●5本柱による行政改革の取組みと広報展開
さすがに名称とキーワードだけで運動が進むわけではなく、室長がとりまとめた「理念」を踏まえて、3つの班が具体的な取組の展開のためのスキームづくりの検討を始めた。各班における内外の関係者との議論も含めた検討や取りまとめ作業の過程は省略するが、大きく5つの柱建てへと整理がついてきた。すなわち、「県民サービス改革」「パートナーシップ改革」「事務事業システム改革」「財政制度改革」「組織・機構・人事制度改革」である。
柱の1つめは「県民サービス改革」。項目の一つが、公金不適正支出など閉ざされた構造の中で悪しき慣習が続いてきた事などを踏まえ、もっと「開かれた県庁」になるために…というものであり、先ずは、県の仕事をもっと良くお伝えするということ。例えば「世代別の関心を考慮したメリハリのある情報提供」など。更に、いろいろな意見をもっと良くお聞きするということ。例えば「県全体としてだけでなく地域ごとに意見を聞く仕組みを充実」させるなど。そして、県の仕事に参加できる機会を増やす。例えば「大事な計画等は決定する前に広く意見を募集して反映する」など。このころ盛んに言われ始めた"パブリックコメント制度"の導入などを念頭としていた。
項目の二つ目として、もっと「快適に利用」していただくために…と掲げた。県の仕事について何でも相談できて色々分かる窓口を整備するというもの。例えば「県の仕事の問い合わせは何でもござれの総合窓口の設置」。更に、手軽に早く各種手続きができる工夫を目指す。例えば「申請や届出などのオンライン化」など。そして、第三者の目で県の取組を評価・助言を得て活かして行こうというもの。例えば「県民サービス等について監視する仕組みの導入」などだ。
柱の2つめは「パートナーシップ改革」。"県庁ならではの仕事"を重視するために。県と市町村・民間との役割分担の明確化を図ろうというもの。例えば「民間活動優先、県は広域・大規模・高度専門性という観点」で考えるなど。更に、県庁も「地域の経営者」の一員として、市町村、民間を支援しながら、がっちりスクラムで地域の共同経営にあたろうというもの。例えば「広域行政等の支援、規制緩和、NPO(非営利民間団体)の活動しやすい環境づくり」などだ。
柱の3つめは「事務事業システム改革」。「県庁として本当にやるべき仕事」をはっきりさせるために、既存制度や慣例にとらわれずに「県の本来の役割」に照らして仕事をくまなく吟味すべく「県の仕事の総点検を実施する」。更に、やった仕事、やろうとしている仕事の内容をきちんと点検・説明できる仕組として「県の仕事を評価するシステムを導入し、客観的な見方や考え方で仕事の内容を説明していきます」と掲げた。
体系的に仕事を分析してわかりやすく議論しやすくするため、事業のサイクル全体で考えてみることができるようにするということで、「事業計画の段階」では、例えば目標設定は良いか効率的な方法か等を、「事業を進める過程」では、例えば情勢変化により見直す部分はないか等を、「事業を終える段階」では、例えば目的通りの成果が得られたか等を検証し、次の事業に活かしていけるシステムの構築ということだ。
柱の4つめは「財政制度改革」。限られた大切な財源をより効果的に使うために。先々の財政動向を見通しながら、行政コスト縮減など財政の健全化対策を推進するというもので。例えば「中期財政収支見通しの策定と公表」「効率的予算執行の一層の徹底」など。そして、財政状況の理解と有意な意見を得て行けるように、予算・決算情報の提供の充実と拡大を図る。例えば「決算の情報を分かりやすく、活用しやすくして公表」などだ。
柱の5つめは「組織・機構・人事制度改革」。県庁大改革の目的を達成する体制づくりのために、新潟県独自の特徴を伸ばす取組を効果的に推進できるような仕組みをつくるというもの。例えば「企画立案や総合調整機能の強化のための組織改革」など。更に、改革の時代をリードできる人材の育成確保を進めるとする。例えば「人材育成基本計画の策定」などだ。
以上の「改革5本柱」を、県民の視点に立って改革を進めていくという姿勢を示す合言葉「県民起点」を旗印に進めていく。このスキームは、県内各界の代表と一般公募による有識者委員会での数回にわたる議論も頂きながら「基本構想」として平成10年度末に取りまとめられ、「新潟県21世紀の県行政創造運動」が展開されることになったのだ。
さて、新行政推進室が旗振り役なり司令塔となるのは結構だが、肝心なのは、県職員一人一人が同じ思いをもってそれぞれの職場で県民起点の考えで仕事の改善や改革を進めるということであり、その普及浸透のため「運動」と銘打っているところにある。「基本構想」を速やかに全職員に共有してもらわねばならない。この運動の推進は公務での取組であるのだから、総務部長からの組織系統を用いての全職員へ通知文書は当然に発出するとしても、事務的な公文書だけでは、それこそ"新行政"らしくないではないか。
県民のためとはいえ、仕事の進め方改革はあくまでも内部管理の問題であり、職員向けの普及推進ツールに大きな費用を掛けるわけにはいかないし、活用できる予算も用意していない。前職の農政企画課に続き、またも自作のリーフレット作成を室長に提案し、「素人の手作りでも無いよりはましか」と、私の手作業など取るに足らないという感じだが、了解を得た。
