表千家一期一会

2月稽古場 3



厳しかった寒さも
今日は少し緩んで参りました

早咲きの啓翁桜の花がちらほら開き始め
一足早い春の訪れを感じます




『一花開天下春』
東大寺長老寛秀師

一花開いて天下春なり


「分類総覧 禅語の味わい方」(西部文浄著)には

長い冬から解放された
春到来の喜びがひしひしと感じられる語

長い忍苦精進の果てに
心の花が開け
うららかな悟りの世界が展開してきたという
歓喜の表現



と解説されています


「心の花」


ようやく
開いたかと思えば
あくる日には
ちょっとしたことで
シュンと萎んだり・・・

なかなか
「天下の春」とは参りません


でも
生きている花は
一つ残らずいつかは
萎んで枯れ果てます

萎んでも枯れても
そんなことにもとらわれず

ただただ咲く時には咲き
枯れる時には枯れる

そんな花でもいいのかな・・・


ところで

「茶席の禅語大辞典」(有馬頼底著)によると
この禅語には
もう一つ次のような解釈もできるようです

一輪の花が天下に春の訪れたことを知らしめるの意
一を聴いて十を知ること
(中略)
花一輪の中に天下の春がそのまま
収め尽くされているということ



そういえば子供の頃
母からよく
「一事が万事」
と言って諭されたことを思い出しました


お点前でも
茶杓を置く
建水を下げる

といった小さな所作の中に
その人の
その日の心の状態が
表れるように思うことがあります

また日常でも
靴を脱ぐとき
食卓を離れる時など

ほんの些細な動作の中に
その人柄が出てしまうこともあります


「一事が万事」


何気ない母の言葉に
真理がかくされていたことを
今になって
ようやく知ることができました










好文棚

水滴茶入を使って
濃茶の稽古をいたしました


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