食べることは、生命を維持するためだけではない、人生の大きな喜びでもある。
しかし、年をとるにつれて、かんでのみ込む機能は衰えていく。
口の機能が衰えると健康を損ない、最終的には社会とのつながりが希薄になる恐れがある。口や喉の筋力が落ちて、口の力が虚弱になった状態「オーラルフレイル」を察知して早く対処し、口で食べて栄養を得られる期間を長くすることが健康寿命を延ばす秘訣(ひけつ)でもある。
■よく噛むためのリハビリ
上手に物を噛むためには、舌やほおの動きが大切。
これらの動きがよくないと、歯があってもうまく噛めず、口の中でもぐもぐしてしまう。舌やほおのストレッチで、口の動きをしなやかにしよう。
●口のストレッチ
・舌を出したり引っ込めたりする。
・ほおをふくらませたり、へこませたりする。
・舌先を左右の口角につける。
・舌先を唇の上と下につける。
口の中にスプーンを入れ、ほおの内側から外側に軽く押して、ほおの筋肉でスプーンを押し戻す。また、首を前後左右に倒してストレッチし、緊張をやわらげると、舌や喉の動きが滑らかになる。