前回に続きます。
3 教師が生徒を一人として見捨てない。
マスプロ教育の弊害として,「落ちこぼれ」を作ってしまい,彼らを見捨ててしまった。そのために,ある者は不登校となり,ある者はぐれてしまい,ある者は進学や就職もしないで無為徒食に暮らすようになってしまう等の問題が発生しています。
もちろん,こうなる原因は,学校ではなく,専ら家庭にあることはいうまでもありません。しかし,学校としても,こうなる生徒をみすみす見過ごすわけにはいきません。
そこで,最近では,ユニ教育,すなわち不登校生徒へのフォローや,授業についていけない生徒に対する補習制度などを活用し,可能な限りの対応を行っている学校も多いです。
これは,大いに結構かと思います。
ただ,この手法は,事後的な措置,すなわち病気が発生した後の薬治療であり,手術であります。
重要なのは,このような生徒が発生しないようにすること,すなわち予防措置が重要なのです。1でも説明しましたとおり,教師の目が全員に確実に届くことだけでも,かなりの予防効果は期待できます。
しかし,それ以上に,生徒の異変にいち早く気がつき,それに対応し,時には,上席の教諭に相談し,または親に対して報告や相談をするなど,きめ細かな配慮が必要となります。マスプロ教育のみでは対応できないため,ユニ教育による効果が期待できる部分であるといえます。
では,具体的には,どうすれば予防できるか。
これは,生徒全員とのコミュニケーション,これにつきます。毎日,言葉のキャッチボールをすればよいのです。これは,特定の生徒(問題のある生徒など)だけではだめです。他の生徒が色眼鏡で見るおそれがあり,張本人もかえって警戒してしまうからです。
これに対して,中学生くらいになると,いわゆる反抗期になるため,教師に心を開かない,本音話をしないため,意味がないという反論もあります。
しかし,これは間違いです。確かに,反抗期になり,教師に心を開かない生徒もいると思います。
だから,やっても無駄なのではありません。だからこそ,やるのです。生徒が「先生,うざい」と思うかもしれませんが,うざいと思われることで,先生の存在感が逆に出るわけです。むしろ,うざいかなと気にしてその生徒を放置してしまうと,「見捨てられた」と思い,いよいよおかしな方向に進んでしまう可能性があるわけです。
逆に,先生に心を開いている生徒もいるわけで,そういう人からは時に他の生徒の情報が入ることもあります(悪い言葉でいうと「チクリ」とも言うのでしょうが,決して生徒の悪口を言うばかりではありませんので,必ずしもチクリの意味ではありません。)。そこで,情報を整理して,あらゆる可能性を考えていけばよいわけです。
とにかく,教師としては,生徒全員とコミュニケーションを取る機会を設けなければなりません。これは,全体を対象とする点ではマスプロ教育の一環になりますが,具体的な内容としては,まさにユニ教育の典型といえるでしょう。
まとめ
① 生徒とのコミュニケーションを常に取り,生徒の異変を事前に察知するなどの予防策を講じる。
② 異変に気がついたら,すぐに上席や親などと連絡を取るなどする体制を作る。
次回は「
4 教師が上司,教育委員会,PTA等に媚び売らない。また,上司からの命令も自己の信念に反していれば無視する。」です。
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