今回は,問題点を中心に説明します。
第4 現行刑事裁判の問題点
1 当事者に被害者がいない
以上のとおり,裁判の当事者は「検察官VS被告人」です。これは,刑罰権は国家のみにあるということを根拠しています。
一方で,長年にわたり,被害者が裁判からないがしろにされてきたという点が問題となってきていました。
近年では,徐々に被害者も裁判に参加できるような制度になってきましたが,それでもあくまでも被害者は「第三者」にすぎないのです。
2 時間がかかる
以上のような手続きを取りますので,争いがあればそれだけ時間がかかるということは制度上仕方がないことです。
しかし,それでも少しでも短時間で済むようにするため,最近では,「公判前整理手続き」を導入し,裁判の前に争点を整理して証拠調べを最小限にするような手続が加わりました。
ただし,起訴状一本主義や予断排除の原則は維持されますので,公判前整理手続きで行えるのは,あくまでも「こんな方針で,こんな証人がいる」という程度のことしかできません。
3 弁護人の姑息な戦術
ここも非難が集まります。確かにやりすぎな場合もありますが,一方ではえん罪防止のために必要な制度もあることから,一律に批判することは難しいと言えるでしょう。
4 分かり難い
裁判員制度が導入されると,ここが確実に問題になります。
まず,用語が難しいです。また,手続きも簡単そうで難しいです。
例えば,「未必の故意」。なんだか分かりますか?。作家の曽根綾子さんは,この言葉を聞いたとき,「あら,刑法も粋だわね」とビックリされたそうですが,実は「密室の恋」と勘違いしていた,なんていうエピソードがあります。
これは,宿題にしますね!
いずれにしても,難しい手続や用語を改善しなければ,裁判員も「日本語で裁判やってください」と言いたくなってしまうかもしれませんね。
以上長々と説明しましたが,刑事裁判は,このような仕組みや流れで進んでいるんだ,っていうことを少しでも理解できれば幸いです。
たしかに一部まどろこしい制度もありますが,この辺は「冤罪防止」という目的がある,という前提で見てみたらよろしいでしょう。
その上で,裁判員制度が始まったらどうなるのかとか,被害者家族が裁判に参加することの問題点などについての議論について考えてみるとよいかと思います。
よく分かる(?)シリーズ 刑事裁判の仕組み(その1)
よく分かる(?)シリーズ 刑事裁判の仕組み(その2)
よく分かる(?)シリーズ 刑事裁判の仕組み(その3)
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第4 現行刑事裁判の問題点
1 当事者に被害者がいない
以上のとおり,裁判の当事者は「検察官VS被告人」です。これは,刑罰権は国家のみにあるということを根拠しています。
一方で,長年にわたり,被害者が裁判からないがしろにされてきたという点が問題となってきていました。
近年では,徐々に被害者も裁判に参加できるような制度になってきましたが,それでもあくまでも被害者は「第三者」にすぎないのです。
2 時間がかかる
以上のような手続きを取りますので,争いがあればそれだけ時間がかかるということは制度上仕方がないことです。
しかし,それでも少しでも短時間で済むようにするため,最近では,「公判前整理手続き」を導入し,裁判の前に争点を整理して証拠調べを最小限にするような手続が加わりました。
ただし,起訴状一本主義や予断排除の原則は維持されますので,公判前整理手続きで行えるのは,あくまでも「こんな方針で,こんな証人がいる」という程度のことしかできません。
3 弁護人の姑息な戦術
ここも非難が集まります。確かにやりすぎな場合もありますが,一方ではえん罪防止のために必要な制度もあることから,一律に批判することは難しいと言えるでしょう。
4 分かり難い
裁判員制度が導入されると,ここが確実に問題になります。
まず,用語が難しいです。また,手続きも簡単そうで難しいです。
例えば,「未必の故意」。なんだか分かりますか?。作家の曽根綾子さんは,この言葉を聞いたとき,「あら,刑法も粋だわね」とビックリされたそうですが,実は「密室の恋」と勘違いしていた,なんていうエピソードがあります。
これは,宿題にしますね!
いずれにしても,難しい手続や用語を改善しなければ,裁判員も「日本語で裁判やってください」と言いたくなってしまうかもしれませんね。
以上長々と説明しましたが,刑事裁判は,このような仕組みや流れで進んでいるんだ,っていうことを少しでも理解できれば幸いです。
たしかに一部まどろこしい制度もありますが,この辺は「冤罪防止」という目的がある,という前提で見てみたらよろしいでしょう。
その上で,裁判員制度が始まったらどうなるのかとか,被害者家族が裁判に参加することの問題点などについての議論について考えてみるとよいかと思います。
よく分かる(?)シリーズ 刑事裁判の仕組み(その1)
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