中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

貴州黎平県肇興郷のトン族の鼓楼で食事

2013年10月14日 | トン族

貴州省黎平県肇興郷は全人口の約90%がトン族で、郷内には5つ鼓楼もあり、中国一のトン族の村としても広く国内に知られているとの事です。旧暦(中国語では農暦)8月末には、ここ肇興郷周辺の村々では二年に一度芦笙節が行われるそうですが、たまたまこの肇興郷に地元のトン族の知合いが居て、その知合いからその二年に一度行われる芦笙祭りを見学に来るよう連絡が有ったので出かけてきました。

芦笙節の前々日の夜には、鼓楼で全員が集まって食事が振舞われるようですが、肇興郷には、全部で5つの鼓楼があるので、その鼓楼毎に皆が集まって祭りのご馳走を全員で食べるようです。私は知人のトン族の所属する鼓楼で、皆さん方と一緒に祭りのご馳走をいただきましたが、私にとってもこのように鼓楼の下で村人と食事するの始めての経験でした。

知人が属する鼓楼。祭りの祭等には、この鼓楼の下でテーブルを囲んで皆で食事をするようです。また料理も鼓楼で作られます。

 

鼓楼の下で行われた祭りの食事会。祭りならではの昔ながらの伝統的な様々なご馳走がテーブルには並びます。このような祭りの時には肇興郷でも必ず「お強」を食べます。魚もありました。ウサギの肉はここ肇興郷周辺のトン族の村では祭りの時には必ずと言って良いほどご馳走として並びます。

 

凱里市の苗族の酢湯は有名で、凱里市内の食堂や普通の苗族の家でも酢湯はご馳走になったことはありますが、今回初めてトン族の酢湯(suan tang)を味わいました。肉類は鴨子、ウサギの肉、豚肉の三種類。ピーナツの炒めた物に混じって当然牛ビエ(niu bie)も並んでいます。トン族の酢湯も米の「とぎ汁」を使うそうです。

 

出された「お強」は、このように手で食べる。小さな碗に載っている紅い色の料理は、トン族の名物料理として有名な「紅肉」。碗に盛られ出されたスープは、手前にあるレンゲで直接掬い飲みます。個々に碗は有りません。スープは酢湯(suan tang)と大根と骨付き豚肉を煮込んだ物の二種類が出されました。

 

こちらは男性のグループ。男性と女性は基本的には、それぞれ別々のテーブル、グループに分かれて食事をする様です。


鼓楼の下では、このように沢山のテーブルが並べられ、全員で食事をします。鼓楼の下で、皆に混じってこのようにしてトン族の祭りのご馳走を食べたのは、私にとっても初めての経験でした。


こちらは女性のグループ。無論の事ですが、各テーブルとも同じ品数、同じ内容のご馳走が並んでいます。ここ肇興のトン族の女性は、あまりお酒は飲まないようです。各テーブルに7,8人づつ全部で10テーブル程準備されていました。残った料理は持ち帰ります。これだけの料理を作るのは大変のようで、かなりの人数が料理を準備をしていましたが、料理も各鼓楼で行われます。

 


私がご馳走になった肇興郷の鼓楼。肇興には5つの鼓楼があります。

 

 



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