20歳ころに書いた文章です。
どこにも発表するつもりがないので、ここに貼っておきます。
エネルギー不要、王子さま不要の(しかし本来王子さまなんて必要ないはずだ、王さまと侍女さえいれば)自動お姫さま装置。読者は「一人でいる事が平気になる」(笙野頼子『幽界森娘異聞』講談社、二〇〇一年)。
これは、「甘い蜜の部屋」で「パァパ」に溺愛された(泥棒しても)「上等」娘モイラが「再び甘い蜜の部屋」に戻る物語。王子さまは退屈で「甘い蜜の部屋」から彼女を疎外し、その自殺(原因はモイラ姫の不貞)は「再び甘い蜜の部屋へ」戻ることを可能にする。最後の場面は大事なパァパの微笑みで。「それはモイラというものが終に、自分一人のものである、という勝利の微笑いで、あった」。
恋も結婚も性関係も所詮はオプションで(否定され、あるいは存在しない)只大切にされることしかない世界。「曇り硝子のような鈍い、厚みのあるもので出来て」いる「心の中の部屋」を、「パァパ」の愛した日本語で「甘い蜜の部屋」にした「お茉莉」のことばで、私はお姫さまになり永遠に少女の儘の無邪気さで叫ぶだろう、恋って気持ち悪いよね。
この頃は、こんな生き方もあるんだと思って、森茉莉になることを目指していたなあ…。今はそれが錯誤だと、気づいてますが。私は森茉莉になれるような人間じゃない。
どこにも発表するつもりがないので、ここに貼っておきます。
エネルギー不要、王子さま不要の(しかし本来王子さまなんて必要ないはずだ、王さまと侍女さえいれば)自動お姫さま装置。読者は「一人でいる事が平気になる」(笙野頼子『幽界森娘異聞』講談社、二〇〇一年)。
これは、「甘い蜜の部屋」で「パァパ」に溺愛された(泥棒しても)「上等」娘モイラが「再び甘い蜜の部屋」に戻る物語。王子さまは退屈で「甘い蜜の部屋」から彼女を疎外し、その自殺(原因はモイラ姫の不貞)は「再び甘い蜜の部屋へ」戻ることを可能にする。最後の場面は大事なパァパの微笑みで。「それはモイラというものが終に、自分一人のものである、という勝利の微笑いで、あった」。
恋も結婚も性関係も所詮はオプションで(否定され、あるいは存在しない)只大切にされることしかない世界。「曇り硝子のような鈍い、厚みのあるもので出来て」いる「心の中の部屋」を、「パァパ」の愛した日本語で「甘い蜜の部屋」にした「お茉莉」のことばで、私はお姫さまになり永遠に少女の儘の無邪気さで叫ぶだろう、恋って気持ち悪いよね。
この頃は、こんな生き方もあるんだと思って、森茉莉になることを目指していたなあ…。今はそれが錯誤だと、気づいてますが。私は森茉莉になれるような人間じゃない。