A3判折り畳み4ページに、基本構想やその考え方をマンガイラスト入りで示したリーフレット案を自作し、少しでも目に留めてもらえるよう、僅かな予算を工面して印刷業者と交渉し、白黒でなく赤色のグラデーションを使える2色刷りで仕上げた。「県庁のやり方大改革・新潟県21世紀の県行政創造運動"推進中"!!」と題したそれをツールとして、平成11年4月から、本庁はもとより県内出先機関各所を巡回し、各々講堂や会議室に都合のつく職員を数十人規模で参集して説明会を開催し、職員への普及浸透を進めていったのだ。
柱の1つめは「県民サービス改革」。項目の一つが、公金不適正支出など閉ざされた構造の中で悪しき慣習が続いてきた事などを踏まえ、もっと「開かれた県庁」になるために…というものであり、先ずは、県の仕事をもっと良くお伝えするということ。例えば「世代別の関心を考慮したメリハリのある情報提供」など。更に、いろいろな意見をもっと良くお聞きするということ。例えば「県全体としてだけでなく地域ごとに意見を聞く仕組みを充実」させるなど。そして、県の仕事に参加できる機会を増やす。例えば「大事な計画等は決定する前に広く意見を募集して反映する」など。このころ盛んに言われ始めた"パブリックコメント制度"の導入などを念頭としていた。
項目の二つ目として、もっと「快適に利用」していただくために…と掲げた。県の仕事について何でも相談できて色々分かる窓口を整備するというもの。例えば「県の仕事の問い合わせは何でもござれの総合窓口の設置」。更に、手軽に早く各種手続きができる工夫を目指す。例えば「申請や届出などのオンライン化」など。そして、第三者の目で県の取組を評価・助言を得て活かして行こうというもの。例えば「県民サービス等について監視する仕組みの導入」などだ。
柱の2つめは「パートナーシップ改革」。"県庁ならではの仕事"を重視するために。県と市町村・民間との役割分担の明確化を図ろうというもの。例えば「民間活動優先、県は広域・大規模・高度専門性という観点」で考えるなど。更に、県庁も「地域の経営者」の一員として、市町村、民間を支援しながら、がっちりスクラムで地域の共同経営にあたろうというもの。例えば「広域行政等の支援、規制緩和、NPO(非営利民間団体)の活動しやすい環境づくり」などだ。
柱の3つめは「事務事業システム改革」。「県庁として本当にやるべき仕事」をはっきりさせるために、既存制度や慣例にとらわれずに「県の本来の役割」に照らして仕事をくまなく吟味すべく「県の仕事の総点検を実施する」。更に、やった仕事、やろうとしている仕事の内容をきちんと点検・説明できる仕組として「県の仕事を評価するシステムを導入し、客観的な見方や考え方で仕事の内容を説明していきます」と掲げた。
体系的に仕事を分析してわかりやすく議論しやすくするため、事業のサイクル全体で考えてみることができるようにするということで、「事業計画の段階」では、例えば目標設定は良いか効率的な方法か等を、「事業を進める過程」では、例えば情勢変化により見直す部分はないか等を、「事業を終える段階」では、例えば目的通りの成果が得られたか等を検証し、次の事業に活かしていけるシステムの構築ということだ。
柱の4つめは「財政制度改革」。限られた大切な財源をより効果的に使うために。先々の財政動向を見通しながら、行政コスト縮減など財政の健全化対策を推進するというもので。例えば「中期財政収支見通しの策定と公表」「効率的予算執行の一層の徹底」など。そして、財政状況の理解と有意な意見を得て行けるように、予算・決算情報の提供の充実と拡大を図る。例えば「決算の情報を分かりやすく、活用しやすくして公表」などだ。
柱の5つめは「組織・機構・人事制度改革」。県庁大改革の目的を達成する体制づくりのために、新潟県独自の特徴を伸ばす取組を効果的に推進できるような仕組みをつくるというもの。例えば「企画立案や総合調整機能の強化のための組織改革」など。更に、改革の時代をリードできる人材の育成確保を進めるとする。例えば「人材育成基本計画の策定」などだ。
以上の「改革5本柱」を、県民の視点に立って改革を進めていくという姿勢を示す合言葉「県民起点」を旗印に進めていく。このスキームは、県内各界の代表と一般公募による有識者委員会での数回にわたる議論も頂きながら「基本構想」として平成10年度末に取りまとめられ、「新潟県21世紀の県行政創造運動」が展開されることになったのだ。
さて、新行政推進室が旗振り役なり司令塔となるのは結構だが、肝心なのは、県職員一人一人が同じ思いをもってそれぞれの職場で県民起点の考えで仕事の改善や改革を進めるということであり、その普及浸透のため「運動」と銘打っているところにある。「基本構想」を速やかに全職員に共有してもらわねばならない。この運動の推進は公務での取組であるのだから、総務部長からの組織系統を用いての全職員へ通知文書は当然に発出するとしても、事務的な公文書だけでは、それこそ"新行政"らしくないではないか。
県民のためとはいえ、仕事の進め方改革はあくまでも内部管理の問題であり、職員向けの普及推進ツールに大きな費用を掛けるわけにはいかないし、活用できる予算も用意していない。前職の農政企画課に続き、またも自作のリーフレット作成を室長に提案し、「素人の手作りでも無いよりはましか」と、私の手作業など取るに足らないという感じだが、了解を得た。
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(「新行政推進室5「5本柱による行政改革の取組みと広報展開」編」終わり。「新行政推進室6「時限的に求められる成果」編(1/2)」に続きます。)
☆ツイッターで平日ほぼ毎日の昼休みにつぶやき続けてます。
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