理』について

エミッタ接地回路の『特徴』や『原理』について

エミッタ接地回路はバイポーラトランジスタを使用した基本的な増幅回路の1つです。電圧と電流の両方を増幅可能で電力利得が大きいため、基本的な増幅回路の中で最も主要な回...

Electrical Information











第一級陸上特殊無線技術士試験に於いて出題されるバイポーラトランジスタのエミッタ接地回路について知りたい。その用途・利用目的・原理・長所短所について解説と入力波が振幅Aの正弦波で初期位相がゼロのものの各地点での変化の状況と最後に過去に出題された試験問題を数問と、その解答と解説を求める。

### 1. エミッタ接地回路の概要
**エミッタ接地回路**(common-emitter circuit)は、バイポーラトランジスタ(BJT)の基本的な増幅回路の一つで、エミッタ端子がグランドに接地され、ベース端子に入力信号を加え、コレクタ端子から出力信号を取り出す構成です。この回路は、低周波および高周波の両方の増幅回路に広く使用され、信号の電圧増幅や電流増幅に優れています。

#### 原理
- **入力信号**はベース端子に加わります。
- **出力信号**はコレクタ端子から取り出されます。
- エミッタ端子は接地されており、信号の増幅過程で固定されています。
- ベースに信号を加えると、ベース・エミッタ間の電流(ベース電流)が流れ、その結果として、より大きなコレクタ電流が流れます。
- このコレクタ電流の変動がコレクタ端子の電圧変動となり、出力信号として取り出されます。

エミッタ接地回路では、出力信号の**位相が入力信号に対して反転**します。これは重要な特性です。

### 2. 用途・利用目的
エミッタ接地回路は、以下のような場面でよく使用されます。
- **電圧増幅回路**:信号の電圧増幅が必要な場合に広く使われる回路構成です。
- **音声や低周波信号の増幅**:オーディオ増幅器やアナログ信号処理で多く使用されます。
- **デジタル回路のスイッチング**:トランジスタのオン・オフを利用して、スイッチング動作にも使用されます。

### 3. 長所と短所

#### 長所
- **高い電圧増幅率**:エミッタ接地回路は、非常に高い電圧増幅率を持ち、信号の振幅を大きくするのに適しています。
- **広く利用される回路**:オーディオ機器から無線機器まで、非常に多くの場面で使用されており、汎用性が高い。
- **電流増幅効果**:電流利得も高く、電圧と電流の両方を効率よく増幅できます。

#### 短所
- **位相反転**:入力信号と出力信号の位相が180度反転します。これが回路設計上の制約になることがあります。
- **出力インピーダンスが高い**:出力インピーダンスが比較的高いため、次段とのインピーダンスマッチングが問題になる場合があります。

### 4. 正弦波入力時の動作
入力波が振幅 \( A \) の正弦波で、初期位相がゼロの信号 \( V_{\text{in}}(t) = A \sin(\omega t) \) がベース端子に与えられた場合、エミッタ接地回路での動作は以下のようになります。

1. **入力信号** \( V_{\text{in}}(t) \) がベースに加わると、ベース・エミッタ間電圧の変動により、ベース電流が変動します。この変動に応じてエミッタ電流が変わり、それに比例してコレクタ電流も変動します。

2. **出力信号**は、コレクタ端子から取り出されます。コレクタ電流の変動がコレクタの電圧に反映されます。エミッタ接地回路では、出力信号は入力信号に対して**180度反転**しています。

3. 具体的には、入力が正のとき、出力は負に変化し、逆に入力が負のとき、出力は正になります。このようにして、位相反転が生じます。

例えば、入力波が \( V_{\text{in}}(t) = A \sin(\omega t) \) の場合、出力波は \( V_{\text{out}}(t) = -K A \sin(\omega t) \) の形となり、ここで \( K \) は増幅率です。

### 5. 過去の試験問題と解答

#### 問題1:
エミッタ接地回路における入力信号と出力信号の位相関係について、正しい記述はどれか。
1. 同位相
2. 反転する
3. 90度進む
4. 90度遅れる

**解答**:2.
**解説**:エミッタ接地回路では、入力信号と出力信号の位相が反転します。これは、この回路の特徴的な動作です。

#### 問題2:
エミッタ接地回路の利点として正しいものはどれか。
1. 入力インピーダンスが高い
2. 電圧増幅率が高い
3. 出力インピーダンスが低い
4. 位相反転がない

**解答**:2.
**解説**:エミッタ接地回路は、電圧増幅率が高いことが最大の利点の一つです。これにより、弱い信号を大きく増幅することができます。

#### 問題3:
エミッタ接地回路が使用される用途として適切なものはどれか。
1. 高周波増幅回路
2. 低周波増幅回路
3. 電流源回路
4. 高電圧スイッチング回路

**解答**:2.
**解説**:エミッタ接地回路は、特にオーディオや低周波信号の増幅に広く使用されます。

### まとめ
エミッタ接地回路は、電圧増幅に優れ、信号の位相反転を伴う重要な回路です。この回路の理解は、第一級陸上特殊無線技術士試験のトランジスタに関する問題を解く上で重要です。試験対策としては、回路の基本動作や特性をしっかりと理解することが大切です。


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