「三冬枯木花」
前大徳一甫師
「三冬」とは
陰暦の10月・11月・12月の
冬季三ケ月のこと
その寒気厳しい真冬に
枯れ木に突然
花がぽっと咲く
これは
「悟りの上の 自由な境地」
を示しているのだそうです
(参考:分類総覧「禅語の味わい方」)
実は今年の年頭
私は
「自由」という言葉が気になり
この一年 折に触れて
真の「自由」とは何なのか考えながら
過ごしてきました
寒さ極まり
正に今日のように
指先が痛くなるほどの寒気の中
花はもちろん
実も葉も
すべてを落とし
ただ
そこに寒々と立ちすくんでいる枯れ木
そこに突然
柔らかな小さな花が咲く・・・!?
出口が見つかりそうにないような
状況の中でも
ありえないような素晴らしいことが
起こることを
受け入れて認める「自由」
そんな「自由」な境地を
楽しめる自分でありたいと思います
朝と午後のお稽古が終わり
皆さんがお帰りになった後
一人で
筒茶碗でお薄を点てて自服しました
ここ数日
心が不安定になることが重なり
自分のエネルギーが落ちていると
感じていました
誰もいない部屋で
ただ黙々と点前をしていると
不思議と
気持ちが静まってきて
今この瞬間も
今朝のことも
昨日や一昨日のことも
すべてがなんだか
夢の中のできごとのような
感覚になりました
主菓子 雪中花 鼓月製
干菓子 黒豆しぼり