まるぞう備忘録

無題のドキュメント

イッサ伝の考察7。

2019-12-31 10:37:53 | 今日のひとり言


 今日はいよいよ最終話です。

 すると統治者ピラトは、もう一人の証人を呼びにやらせた。ピラトにそそのかされ、イッサを裏切った男である。男は来て、イッサにこう言った。
「あなたは確かに、人を治めているあのかたが、民に用意をさせる先触れとして、 あなたをこの世に遣わしたと言いました。そしてそのとき、自分こそイスラエルの王だと言ったではありませんか」
 するとイッサは男を祝福したあと、こう言った。
「あなたは赦されます。本心からそう言っているのではありませんから」。


 私の空想小説では、この告発者こそが、イッサが一番信頼をおいているユダであります。



そして総督に向き直り、
「どうしてあなたは、自分の品位を恥ずかしめるのですか。どうして家来に、間違った生き方を教えるのですか。自分の手は汚さずに、無実のものを罪に落とす方を持っているあなたが」
総督はこれを聞いて怒り狂い、イッサに死の宣告と、二人の盗賊の赦免を命じた。
協議を終えた裁判官らは、ピラトに言った。
「私たちは無実の人を有罪にし、盗賊らを釈放するという大きな罪を負うことはできません。それは法に背きます。だからどうぞ、あなたの思いのままに。」
 祭司と賢い長老たちは、こう言い残して法廷を出、聖なる鉢で手を洗って言った。
「この義人の死について、私たちに責任はない」


 この記述。私達が知る新約聖書とは正反対です。
 イッサに処刑宣言したのは、ローマ総督のピラトだったのか。あるいはユダヤ教の長老たちだったのか。

 新約聖書では「この義人の死について、私達に責任はない」はピラトの言葉となっています。
 イッサを十字架に架けたのはユダヤ教の長老たちと伝えられています。そしてそれがのちに「ユダヤ民族が迫害される」こととなる一つの理由となっています。



 総督の命により、兵士はイッサとニ人の盗賊を捕らえ、処刑場へ連れ出した。彼らはそこで、地に立てた十字架に釘付けされた。
 十字架の下を兵士が警固し、架けられたイッサと二人の盗賊は、終日放置された。見るも怖ろしい眺めであった。群集は周りを囲んで立ち尽くし、受難者の身寄りのものは、祈り、哭いた。
 日没、イッサの受難は終わった。意識を失ったこの義しい人の魂は、肉体を離れ神に受け止められた。
 こうして、永遠の霊の反映、人の姿を取った地上の存在は終わった。その人は、心を頑なにされた罪人を救い、多くの苦しみに耐えた。


 イッサが人類の意識に楔(くさび)を打った瞬間であります。
 「赦す」という想念の楔を。
 2000年たった今でもそのイッサの楔は私達の心の中で共鳴しています。



 そして聖イッサの弟子たちは、イスラエルの地を捨て、異教徒の間に散っていった。異教徒たちに誤った行ないを捨て、魂の救いについて、人間性の完成による完全な幸せについて考えるように、と説きながら。また真の人間性は、偉大な創造主の、霊の光の国を思うことによってのみ回復される。無限の純粋と完全な威光をもって、主はそこに安らかに在す、と教えながら。

上書きされた楔(くさび)

 私の空想小説ではソロモンのイエスにより、イッサの楔は偶像に上書きされました。「神の子のイエスを信じることにより最後の日に天国に行くことができる。信じないものは地獄に行く」という外在の信仰に。自分の中の神性を信じるのではなく。神の代理人と自称する偶像を信頼せよ。と。

 ソロモンイエスの仲介役であったパウロはユダヤ以外の世界に新しい偶像宗教を広める。それはギリシャやローマなど地中海沿岸に広がり、そして世界最大宗教へと発展していく。

【新約聖書の構成】
・マルコ・マタイ・ルカの福音書:イッサの物語がベース。
・ヨハネの福音書:ソロモンのイエスの物語がベース。
・使徒言行録:パウロの布教活動の歴史。ユダヤ以外の地中海沿岸。
・パウロの手紙:パウロの布教の言葉。
・黙示録:キリスト教社会の行く末と別のモノについて。イッサでもソロモンのイエスでもないメッセージ。



ユダヤ人たちの運命。

 一方ユダヤ人社会は、ローマ帝国とのユダヤ戦争に敗れて消滅してしまいます。

・ヤハウェは慈悲の神である。
・神殿とは一人ひとりの心の中にある。
というイッサの言葉は、ユダヤ人社会には浸透しきれなかったようです。残念ながら。

 「ヤハウェの信仰への頑なさ」がローマ帝国と対立しついに開戦。ローマ帝国の圧倒的な戦力によりエルサレムが陥落。

 彼らはエルサレムの地から追放されて二度と故郷に足を踏み入れることを許されませんでした。こうして2000年にわたる流浪と迫害の運命を歩くこととなります。

 流浪のユダヤ人たちの2000年。
 その多くの人たちは散らばったその土地土地の社会にひっそりと溶け込みました。
 しかしある一部は金融経済で社会と牛耳ることで自分たちの安全を守ろうとしました。
 またある一部は再びエルサレムにユダヤ神殿を復活させるという原理主義に道を見つけました。
 またある一部は交換条件の見えない世界に惹かれて行きました。



