”スローライフ滋賀” 

新刊「近江の聖徳太子」刊行

 日本で最も多く伝えられる近江の聖徳太子に関する歴史文化遺産を紹介する書籍「近江の聖徳太子 縁起・伝説の世界を訪ねる」が海青社(大津市)から発刊された。執筆したのは、元安土城考古博物館副館長の大沼芳幸氏。
 今年は聖徳太子の没後1400年にあたり、滋賀の風土に根差した太子文化に注目が集まっている。



近江の風土に宿る太子遺産。面白さに触れ郷土愛深める一冊
 著者の大沼氏は、滋賀県に伝わる聖徳太子の文化について、奈良県や大阪府のような日本書紀などの信頼性の高い史料に基づく「史実の聖徳太子」ではなく、古代から現代にいたるまで連綿と続く、聖徳太子を神として崇める「聖徳太子信仰」に基づく、縁起・伝説の世界として語られる聖徳太子の文化と捉える。
 これらは滋賀の風土が招き、創造した聖徳太子文化といえ、「全国のどこにもない、滋賀の個性的な文化であり、滋賀を発信する資源となりうる」と評価するが、地元住民はその価値に気づいていないのが現状だ。

 本書では、近江に伝えられた聖徳太子の縁起・伝説について背景を含めて解説し、県内の関連文化遺産200件以上から厳選した33件について豊富な写真を使って紹介した。
 具体的には、小野の里、西教寺、日吉大社、園城寺、石山寺、飯道山・飯道寺、正福寺、油日神社、佐久良川沿い、金剛定寺、竜王山、吉祥寺と竜王の聖徳太子、御澤神社、石塔寺、長壽寺、市神神社、狛長者、太郎坊宮、瓦屋禅寺、百済寺、聖徳太子の道、五個荘金堂と小幡神社、乾徳寺と小松寺、石馬寺、善勝寺、老蘇の森と長光寺、岩戸山十三佛、観音正寺、教林坊、八幡山と願成就寺、長命寺、敏満寺。

 大沼氏は「近江の聖徳太子を文化資源として定着させ、活用するきっかけになれば」としている。四六判フルカラー印刷。160ページ。定価1980円。滋賀県内外の書店で販売するほか、ウェブ販売も行っている。

 詳しくは海青社(TEL077―577―2677)または同社ホームページ(https://www.kaiseisha-press.ne.jp/)へ。

<滋賀報知新聞より>
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