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「臥雲聴泉」
雲に臥して泉を聴く
この掛物は
ずっと昔に誰かからいただいたのですが
いつ誰にいただいたのか
全く記憶になくて
箱も無いので
誰が書かれたのかもわからず
ただ何となく
夏になるとかけたくなって
掛けています
昨日や今日のような
暑い暑い夏の日
真っ白な雲にごろんと横になって
何も考えず
清らかな泉の涼しげな音を
ひとり静かに聴いていたいような気分です
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志野焼のこの茶碗は
母方の祖父が
喜寿の記念に母に下さったものです
実家にいた頃より
このお茶碗を将来いつか
いただきたいなあと
思っていたのですが
母はゆっくりと道具などの整理をしていて
少し前に母から譲ってもらいました
「涼風」の文字があります
因みに
祖父の名は
”涼海”と申しました
お寺に育ち
無口で静かな祖父でした
私は祖父には挨拶をするくらいで
ほとんど話をしたことは
ありませんでした
母の記憶では
いつも長火鉢で湯を沸かし
お抹茶や白湯を飲んでいたそうです