人形と動物の文学論

人形表象による内面表現を切り口に、新しい文学論の構築を目指す。研究と日常、わんことの生活、そしてブックレビュー。

『GINZA』掲載、KUNILABO講座情報

2025-03-13 19:47:00 | 研究・発表・イベント等情報
GINZA』2025年4月号の、「一生ものの、本と映画と音楽とアート。」に西原のインタビューが掲載されています。
音楽は全然詳しくないし、逆に本やアートは紹介したいものがたくさんあって、選ぶのが大変でした。
また何かで紹介できる機会があれば良いのですが。
初めての本格的な撮影で、新鮮でしたが緊張しました。
ちょっと緊張が顔に出ていますが、さすがにプロが撮ったので、それなりにきれいに撮れています。
お手に取って見ていただけると嬉しいです。

また、2025年度4月期も、KUNILABOのゼミ「『源氏物語』を読む」を継続します。
4月~7月の、第1、第3木曜、19:30~21:00です。
恋愛する人も恋愛しない人も、一緒に『源氏物語』を読んでみたいという方は、ご参加ください。
宇治十帖をずっと読んでいるのですが、今期は「宿木」巻の途中、薫が中君の手をとらえようとした辺りからはじまります。
どうぞよろしくお願いいたします。

KUNILABOでは今期、私も受けてみたいなあ、と思う講座がたくさんあります(講師特典で一つ無料で受講できるのですが、迷いますね)。
よろしければ、見てみて下さい。

謹賀新年

2025-01-01 09:00:00 | 犬・猫関連
明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

旧年中の振り返りをしておきたいと思います。
2024年は、わんにゃん人間とも無事過ごすことができました。
     
写真を撮れていない子もいますが、みんな元気です。
実家の一大事件としては、母が地域猫活動に巻き込まれてしまって、8月の下旬に保護猫が一挙に5匹増えたことがあります。
みんな女の子で、白地にグレーの子と三毛猫の2匹姉妹と、サビ猫三姉妹です。
 
まだ全然懐いていませんが、だいぶ大きくなりました。みんな避妊手術済みです。
里親さん募集中です。

私自身の出来事としては、6月に中川多理さんのお人形「Ungrazed」ちゃんをお迎えしました。
箱入りの白い、でも温かい感じのする眠り目の子です。


研究関係のことでは、前半で口頭発表が2本、フォーラムの登壇が1本。
・「人形と共感 :『源氏物語』と『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』」物語研究会5月例会(2024年5月18日)
・「「自然な身体」からの飛翔/への回帰:矢川澄子『兎とよばれた女』と高畑勲『かぐや姫の物語』」日本文芸研究会 第75回総会・研究発表大会(2024年6月16日)
・みょうじなまえ、菅実花、西原志保、和田千寛、山中海瑠「第3回若手フォーラム 人形・玩具表象とジェンダー」日本人形玩具学会2024年度 第36回総会・研究発表大会(2024年6月29日)。

2024年の前半にMISICが2本。
・「『源氏物語』の猫をつかまえる」『いきもののわ』 2024年2月5日
・「誰かと一緒に生活すること:『源氏物語』の結婚から」『総合詩史 PO』193号、pp.20-27、2024年5月

論文も前半に2本。
・「『恋せぬふたり』におけるインターセクショナリティと「家族」」『物語研究』24号、pp.36-45、2024年3月
・「『秋の夜長物語』と稲垣足穂『菟』:動物表象とジェンダー」『文学・語学』241号、pp.14-24、2024年8月

9月に著書が1冊。
・『恋愛しない私でも『源氏物語』は楽しめますか』春秋社、2024年9月

タイトルの通りで、『源氏物語』というと恋愛のイメージが強いかもしれないけど、恋愛しない登場人物もいるし、恋愛しないでも楽しめますよ、という本です。
「大河に喧嘩売ってる」と言われました。
今のように恋愛傾向やセクシュアリティという概念のない社会だったので、恋愛傾向やセクシュアリティがあって、それがアイデンティティと結びつく社会が当たり前なわけではない、ということも書いています。

