神戸市立博物館で開催中の企画展『美術のなかの交易 -南蛮屏風から長崎唐館交易図巻まで-』へ行ってまいりました。
ああ、たった200円でこんなに楽しめていいのかしらん。南蛮美術好きののろにはまったく至福でございました。
特別展というわけではございませんので、展示品の数は多くないものの、カルタの版木を組み合わせて作られたそれはもうのろごのみな重箱や、蒔絵展でもお見かけした貝貼り書箪笥などなど、史的にも美術的にも興味深いものが並んでおります。
入り口すぐに展示されておりますのが1570年に出版され、初めて世界全体を描いた地図帳としてベストセラーとなった『世界の舞台』。見開きでB3サイズほどもある、銅版手彩色の立派な本でございます。
見るとアフリカ大陸や、アラビア半島からインドにかけての地形がかなり正確であることに驚きます。北米大陸は東海岸が細かく描かれており、西や北のほうはまだまだ未開の地。南米大陸はダンゴ状でございまして、当時の西欧世界の進出度がわかって面白い。地形の正確さを欠く部分でも、河川はしっかり描き込まれておりまして、黄河は大きく北へ湾曲し、アマゾン川は内陸深く蛇行しております。ここを鎧に身を固めたアギーレが筏で遡って行ったかと思うと感慨ひとしお。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/dd/87315d4c70d5cf281e1f8206fc1f155e.jpg)
ちなみにドン・ロペ・デ・アギーレが黄金郷探索に乗り出したのは、この地図が出版される10年前のこと。翌1561年、自らの帝国をうち建てんとして母国スペインに反旗を翻し、多数の原住民や植民地の住民を男女を問わず殺害し、修道士やつき従って来た者どもや、果ては自身の愛娘も手にかけたすえ、スペイン軍によりばらばらに切り刻まれ、後代に魅力的な物語の題材を遺すこととあいなったのでございました。
詳しくはこちら↓をご参照くださいませ。
Biography of Lope de Aguirre, Madman of El Dorado
次回に続きます。
ああ、たった200円でこんなに楽しめていいのかしらん。南蛮美術好きののろにはまったく至福でございました。
特別展というわけではございませんので、展示品の数は多くないものの、カルタの版木を組み合わせて作られたそれはもうのろごのみな重箱や、蒔絵展でもお見かけした貝貼り書箪笥などなど、史的にも美術的にも興味深いものが並んでおります。
入り口すぐに展示されておりますのが1570年に出版され、初めて世界全体を描いた地図帳としてベストセラーとなった『世界の舞台』。見開きでB3サイズほどもある、銅版手彩色の立派な本でございます。
見るとアフリカ大陸や、アラビア半島からインドにかけての地形がかなり正確であることに驚きます。北米大陸は東海岸が細かく描かれており、西や北のほうはまだまだ未開の地。南米大陸はダンゴ状でございまして、当時の西欧世界の進出度がわかって面白い。地形の正確さを欠く部分でも、河川はしっかり描き込まれておりまして、黄河は大きく北へ湾曲し、アマゾン川は内陸深く蛇行しております。ここを鎧に身を固めたアギーレが筏で遡って行ったかと思うと感慨ひとしお。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/dd/87315d4c70d5cf281e1f8206fc1f155e.jpg)
ちなみにドン・ロペ・デ・アギーレが黄金郷探索に乗り出したのは、この地図が出版される10年前のこと。翌1561年、自らの帝国をうち建てんとして母国スペインに反旗を翻し、多数の原住民や植民地の住民を男女を問わず殺害し、修道士やつき従って来た者どもや、果ては自身の愛娘も手にかけたすえ、スペイン軍によりばらばらに切り刻まれ、後代に魅力的な物語の題材を遺すこととあいなったのでございました。
詳しくはこちら↓をご参照くださいませ。
Biography of Lope de Aguirre, Madman of El Dorado
次回に続きます。