バイオレットのお絵かき☆ダイアリー

折々に描いた俳画や水彩画を展示して、勉強の励みになれば…
そんな想いで、また新たな出発です。

無言館展に行って・・・

2005-08-21 07:57:19 | Weblog
妹を誘って京都文化博物館に行ってきました。
前から一度観てみたかった「無言館」の展覧会です。

無言館は信州の上田市にある美術館で、
戦没画学生の作品がたくさん収められています。
今回はそのうちの58人の137点が出品されています。

この作品展には、是非妹に一緒に行ってもらいたいって思いました。
作品群を観たら、きっとたまらなく辛い気持ちになるだろう!
そんな時、彼女が横にいてくれたら、
少しは心が和らぐんじゃないかなって・・・

想像していたとおり、どの絵からも命の極限で描かれた
魂の叫びが、観ている私たちに迫ってくるようでした。
若者達の絵に対する真摯な情熱がひしひしと伝わってきました。
中でも妻や妹を描いた人物画が多く、戦地に行く者の肉親の情が深く
感じとれ、そこには、若くして亡くなられた方たちの凝縮した人生が
刻み込まれているようでした。

結構たくさんの方が来場されていて、皆さん静かに熱心に鑑賞しておられました。
それに、あちこちで涙ぐんだり、すすり泣きも聞こえたり・・・

出征の前日まで描き続けていたという絵、戦地から姉に送られた
芍薬の絵が描かれたハンカチ、妻に宛てたたくさんの絵手紙、
達筆の細かい字でびっしり書かれた葉書・・・などなど
多くの遺品も展示されていました。
また、それぞれの方のお写真も展示されていましたが、どの方も
若者らしい清清しいイイお顔をされていました。
もし戦争さえなかったなら、きっとこの中から
たくさんの優れた画家が生まれただろうに・・・

観終わった後、館内にあるアンティークな喫茶店でお茶を飲みました。
内部の装飾もゴージャスで、すっかり贅沢な雰囲気に包まれました。
無言館を鑑賞した後だけに、こうして姉妹で楽しくくつろげる幸せな時間が
すごく貴重なものに感じられました。

博物館を後にして、ちょっぴり夕風が心地よい京の街に出た時、
再び60年後の世界に戻ってこれたような気がしました。
そして、好きな時に自由に絵が描けることが、どんなに素晴らしいことなのか、
そんな感謝の気持ちでいっぱいになりました。

会期は28日まで、会場は京都文化博物館です。
旧日本銀行京都店のレンガ造りの建物で、館内の雰囲気も落ち着いて素敵な所です。
お時間がある方は是非訪れてみてください。
コメント (2)
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