本日は
表千家お家元の初釜に
参加させていただきました
今年はご案内に
来庵時間「三時」とありましたので
二時頃に家元の門をくぐりました
外の待合で
火鉢で暖をとりながら
ご案内を待ちました
定刻の三十分ほど前にご案内があり
玄関で案内葉書を提示して
寄付に入れていただき
会記とお道具を拝見をしました
大福茶入などの道具と共に
今年は
伏見焼の猿の置物が
飾られていました
如心斎が
伏見稲荷参詣の折
幼い啐啄斎へのお土産にと
買ったものだそうです
少しひょうきんな表情の
愛らしいお猿さんでした
松風楼の床には
寿老人画賛
代々の家元に
干支のお生まれの方がいらっしゃらない年には
この掛物が登場するのだそうです
その掛物の前に
丸三宝に長熨斗
この三宝に
鏡餅を飾る時のように
敷紙が敷いてあるのかどうか
今日はそれを確かめようと思って
しっかり見てきました
意外なことに
敷紙は敷いてありませんでした
それから
残月亭と九畳敷に移って
お家元のお点前にて
濃茶をいただきました
今年の水指は
お猿さんが
自分の体と同じくらいの大きな桃を
抱えているユーモラスなものでした
水は
その桃の中にたっぷり入っていて
蓋の上に茶巾を乗せると
今にもすべり落ちそうでしたが
つまみに少し引かけるようにして
置いておられました
お正客が
十二年前の水指のことを話題にされますと
お家元が
「十二年で桃が育ちました」とおっしゃって
緊張感の中にも
ほっと笑い声がこぼれました
残月亭の床に
盆石「カウネンキ」が置かれていました
以前から
「カウネンキ」とは何ぞや?と
ずっと思っていたのですが
今日貫名宗匠におたずねして
やっとその意味がわかりました
それは
画家の名前なのだそうです
家に帰って
あらためて調べてみましたら
中国元の時代
「高然暉」という山水画の画家がいたそうです
そこから転じて
山水を表す盆石が
「コウネンキ」と言われるように
なったとのことです
石の裏に
宗旦が「カウネンキ」と
直書しているのだそうです
お濃茶をいただいた後は
新席に移って
縁高やお雑煮と年酒をいただきました
福引では
仙台から来られたという方が
幸運にも親子で当てられました
表千家茶道を学ぶ茶人の一人として
家元の初釜に参加させていただくことは
何よりの喜びです
何年か前の
教授者講習会で
ある宗匠が
「あなた方は家元の濃茶を一度も飲まずに
表千家のお茶を教えるのですか」
とおっしゃった一言がきっかけで
初釜に参加させていただくようになりました
今年も
家元の練られたお濃茶を
いただくことができましたことを
心より感謝しつつ
一年の精進の思いを心に刻み
帰途につきました