2023/09/25
・・・道なき道・・踏み跡を見つけの苦難の連続・・・
達成感より無事に怪我無く下山できた喜びが勝る山行となった
9月23日(土)
桧塚奥峰~明神平周回登山
<はじめに>
過去経験したことがない厳しい山行でした。
前回の予定に手違いが生じて隣の木梶山に変更した経緯もありリベンジのつもりだった。
それが、思わぬ恐怖体験に・・
目的の桧塚奥峰山頂では、おにぎり、ミカン、サイダー
涼風が気持ちよく肌寒さを感じるほどですこぶる順調であった。
その後、ガスで視界が怪しくなったが明神平では
「幻想的やなぁ~」とまだ余裕綽綽であった。
いよいよ下山す
時間的余裕もあるし、自分にとっては4度目だし、
容易ではないが数カ所注意すれば、と楽観的であった。
しかし
その記憶も直近でも既に20年以上前のこと
ルートはすっかり荒れ果てていて
過去の記憶と経験も全く役立たなかった。
明神平の天理大学山小屋の裏から谷に降り始めるや私の頭は大混乱をきたした。
深く切れ落ちた谷を避けるトラバース道は長い風雪を経てズタボロで、
その度にルーファイに手間取り遅々として進まない。
きつい斜度の傾斜地をトラバース中にうっかりスリップでもしょうものなら、まさに奈落の底!
まさにそんな場面の連続であった。
一部始終を以下の画像で詳述したかったのだが、下山中はスマホを構える余裕もなかったし
あのリアルはまさに筆舌に尽くしがたしであったが頑張ってみます。
⛰
まず、当エリアは台高山脈の北部に位置し奈良と三重の県境なので双方から登ることが可能である。
奈良側からだと大又林道が登山口で、三重側だと千秋林道からとなる。
台高山脈とは、北は高見山から南の大台ケ原(日出が岳)に至る長大な稜線をさす。
和歌山街道を左折し蓮ダムの上流に向かう
やがて木屋谷雨量観測所(標高583m)駐車地に到着
広い空き地だが、その先の通行止めゲートのチェーンを外せば自己責任で通過可能だったので
約30分の節約になる誘惑に負け先に進むことにした。
登山口の近くの幅が広くなった路上に駐車
メンバーのAさんとTさん
松阪市のAさん宅に7時集合で、Aさんの🚙に便乗
・・・毎度このパターン・・・若干心苦し・・・
マナコ谷登山口 9:00スタート
杉林の中、急登が続く・・・
1時間半ほどで杉林を突破
清々しい尾根となる
好展望地で給水休憩
三峰山や遠くにクロソ、大洞・・・あと一息だ
稜線上の鞍部に到達!
そのまま左に折れ桧塚へ向かう(画像中央)
桧塚 標高1402m 11:09
ブナの疎林野中山名版を確認し引き返し先ほどの鞍部を越えて桧塚奥峰に向かう。
桧塚奥峰 標高1420m
初めて登った時には、山名版は太く2mほどで白骨化した老木にかかっていた記憶がある。
その様は独特で他山には無いモノであった。今もその名残をとどめようと3本の足場で・・・
三重の最高峰・池小屋山が見えているはずだが・・・
右奥は吉野から熊野に伸びる大峰山脈
昼食を済ませ明神平を目指す 12:28
途中最後の展望所
手前の尾根の先には前回の木梶山があると思う。
その尾根の手前の谷筋が下山道となる
最後の稜線上に到達
奈良と三重の県境尾根
A氏が磁石で確認中だがガスが出てきて現在地も確認できないらしい
ここを右折して明神平の中央部を目指す
視界不良だが明瞭な通路で安心
3張りテントを見つけた!
中央部に立つ山小屋・・・入口に天王寺高校山岳部と・・・知らなかった
小屋ベンチで最後の休憩をとってから下山をスタート 13:40
天理大学の山小屋裏から下山が始まるのだが、
しばらく尾根上を歩いてからに降りるか 初めから谷芯を下るべきか決めかねていた。
いずれも歩いた経験があるのだが、目の前の現実が私の記憶と差があり過ぎて
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下山開始からいきなり両岸切り立つV字の谷で自然と我々との死闘のゴングが打ち下ろされた!
湿った巨石の谷芯歩きと急斜面を攀じ登っての高巻くこと約90分
ースマホを構える余裕もなかったのでうまくお伝え出来ないことが歯がゆいー
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ようやく見覚えのある本流との奥山谷出合に達することができた!
しかし、さらに危険な場面が次々と現れるのであった。
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出合の谷芯を越え正面の斜面に取りつく。
古くなったロープは以前のルートなのか、
見当違いでその左下を攀じ登った。
以前は谷芯も歩いた記憶があるが、これよりすべて右岸を高巻くことになる。
踏み跡を辿っていると、突然、土石流のせいか急斜面の表土が剥がされた岸壁に行く手を遮られる。
その度にルーファイに迫られる!
先導のT氏が斜面を苦心惨憺登って活路を開こうとするが、テープも踏み跡も発見できない。
それでも無理に突破しようとすれば3人とも無事に通過できる可能性は低い!
しかし、脱出口は無いはずがないと思い戻ってみると
最初通過した時には誰も気づかなかった踏み跡がひょんなところで発見できたりするものだ。
そんなことを繰り返しているうちに、突然、眼の前の踏み跡が明瞭な登山道と変化し始めた。
同時に、先導するT氏の「林道が見える!」と弾むような声が谷間に響き渡った!
登り口から200~300m上流に架かる万歳橋に降り立った❣ 4:25
まさに、かすり傷ひとつ負わず「生還」できたのはラッキーとしか思えない。
<その要因として思いつくこと>
1⃣ いつものソロ登山なく3人パーティーだったので、ルーファイする際も3倍の速度で発見できた事
2⃣ 常に話し合い悲観的にならずに冷静に行動できた事。ただし話題の専らは病話で後は旅と山談議
3⃣ 高齢になると体力は落ちるがその分慎重になれた事
4⃣ 若い頃なら、「エエイッ!」とやって上手くいかずも備えが効くが、我々はそうはいかず滑落必至との自覚がある事
5⃣ 日没まで十分な時間的余裕があったこと
6⃣ それまでの高温が嘘のように絶えず涼風が吹いていて無駄に体力を消耗せずに済んだこと
7⃣ 谷間にかかわらずアブ,ヒルなどに遭遇せずに集中できた事
8⃣ 縦走時にはYAMAPが大いに役立ったこと 但しバッテリー持参も接続コードを忘れたことは痛かったが
以上、
達成感より安堵感の方が勝る山行は過去なかったと思う。
今後の山とのかかわり方について学び多い山行となった。
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