旅の始まりは何も持ってはいなかったのです
自由に楽しむだけで良かったのです
そうしていれば周りも喜び笑顔でいっぱいになりました
15回目の春を迎える頃から旅にはルールが適応されはじめました
そのルールは旅をする者が気づかぬうちに適応されるようにみえますが...
実は旅のプランを立てた時に同意していたものでした
そしてそのプランにはひとつ実行されるとひとつ破棄するルールがあったのでした
そんなことは忘れて
旅人は華やかな地域に出掛けたくさんの人と出会いたくさんの宝物をもらいました
するとそれを妬む人が現れました
それを感じた旅人はその地を離れることにしました
次に海辺の村に行きました
村では毎日魚を釣り日焼けしながら過ごしました
すると持って来た宝物を欲しがる人が出てきました
一番気にいっていた宝物をひとつだけ持ちその地を離れました
次にお花畑がたくさん見える高原に向かいました
そこではあまりの美しさと心地よさで絵を書いて過ごしました
その絵は見る人にも安らぎを与え描くと欲しい人がすぐ料金を置いて行きましたから
たくさん描き続けました
するとたお花畑が次第に来た人に荒らされ枯れ始めたのでその地を去ることにしました
旅人はそろそろ移動しないで定着しようとその料金で川のそばに家を建てました
しばらくするといろいろな人が訪ねて来るようになりにぎやかな日々が過ぎました
そしてそこに訪ねて来る人からたくさんの知識をもらいました
ところが大雨が何日も続き近くの川が氾濫し家が流されてしまいました
旅人は自分は定着せずに移動しているべきだったと悔いました
そしてまた旅に出るようになりました
次に目指した地域は広大な平野の畑に囲まれた土地でした
そこで牧場をやっている家で労力を提供し賃金をもらうことにしました
それが安定していると思ったのです
牛の世話をやり大地で作物を作り旅人は旅人であることを忘れるほど働きました
太陽と大地に抱かれ何回春を迎えたかも忘れていました
ある朝いつも通り目ざめると誰もいなくなっていました
その後すぐ見知らぬ人が来てその牧場にいた牛達はどこかへ連れて行かれました
旅人はそこで作ったチーズを持って行き先もないまま東へと進みました
旅人は少しずつ気付き始めました
何かを得ると何かを失うと
でも恨めしい気持ちはありませんでした
旅人はどこでも夢中になってやってきたからです
だから失った時は止め時だったのだと思うのでした
チーズを持って進んでいると海の見える岬に出ました
するとそこから見える岩場に小舟があり一人の人が旅人に手を振っていました
あまりにも人懐っこい笑顔だったのでその人に近づきました
その人は真っ黒に日焼けした老人でした
旅人に何故この岬にいるのかと深い眼差しで訪ねるので
これまでの出来事を話してしまいました
聞き終わると老人は目をクリクリさせてあなたに決めたと言うのでした
旅人が訳が解らず不思議そうな顔をしていると
老人が話始めました
この岬から見える小さな島で暮らしていたが体力がなくなり街に引っ越すことにしたが
廃虚にしたくないのでそこに住んでもらえないかと
旅人は老人の表情を見て何の疑いもなく承諾しました
そしてその舟に乗り遠くに見える島へと漕ぎ出したのでした
続く
自由に楽しむだけで良かったのです
そうしていれば周りも喜び笑顔でいっぱいになりました
15回目の春を迎える頃から旅にはルールが適応されはじめました
そのルールは旅をする者が気づかぬうちに適応されるようにみえますが...
実は旅のプランを立てた時に同意していたものでした
そしてそのプランにはひとつ実行されるとひとつ破棄するルールがあったのでした
そんなことは忘れて
旅人は華やかな地域に出掛けたくさんの人と出会いたくさんの宝物をもらいました
するとそれを妬む人が現れました
それを感じた旅人はその地を離れることにしました
次に海辺の村に行きました
村では毎日魚を釣り日焼けしながら過ごしました
すると持って来た宝物を欲しがる人が出てきました
一番気にいっていた宝物をひとつだけ持ちその地を離れました
次にお花畑がたくさん見える高原に向かいました
そこではあまりの美しさと心地よさで絵を書いて過ごしました
その絵は見る人にも安らぎを与え描くと欲しい人がすぐ料金を置いて行きましたから
たくさん描き続けました
するとたお花畑が次第に来た人に荒らされ枯れ始めたのでその地を去ることにしました
旅人はそろそろ移動しないで定着しようとその料金で川のそばに家を建てました
しばらくするといろいろな人が訪ねて来るようになりにぎやかな日々が過ぎました
そしてそこに訪ねて来る人からたくさんの知識をもらいました
ところが大雨が何日も続き近くの川が氾濫し家が流されてしまいました
旅人は自分は定着せずに移動しているべきだったと悔いました
そしてまた旅に出るようになりました
次に目指した地域は広大な平野の畑に囲まれた土地でした
そこで牧場をやっている家で労力を提供し賃金をもらうことにしました
それが安定していると思ったのです
牛の世話をやり大地で作物を作り旅人は旅人であることを忘れるほど働きました
太陽と大地に抱かれ何回春を迎えたかも忘れていました
ある朝いつも通り目ざめると誰もいなくなっていました
その後すぐ見知らぬ人が来てその牧場にいた牛達はどこかへ連れて行かれました
旅人はそこで作ったチーズを持って行き先もないまま東へと進みました
旅人は少しずつ気付き始めました
何かを得ると何かを失うと
でも恨めしい気持ちはありませんでした
旅人はどこでも夢中になってやってきたからです
だから失った時は止め時だったのだと思うのでした
チーズを持って進んでいると海の見える岬に出ました
するとそこから見える岩場に小舟があり一人の人が旅人に手を振っていました
あまりにも人懐っこい笑顔だったのでその人に近づきました
その人は真っ黒に日焼けした老人でした
旅人に何故この岬にいるのかと深い眼差しで訪ねるので
これまでの出来事を話してしまいました
聞き終わると老人は目をクリクリさせてあなたに決めたと言うのでした
旅人が訳が解らず不思議そうな顔をしていると
老人が話始めました
この岬から見える小さな島で暮らしていたが体力がなくなり街に引っ越すことにしたが
廃虚にしたくないのでそこに住んでもらえないかと
旅人は老人の表情を見て何の疑いもなく承諾しました
そしてその舟に乗り遠くに見える島へと漕ぎ出したのでした
続く