9月に出した著書の関係(?)で、茨城県立歴史館の企画展「なぜ恋してしまうのか?」(2024年12月14日(土)~2025年年1月26日(日))展のパネルとして、「紫式部の同僚への愛」というコラムを執筆しました。
なぜ恋してしまうのか、という展示なんですが、人は必ず恋をするわけではない、ということも書いています。
関連して、自分で見ていないんですが、「ニコニコ美術館」デビューを果たしてしまいました。

主観的にはこの一年、あんまり何もしないでぼんやりしてたと思ってたんですが、振り返ってみると意外といろいろやっていました。

いまは、(本来春秋社で先に出すはずだった)花と少女に関する本の原稿を書いています。
2025年中に出したいです。
また、口頭発表しただけで論文にしていないネタも大量にあるので、少しずつ論文にしていきたいんですが、今年はモノケンの編集長だから、春休みがあんまり使えないかも(たいてい春休みにまとめて2~3本書いて投稿して、コメント付きの不採用になったらそれをまた次のまとまった休みに修正して投稿して、みたいなサイクルで書いているので)。
今のお仕事の任期が2026年9月までなので、2025年はいよいよ真面目に就活したほうがいいかもしれません。
でも就活(特に面接)、苦手なんですよね~。何か生きた心地がしないというか、面接のない就活ってないかなあ。






『恋愛しない私でも『源氏物語』は楽しめますか』発売されました(実家帰省中)

2024-09-04 12:41:17 | 犬・猫関連
恋愛しない私でも『源氏物語』は楽しめますか』(春秋社、2024年)、発売日になりました。
担当編集者さんが、力のこもった編集後記を書いてくださっています。
店頭にも並んでいると思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

…なのですが、ちょうど実家に帰省しておりまして、書店さんを確認できておりません。
もしかしたら職場や下宿のほうに郵便物がたまっているかも…とも思っております。
謹呈本も、出版社にお願いしている分は既に届いていると思うのですが、自分で持っていくつもりにしてるのとか、職場に寄贈書にする分とか、住所聞いてから送るつもりにしてるのとかは帰仙してから…。

ただいまは犬猫とのんびり過ごしております。
今朝は私と弟が帰省した際の最大のタスクであるわんこの河原散歩(車で8㎞ほど離れている河原まで行って散歩する)に行ってきました。
のすけちゃんの小さい遺骨入れがスマホショルダーに入ったので、今回はのすけちゃんの小さい遺骨も一緒に。
暑いので、予想気温見て早めに出たつもりだったのですが十分暑かったです。そのせいかいつもより(散歩する距離が)少し短めだったのですが、帰った後はみんな疲れ切っていました。
車を出たとたんに、溝があったところにさちこちゃんがつまずいてべちゃっと転んでしまったのですが、その後は普通に走っていました。
さちこちゃんはどんくさくて可愛いです。

猫のゆきちゃんとももちゃんは相変わらず弟が好きで遊んでもらっています。

一時保護中の子猫が5匹います。写真を撮らないといけないのですが、慣れていないのでちっともうまくいきません。

わんにゃんの写真をアップしようと思ったのですが、私の部屋がWi-Fiから一番遠いせいかうまくいかないので、後からにします。
そんなかんじです
→取り急ぎ、子猫の写真だけ追加しました。みんな女の子です。余裕があるときに、他の写真も追加します。

大きい方の子猫は、まだ4ヶ月くらいだと思うのですが、避妊手術済みです(別の方が預かっていて、地域猫に戻す予定だったため、早めに避妊手術したとのこと。ところが地域猫に戻す予定と台風とが重なったため、うちで預かることに)。
グレコと呼んでいる白とグレーの子は美人さんです。三毛猫のほうは目が少しつり目なのですが、三毛といっても色が薄くて、わりと個性的だと思います。


小さい方の子猫は2ヶ月半くらいかと思います。みんなサビ猫なので、サビ好きの方、ご覧下さい。

本が出ます:『恋愛しない私でも『源氏物語』は楽しめますか』(春秋社、2024年9月3日)

2024-08-06 12:56:56 | 研究・発表・イベント等情報
1年ほど前からずっと書いていた一般向けの本が、無事校了しました。発売は9月3日の予定です。
版元ドットコムではすでに注文できるようになっています。
まあ、タイトルのとおりなのですが、恋愛しない人でも『源氏物語』って楽しいし、恋愛だけの物語じゃないよ、という本です。


