あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

OBか!議員OB会へ補助金支給

2007年02月10日 13時13分06秒 | 政治・選挙
議会ネタ続きですが,議員OB会に対する補助金の支給は違法である旨の判決が出たにもかかわらず,東京都千代田区,荒川区,板橋区,品川区の4区では,引き続き,OB会への補助支給を行うこととしたようで,来年度予算案に計上した模様です。

議員OB会に補助金、東京の4区が最高裁判決を無視(読売新聞) - goo ニュース

OBか!

タカアンドトシのようなつっこみをしたくなります。
議員OB会は,完全なる親睦団体です。つまり,議員活動はもちろんのこと,政治関係に関与しません。もちろん,ボランティア的な関与はあると思いますが,基本的には「仲良しクラブ」なのです。
したがって,このように公益性のない団体に補助金を交付するのは,憲法89条の問題が出てきます。
もちろん,OB会が公益性の高い団体であれば,憲法上の問題はクリアできるのでしょうが,今度は議員でもないOB会が公益性をもつとなると,「第2議会」となってしまうのではないか,という問題も出てくるでしょう。
最高裁判決(正しくは,差し戻し後の高裁判決)を読んでいないので正確なことは言えませんが,おそらく判決でも法律上の問題点を指摘しているものと思われます。

さて,議員OB会,実は多くの自治体にあります。もちろん,そのほとんどは「私的親睦会」なので,それはそれで自由に活動していいでしょう。
しかし,中には「OB会の事務を県庁や市役所の議会事務局等で行っている」という事例があるのです。すなわち,職員が税金を使い親睦会の事務を行っているのです。
そして,この事務とは,会費の徴収と,旅行先の設定,場合によっては添乗員的業務まで行っています。
当然ながら,これは事実上の首長命令です。
なぜここまでやるのでしょうか。
別に,元議員を敬っているわけではありません。完全なる「議会対策」,そして「自分の選挙対策」なのです。
元議員の多くは,議員を辞めてもいろいろな力を持っています。つまり,ここにそっぽ向かれると,すべてが回らなくなります。現職議員は,もちろんOBの配下にいる人が多いため,OBの意向には絶対なのです。したがって,OBがノーといえば,議会でノーといわなければならなくなります。結果,議会は空転します。
のみならず,OBとその関係者は深く選挙に関与している場合が多いです。したがって,下手すると,首長の後援会に対する影響すら発生し,次回の選挙で一気に不利になる恐れすらあります。
したがって,「よいしょ」しなければならないのです。

首長のしがらみとは,実は土木業者だけではなく,このような方々もあるのです。
そうかんがえると,今回の補助金支給問題,根っこはここ一連のしがらみ問題と非常に似ているのかもしれません。
はたしてこの4区,予算案をどのように議会が通過させるのか,現職議員側もOBとはつながりが深いだけに見物ですね。

ただ,むしろ問題とすべきなのは,前述の「見た目の予算は0円だけど,実際は各種事務を役所が行っている」という点の方かもしれません。これも結果的には人件費という税金を使って親睦会を運営しているわけですから。しかも,表に現れにくいだけに,隠れた問題が多そうですね。

先ほどの記事と今回の記事で共通して言えること,それは「議員とは住民の代表であり,決して特権階級ではない」ということをどの程度の議員が自覚しているのかということです。最近の議員の多くは,このようなことを自覚して一生懸命仕事をしていると思いますが,まだまだ「我は特権階級なり」と勘違いしている議員も存在しています。
あとは選ぶ方,つまり私たちの意識の問題ですね。

(2月14日追記)
結局この4区,OB会からの自体も含め,補助金交付を止めることにしたようです。
まだ空気が読める区だったのですね。ちょっとだけ安心しました。

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ワーストクラス議会は「東京都議会」だった

2007年02月10日 13時00分14秒 | 地方自治
なくそう!議員特権キャンペーン」主催のワースト議会コンクールがあり,投票などの結果,東京都議会の各種特権が「ワースト1」に選ばれたようです。

東京都議会がワースト大賞 議員特権コンテスト(朝日新聞) - goo ニュース

次は「議案通過率ワースト1」とか「議員出席率ワースト1」とかやってください

この主催団体,正直少々眉唾なところがあると個人的には感じていますが,それはともかく,議員特権を真っ正面から向き合ったこと,現役の議員が声を挙げてきたこと,一般市民を交えて是非を問うことには大きな意味があったと言えます。
また,この団体のHP(こちらがリンク先です)には,各都道府県市町村議会の特権状況一覧が掲載されています。自分の町がどうなのかを調べてみてもよいかもしれません。

さて,今回大賞以下表彰された(つまり「ワースト議会」とされた)議会は次のとおりです。

ワースト大賞 東京都議会(政務調査費・議員表彰)
 議員1人月額60万円(自治体議会の最高額)の政務調査費に領収書の提出も必要がないこと,また,太田道灌像(約9万円)や肖像画(65万~90万円相当)などの議員表彰があること。

第2位 神奈川県横浜市議会(海外視察・議員表彰)
 政務調査費とは別に海外視察費が支給されること(1期目には60万円。2期目以上は120万円),また,在職20年から5年おきに「10万円相当の好きな商品」と「額入りの肖像写真」で議員表彰があること。

第3位 埼玉県議会(海外視察)
 2003年のベトナム・タイ視察で買春疑惑が発生したこと。ちなみに,その後、疑惑議員6人のうち2人が議長に選出されている。

特別功労賞
1 立川市議会
(今回のキャンペーン報道を受けて,肖像画とフランス料理フルコースの議員表彰制度をすぐに止めたため)
2 目黒区議会と品川区議会(政務調査費のずさんな使いかたが明らかになり,議員特権問題への関心を高めたことによる)

以上のようです。
個人的には,3位の埼玉県議会は,「議員特権」というよりも「議員の資質問題」であり,ちょっとこの趣旨に反するのではないかなあ(つまり,もっと特権問題として上位にランキングする議会があったのでは)という気がします。実際,ノミネート議会の中には,「政務調査費領収書いらず」,「マイカーローン負担」,「交通費一律支給」,「天下り先の高給制度」などなど,あらら,っていうものがかなりありました。
もちろん,この埼玉問題は,うやむやに終わっているため,徹底的に解明してほしいことはいうまでもありません。

いずれにしても,統一地方選挙が近い中,私たち有権者も「自分の町がどうなのか」について関心を持ち,それに対して各候補者がどういう考え方をもっているのかを公約等から判断し,投票の参考にする,という姿勢が大切かもしれません。それを考えさせるという意味では,このコンクールは十分評価できるといえるでしょう。

ただし,欲をいえば,本来の議会の機能とは,市民の代表として「議論の場」と「チェック機関」であるといえるため,特権制度という枝葉の話だけではなく,「本来の議会が議会として機能しているのか」という本質論からの調査と講評(公表)を行ってほしいと思います。
例えば,「議案通過率が低い自治体」とか「議員出席率が低い自治体」,「市民1人当たりの要望提出率と通過率が低い自治体」,「議員提案条例や議案が多い自治体」などなどがあるでしょう。
もちろん,数字だけで良し悪しは決められませんが,少しでも「議員,そして議会の本質」に迫れる数字を調査してみるのがよいと思います。
もちろん,特権制度ほど面白い結果はでないため,インパクトは今ひとつだと思いますが,市民派を目指す団体であれば,インパクト云々ではないでしょうから,是非とも行ってほしいと思います。

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