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「壺中日月長」
前大徳積応師
宗全籠に秋草六種
芒 水引 杜鵑 桜蓼 秋明菊 秋海棠
「壺中」とは
仙境 別天地を意味しています
中国 後漢の時代に次のような故事があるそうです
費長房(ひちょうぼう)という名の役人が
壺公(ここう)という名の薬屋の老人(実は仙人)に誘われるまま
その店の軒先に吊り下げられた小さな壺の中に入った
すると 中は広々とした仙境で
そこで十日ほど仙術の修行をして
もとの世界に戻ると
現実の世界では なんと十数年もたっていた
というのが そのあらすじです
日本の浦島太郎伝説を思い出すようなお話です
茶室も
非日常空間という意味では
「壺中」と言えるでしょう
先日
名古屋でお稽古していた頃の
先生の追善茶会をするために
30年ぶりに
先生のお宅に出かけました
そこで
社中の皆様のお顔を見た瞬間
大阪に来てからの30年という時間が
あっという間に消え去り
まさに
壺中からぽんと飛び出たかのような
感覚に包まれました
時間とは
本当に不思議なものですね
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粉引茶碗 柿 押小路窯
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主菓子 花野 鼓月製