空き家になって荒れていた東近江市五個荘竜田町の旧近江商人邸宅「松樹(しょうじゅ)館」を、聖徳太子にゆかりのある近江八幡市の寺院「教林坊」の広部光信住職が約15年かけて修理し、聖徳太子没後約1400年の節目に合わせ、教林坊別院として開院した。6月までの土日と祝日に博物館として一般公開している。
↑写真:中日新聞より
邸宅は江戸時代から活躍した近江商人の松居久右衛門の本宅で、1814年建築の主屋や1800年建築の蔵、現長浜市出身の作庭家・勝元鈍穴(1810〜1889年)作の庭園などからなる。大正時代には、久邇宮朝彦親王らも宿泊。建物や蔵は国登録有形文化財、庭園は国登録記念物になっている。
【滋賀・近江の先人第140回】正直な近江の商人のモデル・松居久右衛門(東近江市)
https://blog.goo.ne.jp/ntt000012/e/7fab7d69a11901841a2e8d6f87114d0b
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↑写真:中日新聞より
15年前の時点で、邸宅は約40年間空き家になっていた。屋根の一部が落ち、シロアリ被害もあった。過去に荒れ寺だった教林坊を復興させた経験があった広部住職は、知人から邸宅のことを聞いて現地を訪れ、購入を決めた。「きれいになった状態が頭に浮かんだ。他の人に廃虚に見えていたものが、私には光り輝いて見えた」という。
教林坊別院の開院にあたり、邸宅の北蔵には聖徳太子像や大黒天像などの仏像を安置。邸宅としての建物や庭のほか、親王直筆の額「松樹」や調度品なども見られる。
4月12日に聖徳太子像の開眼供養を行い、寺院や地元の関係者らを集めて開院式を開催した。広部住職は「集まった皆さまの縁が大きく広がって別院が発展し、聖徳太子の教えを広める拠点として、多くの人の心のよりどころとなることを願う」と話した。
一般公開は10:00〜16:00。入館料は大人500円、小中学生200円。近江商人博物館を駐車場として利用できる。
問い合わせ:広部住職 090ー3055ー8183
<中日新聞より>