あれは,あれで良いのかなPART2

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残業をやめて子作りに専念しよう?

2007年01月06日 23時36分43秒 | 政治・選挙
いわゆる管理職の残業代を0にしたり,8時間労働制限をなしにするなど「ホワイトカラー・エグゼプション」について,安倍首相は「日本人は働きすぎだから,この制度導入することで労働時間が短縮されて,家族で過ごす時間が増えてよいのではないか」などとコメントしているようで,この制度導入に意欲的のようです。

残業代ゼロ 首相「少子化対策にも必要」(朝日新聞) - goo ニュース

認識甘いんじゃないの?

この制度は,あくまでも中間管理職の残業代を払わなくてよいことや,8時間労働の制限がないだけで,仕事自体が制限されるわけではありません。そして,その仕事をこなすためのある一定の目標を設定し,その目標を達成できればそれでいいという制度です。
ていうことは,別にこの制度を導入したからといって,労働時間が短縮されるという帰結にはまったくならないのです。むしろ,連合等多くの労働組合や有識者が指摘しているとおり,「中間管理職の給料は減るが,労働時間が増加し,土日勤務も増え,休む暇なく,過労死や家庭崩壊につながりかねない」ということになるのではないでしょうか。
経営者の立場に考えてみれば,「給料払わなくて仕事たくさんしてくれて,しかも中間管理職だから何かあったときに責任かぶってくれればそれで十分。代わりのこまはたくさんあるから。」くらいにしか考えないでしょう。この制度の恐ろしさは,まさに「経営者の,経営者による,経営者のための制度」であるといえます。一方の中間管理職たる労働者にメリットはほとんどありません。

安倍首相のコメントは,制度の表面的な部分しか捉えていないといえます。この制度を導入することで,本当に「労働時間短縮」になるといえるのか,大いに疑問を感じざるを得ません。むしろ,前述のとおり,労働時間が増加して,ますます家庭円満の機会が奪われるのではないでしょうか。
もっというと,この制度は中間管理職に適用されるものです。っていうことは,本当に子育てに必要な若手世代には適用されません。すると,仮に安倍首相が言っているようにこの制度により労働時間が短縮されるとしても,それはあくまでも中間管理職についての話であり,子育て世代の労働時間が特に短縮されるわけではありません。

もしも,本当に労働時間を短縮させたいのであれば,実は今の制度で十分できる方法があるのです。それは,「残業代を100%確実に支払う」こと,すなわちサービス残業を一切禁止すればよい,ただそれだけのことです。
現在の労働基準法でも,サービス残業は禁止されており,違反企業には行政罰が課せられるほか,未払い分を労働者にすべて支払うことになっています。そして,現に労働基準監督署の調査によって,未払い残業代を支払う旨命じる事例はかなり発生しています。
とはいえ,これらはほんの氷山の一角に過ぎません。本当に家庭円満を大事にしたいという首相の思いがあるのであれば,まず「残業代払え」という方針にしたほうがよほどましでしょう。
なぜ,残業代払えといえば家庭円満につながるのか,それは単純な理論で,「経営者は給料払いたくない」からです。

もっとも,今の自民党は,経営者側から多額の政治献金をもらっているため,経営者の意向に反する政策は提案できませんから,およそ無理な話だとは思いますが,選挙対策としては,このような方法も検討するに値するのではないでしょうか。
本当に家族円満となる労働政策,その点をもっと考えてほしいものです。もちろん,野党もその点について単に反対するだけではなく,明確な対案を示してほしいです。そうしないと,経営者のみならずサービス残業が当然と思っている労働者の支持も得られないかもしれません。

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