人類の溶け込んだイッサの楔(くさび)。

 そしてこの2000年。イッサの言葉とソロモンイエスの言葉は混じり合いながら人類の社会に広がって行きました。

 さて。イッサの生命を懸けた楔は成功したのでしょうか。失敗だったのでしょうか。
 それは私達人類にかかっています。
 イッサの楔はあまりにも純粋過ぎて今の人類は消化出来なかった。
 だからソロモンイエスの毒を半分混ぜなければ、受け入れることが出来なかった。

 なぜなら私達人類はあまりにも自分の心から離れ過ぎたから。
 何度警告を受けても、何世代かたつと再び偶像崇拝に改変してしまう人類。外の神様に御利益を求め始めてしまう人類。
 あるいは、あいつよりも自分の方が本当の神の教えに忠実だ。と比較し争いを始める人類。異端は異教よりも憎し。原理主義は必ず争い対立を生む。

 そのレベルの人類には、イッサの楔は強烈過ぎる。その楔が人類に浸透していくために、ソロモンイエスの毒。陰と陽。このペアであったからこそ、キリスト教は世界最大の宗教となった。この聖なるものと邪なるものの混ざり具合が、人類のレベルに丁度合っていた。
 人類は自分たちにあった宗教を創っていく。
 たとえばそれはマリア信仰。これはキリスト教圏で生まれた「人々の中にあるの母性」の信仰であります。
 またキリスト教圏の中でも自分の心の神性を感じる人は大勢いた。その人たち。外在の神の子イエスに頼るのではなく。自分の人生を生き抜いた人たち。そういう人たちには年月を超えてイッサの言葉が届いていたことでしょう。
 また自分より弱い立場の人たちに心が共鳴する時、その時もまた年月を超えてイッサの言葉とも共鳴していたことでしょう。イッサが私達に伝えた言葉。現在進行系。



 異教徒も、その王たちも王の戦士らも、彼らの不合理な信仰を捨て、この教えに耳傾けた。彼らの祭司、彼らの偶像は捨てられ、比類なく賢い全宇宙の創造主、王の中の王はあがめられ、祝された。主の心は、限りなく慈悲に満ちている。

 このイッサ伝のラスト。これは次の人類の社会の予言であります。
 そしてそれは新約聖書の一番最後に書かれております。黙示録として。
 毒が半分混ぜられた新約聖書の世界とは「別のモノ」として。



守られた未来とは。

 それが極東のエデンの園であることは最後の最後まで秘密にされるべきことであります。知られれば潰されるから。未熟な人類がそれを潰すから。本当に達成したいことは「他人の想念に晒すな」という量子力学の理論でもあります。

 2600年前。その極東のエデンの園にたどり着いた古代イスラエルの末裔たち。彼らがこのエデンの園に入る時、慈悲のヤハウェが彼らに持たせたというヤハウェの鏡。
 拝むのは偶像ではない。自分自身の姿が映るこの鏡である。と。

 極東のエデンの園にあるイッサと同じ名前の聖地。ヤハウェの父性と母性。陰と陽。新約聖書の世界とは別のモノ。



 このシリーズ終わり。
 今年もお読み頂いてありがとうございました。





https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html>首相官邸へのご意見
自民党への安倍首相応援コメント
安倍首相のFacebook




おまけ(読者の方によって教えて頂いたこと)
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慈悲慈愛も行過ぎると何でも許されるってなりかねない。結果今の世でしょ。

→ 慈悲慈愛を説く社会を滅ぼす悪魔の手口は決まっております。無防備にして収奪し滅ぼすのです。
だから子供を育てる時は無菌培養ではなく、少しずつ社会の悪や理不尽さにも免疫を付けることが大切と思います。日本社会全体も。
海千山千の隣国ともしたたかに渡り合えないと日本は危ないです。かろうじて安倍外交で救われていますが。

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以前あったおまけの下の(二カ所目の)「いいね!」ボタンはやめたのでしょうか。
もしすでにご指摘、ご回答などありましたらスルーしてくださいませ。


→ すみません。こちらもいつの間にか削除されてしまったようです。復活させました。
またお気づきの点があればお知らせください。よろしくお願いいたします。

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実はユダは裏切り者でなかった、ということでしょうか。
最後の晩餐の向かって左側に描かれているユダ。かれこれ30数年前にイタリア、ミラノの美術館で拝見させて頂いた折ガイドさんに受けた説明は、ユダが肘をついてキリストを睨むように描かれている姿が裏切り者を象徴している、というような説明を受けました。
この解釈も、実は真実ではないのでしょうか。


