議会ネタ続きですが,議員OB会に対する補助金の支給は違法である旨の判決が出たにもかかわらず,東京都千代田区,荒川区,板橋区,品川区の4区では,引き続き,OB会への補助支給を行うこととしたようで,来年度予算案に計上した模様です。
議員OB会に補助金、東京の4区が最高裁判決を無視(読売新聞) - goo ニュース
OBか!
タカアンドトシのようなつっこみをしたくなります。
議員OB会は,完全なる親睦団体です。つまり,議員活動はもちろんのこと,政治関係に関与しません。もちろん,ボランティア的な関与はあると思いますが,基本的には「仲良しクラブ」なのです。
したがって,このように公益性のない団体に補助金を交付するのは,憲法89条の問題が出てきます。
もちろん,OB会が公益性の高い団体であれば,憲法上の問題はクリアできるのでしょうが,今度は議員でもないOB会が公益性をもつとなると,「第2議会」となってしまうのではないか,という問題も出てくるでしょう。
最高裁判決(正しくは,差し戻し後の高裁判決)を読んでいないので正確なことは言えませんが,おそらく判決でも法律上の問題点を指摘しているものと思われます。
さて,議員OB会,実は多くの自治体にあります。もちろん,そのほとんどは「私的親睦会」なので,それはそれで自由に活動していいでしょう。
しかし,中には「OB会の事務を県庁や市役所の議会事務局等で行っている」という事例があるのです。すなわち,職員が税金を使い親睦会の事務を行っているのです。
そして,この事務とは,会費の徴収と,旅行先の設定,場合によっては添乗員的業務まで行っています。
当然ながら,これは事実上の首長命令です。
なぜここまでやるのでしょうか。
別に,元議員を敬っているわけではありません。完全なる「議会対策」,そして「自分の選挙対策」なのです。
元議員の多くは,議員を辞めてもいろいろな力を持っています。つまり,ここにそっぽ向かれると,すべてが回らなくなります。現職議員は,もちろんOBの配下にいる人が多いため,OBの意向には絶対なのです。したがって,OBがノーといえば,議会でノーといわなければならなくなります。結果,議会は空転します。
のみならず,OBとその関係者は深く選挙に関与している場合が多いです。したがって,下手すると,首長の後援会に対する影響すら発生し,次回の選挙で一気に不利になる恐れすらあります。
したがって,「よいしょ」しなければならないのです。
首長のしがらみとは,実は土木業者だけではなく,このような方々もあるのです。
そうかんがえると,今回の補助金支給問題,根っこはここ一連のしがらみ問題と非常に似ているのかもしれません。
はたしてこの4区,予算案をどのように議会が通過させるのか,現職議員側もOBとはつながりが深いだけに見物ですね。
ただ,むしろ問題とすべきなのは,前述の「見た目の予算は0円だけど,実際は各種事務を役所が行っている」という点の方かもしれません。これも結果的には人件費という税金を使って親睦会を運営しているわけですから。しかも,表に現れにくいだけに,隠れた問題が多そうですね。
先ほどの記事と今回の記事で共通して言えること,それは「議員とは住民の代表であり,決して特権階級ではない」ということをどの程度の議員が自覚しているのかということです。最近の議員の多くは,このようなことを自覚して一生懸命仕事をしていると思いますが,まだまだ「我は特権階級なり」と勘違いしている議員も存在しています。
あとは選ぶ方,つまり私たちの意識の問題ですね。
(2月14日追記)
結局この4区,OB会からの自体も含め,補助金交付を止めることにしたようです。
まだ空気が読める区だったのですね。ちょっとだけ安心しました。
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議員OB会に補助金、東京の4区が最高裁判決を無視(読売新聞) - goo ニュース
OBか!
タカアンドトシのようなつっこみをしたくなります。
議員OB会は,完全なる親睦団体です。つまり,議員活動はもちろんのこと,政治関係に関与しません。もちろん,ボランティア的な関与はあると思いますが,基本的には「仲良しクラブ」なのです。
したがって,このように公益性のない団体に補助金を交付するのは,憲法89条の問題が出てきます。
もちろん,OB会が公益性の高い団体であれば,憲法上の問題はクリアできるのでしょうが,今度は議員でもないOB会が公益性をもつとなると,「第2議会」となってしまうのではないか,という問題も出てくるでしょう。
最高裁判決(正しくは,差し戻し後の高裁判決)を読んでいないので正確なことは言えませんが,おそらく判決でも法律上の問題点を指摘しているものと思われます。
さて,議員OB会,実は多くの自治体にあります。もちろん,そのほとんどは「私的親睦会」なので,それはそれで自由に活動していいでしょう。
しかし,中には「OB会の事務を県庁や市役所の議会事務局等で行っている」という事例があるのです。すなわち,職員が税金を使い親睦会の事務を行っているのです。
そして,この事務とは,会費の徴収と,旅行先の設定,場合によっては添乗員的業務まで行っています。
当然ながら,これは事実上の首長命令です。
なぜここまでやるのでしょうか。
別に,元議員を敬っているわけではありません。完全なる「議会対策」,そして「自分の選挙対策」なのです。
元議員の多くは,議員を辞めてもいろいろな力を持っています。つまり,ここにそっぽ向かれると,すべてが回らなくなります。現職議員は,もちろんOBの配下にいる人が多いため,OBの意向には絶対なのです。したがって,OBがノーといえば,議会でノーといわなければならなくなります。結果,議会は空転します。
のみならず,OBとその関係者は深く選挙に関与している場合が多いです。したがって,下手すると,首長の後援会に対する影響すら発生し,次回の選挙で一気に不利になる恐れすらあります。
したがって,「よいしょ」しなければならないのです。
首長のしがらみとは,実は土木業者だけではなく,このような方々もあるのです。
そうかんがえると,今回の補助金支給問題,根っこはここ一連のしがらみ問題と非常に似ているのかもしれません。
はたしてこの4区,予算案をどのように議会が通過させるのか,現職議員側もOBとはつながりが深いだけに見物ですね。
ただ,むしろ問題とすべきなのは,前述の「見た目の予算は0円だけど,実際は各種事務を役所が行っている」という点の方かもしれません。これも結果的には人件費という税金を使って親睦会を運営しているわけですから。しかも,表に現れにくいだけに,隠れた問題が多そうですね。
先ほどの記事と今回の記事で共通して言えること,それは「議員とは住民の代表であり,決して特権階級ではない」ということをどの程度の議員が自覚しているのかということです。最近の議員の多くは,このようなことを自覚して一生懸命仕事をしていると思いますが,まだまだ「我は特権階級なり」と勘違いしている議員も存在しています。
あとは選ぶ方,つまり私たちの意識の問題ですね。
(2月14日追記)
結局この4区,OB会からの自体も含め,補助金交付を止めることにしたようです。
まだ空気が読める区だったのですね。ちょっとだけ安心しました。
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