装画はカシワイさん、装幀は高木達樹さんです。

前にも一度『源氏物語』の新書(『『源氏物語』女三の宮の〈内面〉』新典社、2017年)は出しているのですが、前の本は博論の一部を切り出して分かりやすく書き改めるかたちで出したので、基本的には大学院の中でいた頃に考えていたことが元になっています。
今回の本は、その後、大学院を出て、仕事が何だかうまく飲み込めなかったり、私の研究は実存とか自分の生きづらさとかが原動力になっているので、研究を仕事にすることに抵抗があったり、というような苦しさが元になっています。仕事って何だろう、プライヴェートって何だろう、という部分が、恋愛がよく分からないとマジョリティがプライヴェートだと思っているものがよく分からず、一方で研究は自分の実存につながっているので・・・。そういった息苦しさを、近代とは異なる世界の物語を読むことでどうにかできないかな、というコンセプトの本です。
一見、細かい言葉の問題に突っ込んでいるように見える部分がありますが、単なる言葉の問題ではなく、言葉は、私たちがどういう風に世界を腑分けしているのかという認識を形作っていくものです。ちょっと難しいな、と思う部分があるかもしれませんが、前半の『逃げ恥』とか『恋せぬふたり』とか『ダルちゃん』について書いている部分を導きとして、読んでいただけると良いな、と思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

お人形をお迎えしました/口頭発表のお知らせ

2024-06-02 14:17:25 | 日記
近況報告と予告です。

①お人形をお迎えしました。
 昨日、中川多理さんのお人形「Unglazed」ちゃんをお迎えしました。
「白堊――廃廟苑於」というタイトルで、東京、三河島駅近くの元映画館で開催された展示のためにつくられたもので、多理さんの人形作品集『薔薇色の脚』の特装版となっています。元映画館で見たときには白のイメージの強い子でしたが、お迎えしてみると、温かみのある色合いで、すごく可愛いです。
    

 箱入りの子で、箱が本棚の一段目にぴったりだったのでひとまず本棚にいていただいているのですが、ちゃんと棚を買わないとなあ…と思っています。この位置もちょうど寝るときに目に入る感じなのでいいんですが。



 もともとお家にいた白薔薇ちゃん(仮)(なかなかしっくりくる名前を思いつけないでいるのですが、「薔薇色の脚」の白いイメージの子なのでとりあえず)といっしょに。白薔薇ちゃんも中川多理さんのお人形で、山尾悠子さんの『夢の棲む街』に出てくる「薔薇色の脚」をイメージしたもの。白薔薇ちゃんは青いガラスの目が印象的な子で、この子は眠り目、素材もビスクで大きさもかなり違いますが、髪の色が同じで、ちょっと似た雰囲気があります。なぜか似た雰囲気の子とご縁があるものだなあ、と思っています。

②6月16日(日)に口頭発表「「自然な身体」からの飛翔/への回帰 ――矢川澄子『兎とよばれた女』と高畑勲『かぐや姫の物語』」を行います。
 「日本文芸研究会 第75回総会・研究発表大会」で、口頭発表を行います。
 午前中(10:00~12:00)に公開講演会「女性と文芸・言語・思想」があり、午後(13:50~16:25)に個別の研究発表が4本あります。私は午後1本目の発表です。
→詳細は「日本文芸研究会」のサイト

日時:6月16日(日) 9:30(受付開始)~
場所:宮城学院女子大学 講義館C202教室
*対面を主としたハイフレックスによる開催

 私の今回の発表は、以前口頭発表で、矢川澄子の小説『兎とよばれた女』に挿入される「かぐや姫に関するノート」を『竹取物語』の翻案として考察したことがあるのですが(→「天上の魂と地上の身体――矢川澄子『兎とよばれた女』における『竹取物語』解釈」というタイトルで 論文化しています)、そのときに、『かぐや姫の物語』と比較してみるとより特徴が明らかになるのではないかと言われたことがきっかけで着想しました。実際に『かぐや姫の物語』を見ると、確かに対照的なんですよね。『かぐや姫の物語』とよく並べられるのが『アルプスの少女ハイジ』ですけど、矢川澄子は1974年の『ハイジ』の翻訳者でもありますし。