我 老境に入れり

日々の出来事をエッセイと写真でつづる

風やまず

2022-09-07 09:06:04 | ゴルフ及び山歩き、他スポーツ

❝風やまず❞

どこかで聞いたことが有るような無いような、

だが昨日の登山は最初は霧に

最後は風に悩まされた、

昨日志賀高原の奥にある標高2295メートルの

岩菅山に登った、

2人の山友を乗せて5時に出発、

この山までは自宅から3時間ほどかかる、

途中八ッ場ダム付近では朝の風景写真を撮った、

草津の街を過ぎて山道になるころから深い霧に包まれて

視界が悪くなりノロノロ運転を余儀なくされた、

霧の吹き溜まり付近では目の前の中央分離帯

に意識を集中しなければならないほどだった、

2000メートルの標高を超えた渋峠を過ぎると

日本海側になるが状況は変わらなかった、

3か月前にこの山を目指したときは雨で

渋峠まで来て引き返した、

今回は予報では昼頃には晴れるとあったので

中断の選択肢はなかった、

8時前に登山口のある「一ノ瀬」に到着、

8時登山開始、

上空は強い風が吹き付けて木々を揺らし

山全体をざわつかせていた、

だが思った以上に空気は暖かく半袖で十分だった、

仲間の2人はこの山は3回目と言う事だったので

何の不安も感じなかった、

途中は割と平坦で

渓流と用水路に挟まれた歩きやすい登山道、

1時間を過ぎた頃から本格的な山道になった、

毎回疲労を感じ始めた頃に脳裏をよぎる言葉がある、

❝何でこの齢でこんな苦しいことを!❞

そう、苦しくて辛い、

果たして最後までついて行けるんだろうか?

先日知人が山に登る時の呼吸方とやらの講釈を俺に垂れた、

箱根駅伝で知られた某有名大学のトレーナーの発案だとか、

腹式呼吸で息を充分吸い込み数秒間止める、

吐く時は肺が空になるまで吐き出す、

これを数十回繰り返すことで呼吸が楽になるんだとか、

これを思い出して腹式呼吸に意識を集中しながら歩いた、

効果のほどは定かでないが

意識を苦痛からそらしたことで良かった気がする、

1時間ごとに10分ほどの休憩を入れて

山頂まで600メートルの標識にたどり着いた、

そこからは森林限界を超えて風の吹き曝し、

頂上に向けて注意しながら歩いてみた、

横殴りの風が唸りをあげている、

立っていられないほどだ、

100メートル程歩いて

身の危険を感じて引き返す決断をした、

時計の針は11時10分を指していた。

 

(写真は朝の八ッ場ダムの風景)



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