東近江市小川町の小川農事改良組合はこのほど、環境保全と水田を活用した種苗生産の一環として、卵からふ化したばかりの「ニゴロブナ」のふ化仔魚(しぎょ)を水田に放流した。
放流は、河川の環境浄化や水田の価値を地域の子どもたちに知ってもらおうと同組合が主体となって2012年から続けている。
今回で6回目となり、これまでには琵琶湖固有種のホンモロコの仔魚も放流してきた。今年はニゴロブナのふ化仔魚114万4千尾を約270アールの水田に放流。地元の八宮保育園の園児らも見学に訪れ、「元気に大きくなってね」と仔魚に声をかけていたと言う。
大きさ3ミリほどの仔魚は、水田の豊富なプランクトンをエサにしながら約1か月で2、3センチまで成長し、外敵が少ない今回の種苗生産だと生存率は40パーセントから60パーセントと、数パーセントの自然界に比べ非常に高い。
成長したニゴロブナは、田んぼの中干し時期となる6月中旬に流下され、大同川を通じて琵琶湖へと旅立つ。
<滋賀報知新聞より>