9時05分、津市自宅をスタート
途中、伊賀上野市丸柱に立ち寄り、伊賀焼窯元長谷園登り窯の見学を終えて、10時35分滋賀県甲賀市信楽町の陶芸の森に到着。
小高く広大な丘陵地の山腹に様々な施設&モニュメント。妻のウォーキングには打って付け!! しかし今回深訪の目的は私の推測の真偽を確かめること。
ネット検索すれば簡単だったが、出向く際のモチベーションダウンは必至。この青空にふさわしい高揚感を維持したかった。私だけに与えられた知る権利みたいな
ともかく陶芸の森は後に譲り、本題に入ろう。
正午過ぎ、ようやく彼女が育った家を探し当てる。約40年前に一度訪れた記憶をたどるわけだから大変だった。しかもご本人とは面識がない。
当時、たまたま通りがかった街道沿いの小さな窯元は前庭が広く車が止めやすかった。平凡な木造平屋建だったことは覚えている。
陳列された作品群はどれも表面が黒黒として削り具合も荒荒しくて、それが女流の陶芸家ということに意表を突かれ強烈なインパクトを受けた
その時、私は神山清子という名を脳に刻んだのだった。当時、甲賀の里信楽はまだまだ閉鎖的な集落だったと思われる。
絵付けも陶芸も男の世界の仕事、そこに女身でしかも単身登場!周囲からは穢れ意識をまともに受けて強い疎外感を味わされたことだろう。
陶芸の森の高台に建つ陶芸館の学芸員から既に、神山清子さんが朝ドラのヒローインのモデルだと確認しご自宅を教えれれていた。
陶芸館のプレイガイドにも彼女の紹介やパンフがおかれていた。陶芸村入り口付近と分かっていたのに見つからず、隣の体育館ほどもあるレストラン兼販売コーナーのスタッフに聞き隣だと窺う。私は街道沿いに立つ窯元兼巨大土産店に目を奪われ過ぎたようだ。
今を時めく女流陶芸家、高層ビルとは言わないまでも瀟洒なギャラリー・・・ところがところが、浦島太郎もさもあらん!
街道わきの表札で辛うじてそれと分かる。しかも関係者以外「立入禁止」!防犯カメラ設置との立て札! 入場しようとした私を妻が鋭くたしなめられる。
別の表札には映画「火火」ロケ地とあるが 何のことだろうと思った。<スカーレット>に関係あるのか?
私は坂道に車道を登る。やたら赤い屋根が目立つ!手前には窯が覗く!
もう一度戻ると、一人男性客?が車に戻ってきた。私はすかさず尋ねる。「入ってみいいのですか?」 男性はにっこり笑って「いいのと違いますか」
私は、急いで戻り敷地内に入場する。周りをきょろきょろしていたら、どこから現れたか妻が家人と思われる女性と話し始めた。
私は黙って二人の会話を耳にしながら、目を引くものにシャッター切りたくる。もちろん許可をいただいてだが。
表札のロケ地うのはこの映画のことだった! 一人の女性陶芸家の半生をつづった映画だった。右は神山さんと同じ道を歩んでいた息子(白血病で早世)。
NHKのプロデューサーもここへ来て初めてこの映画のことを知ったようだと相手の女性が言っていた。
では一体このドラマのきっかけはと妻が問うと、「おんなの仕事」という古い本に15人の女性が紹介されていてその中の一人、神山さんにこのプロデューサー、は何かひらめくものがあったらしい。
実際その本も展示されていて中ほどに写真入りで掲載されていた。最初の数行目には確かに絵が好きだったこと、柔道もやっていたこと御描かれていたが、大阪へ女中奉公などてないよ、とこの時ばかりは語気強くおっしゃっていた。
この女性は自ら管理人と名乗っていたが私たちは別れてから娘さんではないかと推測した。
この日は生憎、神山さんはNHKのスタッフと山中に新設したロケ現場に出向いていて留守だった。
二人の話から私は混乱する 神山清子さんはまだご尊命で現役で陶芸活動していると! ここで私は二人の会話に割こまざるを得なくなりました。「彼女は何歳ですか!?」「昭和11年生まれの83歳です。」 失礼しました!!
私はひどい思い違いをしていた。当時、40年ほど前だがまだ30歳そこそこの若輩者は、陶芸家即高老年と即断する非を犯していたのだった。
寸越窯(ずんごえかま)と言うらしい。彼女の許可をいただき見学させていただく。
横が大きく開いているのが、正面が開いている穴窯との相違点なのかと勝手に解釈しておく。
彼女が妻に中に入るよう勧めている。
私も入ってみた。屈んでだが妻と私が入っても楽々だ。
縁側脇の焼き物はNHKの指示でどうやら彼女が焼いたらしい(( ´艸`) 神山さんじゃないよ。
他にも数点あった。またドラマの背景に王されるようだ( ^ω^)・・・
お別れ前に、私は疑問に思っていたことを尋ねた。「ギャラリーはどこに構えられているのですか?」と。
すると、あっけらかんと「ここですよ」と縁側の先の6畳二間を指さして言った。
私は声を詰まらせた・・・
赤い屋根は、NHKからの指示らしい。以前は黒かったのに・・・
タイトルは信楽の温かみのある火色(緋色)の発色から来ているものだと思われる。
絵付けから陶芸へあと数か月でどう進展していくのか増々目が離せなくなりました。
帰路、上野ドライブインで昼食となりました。妻が友人たちと時々立ち寄るようです。
“ビッグ豚カツ” 1,080円
最終編は、信楽焼のモニュメントや様々な窯を紹介する予定です。