茶道を学ぶ究極の目的は何かと問われたら
まずは
お茶事を催して
亭主となり客をもてなすことであり
そして
その中から
人として成長してゆくことではないでしょうか
そのためには
やはり
何度も亭主となり
また客となり
経験を積み重ねることではないかと
私は思っています
そして
茶事には
様々な『一期一会』があります
道具との一期一会
人との一期一会
そして
自らの体験との一期一会
そんな『一期一会』の悦びを追い求めて
毎回自分の未熟さを思い知らされながらも
これまでにお茶事を49回催して参りました
昔から
茶事の楽しみは
亭主七分 客三分
などと言われます
今日は
その亭主の楽しみを
体験していただこうと思い
社中の二人に
「亭主」「半東」になっていただき
”稽古茶事”をいたしました
お客は四名
お借りした場所は
奈良県生駒市高山町にあります
茶筅の里『翠華園』
翠華園さんで
道具からお茶やお菓子
お花まで
全てご準備下さり
水屋台所には
お二人の方が入って
本懐石をお出し下さいますので
「亭主」「半東」と言っても
一から自分でするというわけではないのですが
それでも
迎え付けから初座のもてなし
中立ちを経て
後座の濃茶・後炭・薄茶と
正午茶事の形で
きちんと亭主・半東を務めることは
なかなか大変です
本日の
亭主役・半東役のお二人は
それぞれにこの日に向けて
本を読んだり
DVDを見たりして
勉強をしてこられ
今日一日
しっかりと
役目を務められました
これまで
何度もお客として
茶事を経験してはいても
やはり
見るのとするのは大違いと
お二人は感じられたようでした
翠華園のある奈良高山は
自然豊かな山里にあり
今日は
鶯など野鳥のさえずりが響きわたり
正に五感すべてで
爽やかな初夏の季節を味わいつつ
楽しく一日を過ごしました
このような恵まれた環境で
充実した稽古茶事をさせていただき
感謝の心いっぱいで
社中の方々と
今日の一会を反芻しながら
家路につきました