つれズレ愚抄

つれ：「百歳になると老人の日に内閣総理大臣銘の純銀杯贈呈を受けられるのは今年が最後になるみたいだよ」

 
ズレ：「それくらいケチったからって何ほどのこともあるまいと思いきや、創設時は１５０人余だった対象者が今は３万人近いとなるとケツメドの小さいおカミが渋リだすのも道理だわな」

 
つれ：「それでもジャンボ宝くじ１等１本にも及ばない総額をわざわざ行政事業レビューに持ち出して削ろうてのもいじましく、敬老精神の欠片も窺えないんじゃないかぃ」

 
ズレ：「まだこの先２０年くらいは戦争で大層ご苦労なさった方々が紀寿を迎えることを思えば、むしろ無垢の金杯を差し上げたってバチは当たらねぇぜ」

 
つれ：「団塊の世代が百歳になる頃には数十億の物入りになる計算にビビッてるんだろうけど、逆に戦争で淘汰されることもなく飽食を享受した世代はそこまで達者でいられる長寿エリートも少ないんじゃないのかねぇ」

 
ズレ：「２０５０年には世界の認知症患者が３倍になるてな心配も揃って長生きできればこそで、それまでには集団自衛からの世界大戦に巻き込まれて逃げ足の利かない年寄はごっそりいかれちまうかもしれないしよ」

 
つれ：「銀の杯を池に落としたのに鉛の玉を頂戴するんじゃ何とも有難くない話だねぇ・・」