→ 私の空想小説ではユダは裏切り者どころか、イッサから一番信頼を受けていた弟子でありました。

イエスは言った。
「お前は13番目となり、のちの世代の非難の的となり ・・・ そして彼らの上に君臨するだろう。最後の日々には、聖なる世代のもとに引き上げられるお前を彼らは罵るだろう」
(ユダの福音書より)

ダビンチはイエスの死後1400年後でありますから、新約聖書の世界観で絵を描いたのです。

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近所の方に掘りたての新鮮な蓮を頂きました。
さっそく、帰省中の娘とサラダと煮物を作りました。
とても美味しかったです。


→ それはさぞかし美味しいだろうと思います。ご馳走様です。

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新約聖書の内容4点の下り、黙示録(もくしろく)→黙字録になってます。

→ ご指摘ありがとうございます。

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A投稿された方が「不掲載」をご希望の場合、それに反して意図的に公開することはいたしません。
B1.公開を希望しないコメントは投稿しないでください。基本的に投稿されたものは他の読者の方の目にもふれるとお考えください。
これは矛盾すると思うのですが、どちらがほんとうでしょうか。


→ どちらも本当です。不掲載希望と書いてあるものをわざわざ公開はいたしません。ただし手作業ですので、こちらのミスで公開されるリスクはあります。
ですのでそのような方はコメント欄には投稿しないでくださいという意味です。


また、メールですと送信者のメアドという個人情報が自動的に管理人に伝わり個人情報を開示したくないという人にとってはハードルが高い場合もあります。不掲載希望のコメントはそういう人にとっては都合がよかったのではないかと思います。

→ 私も読者の方のメールアドレスを知りたいわけではないので、無理にメールで送ってくださいという意味ではありません。
「不掲載」の手作業ミスを100%の精度で回避するにはこの方法しか現在はありません。情報系統を完全に別にするしかないです。

ちなみにこれまで「不掲載希望」のコメントは以下のパターンがほとんどです。

1,誤字や誤記のご指摘。わざわざ公開しなくても良いですよというご配慮からの「不掲載希望」。ご存知のように誤字誤記が多いのでこのケースは比較的多いです。ありがとうございます。
こちらは私が万が一ミスをして公開しても、大きな問題となりません。

2,クレーム。しかし公開されると他の読者の方からその投稿者への批判が起きる理由からの「不掲載希望」。

3,相談内容。ただし内容から個人を特定される可能性を懸念しての「不掲載希望」。このケースは稀です。

4,情報提供。ただしネットで公開されるべき情報ではないための「不掲載規模」。このケースは稀です。

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神道には偶像は有りませんが、社や御札等に神聖を感じて願う事は似たような物に思えます。

→ 同意です。残念な風潮です。

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なのでまるぞうさんが「掲載前提です。不掲載は認めません」という回答だったら「ここはそういうブログなんだ」と読者は思うでしょうし、ほかの読者から読まれないような手段を講じるかもしれませんが、上記のような曖昧な言い方だと、世の中にはいろんな解釈をする人がいるからよけい混乱すると思いました。

→ ご指摘の内容は正しいです。ありがとうございます。

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個人情報をさらした、まるぞうさんが悪いのではなく、
個人情報を書いて投稿したあほが悪いのだと、なぜ理解できないのでしょうか?


→ ここのコメント欄で個人情報が公開されたことは今まで一度もありません。誤解無きよう念の為。

ちなみに個人情報とはその情報だけで第三者が個人を特定できる情報のことです。
たとえば「山田太郎」という名前だけでは個人を特定できないので個人情報ではありません。同姓同名が日本中いらっしゃるので。
たとえば「090-1234-56xx」という電話番号だけでも個人情報ではありません。その番号が誰の番号かわからないからです。
しかし「山田太郎 090-1234-56xx」と組み合わせると第三者でも個人を特定できるので、これは個人情報となります。

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・父親の浪費癖がひどい貧しい家に生まれ生活は苦しかったが、母親の姿から倹約を学んだ。
・とにかく倹約しまくった。昼食は常に安いレストランだった。生涯で唯一の無駄遣いが、2ドル50セントの手袋だった。その一件を一生悔いていた。
・年間収入の一割を必ず慈善事業に寄付した。寄付の計算をするためだけに数人のプロを雇い一つの部署が出来ていた。
・本人曰く「何かを、何がなんでも欲しい。と思った事は一度も無い」。
・孫曰く「生涯の大半を人に嫌われて過ごした」→本人は平気だった。


→ 興味深いです。ありがとうございます。
・物欲が薄い人にお金が集まる。
・人に嫌われても平気な人に人が集まる。
という真理の一面ですね。

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の素晴らしい教えからどうねじ曲げれば、ユダヤ教のタルムードにあるような異教徒を家畜と見なし、騙してもよいとするゴイム思想になっていくのかを思うとき、人間の生きる難しさ、故に少しでも楽に生きたいとする欲求は凄いのだと気付きます。

→ 2000年の流浪と迫害の環境が大きな一つの原因と思います。

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この1年間ありがとうございました。
来年も良い年でありますように。

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