表千家一期一会

虎穴に入らずんば・・


昨年秋に玄庵の席披きをしてから
早五ヶ月がたち
明日4月8日には
8回目のお茶事をいたします

これまで催したお茶事は
どの一会も
正に一生に一度「一期一会」の
心に残るお茶事でした

しかし

この度ほど
特殊な状況の中でのお茶事は
ありません


実は
茶事三日前
感染拡大が日々深刻さを増す状況を鑑み

予てからお約束いただいていたお客様から
辞退したいとのお電話を頂戴しました

ずいぶん悩んだ末での
ご決断のようでした

本来は
そのご連絡はこちらから
すべきことだったのかもしれないと
反省しています

しかし
お車でいらしていただけるなら。。。と
微かな望みを抱いておりました


残念ではありましたが
またの機会にということで
お電話を置きました


茶事が中止になったことを
お手伝いをお願いしていた
二人の社中に
連絡しようと思いました

しかし
その時ふと

もし社中でどなたか
お客様に入っていただけるなら・・・

との思いが浮かびました


社中の方なら
お車で来られる方も何人かいらっしゃるし
良いお稽古にもなるかもしれない


そして
もし誰もご希望がなければ
その時には
中止を決断しようと思いました


さっそく皆さんにメールを送って
おたずねすることにしました

すると

間髪を入れずに
「私でよければ是非とも入らせていただきたいです」
とお返事を下さった方がいらっしゃいました


その後二人の方が・・

そして結局三名の方が
お越し下さる運びとなりました


そして茶事二日前には
いつものように食材を買いに
京都まででかけました




しかしその直後
政府より”緊急事態宣言”が
発令されることを知りました


その内容の詳細をネットで調べてみました


”緊急事態”という言葉に反応して
心配して電話をしてくれた方もありました


しかし
冷静に考えてみると
”緊急事態宣言”の発令の前と後で
私自身の周りで
突然ウィルスへの危険度が増した訳でもなく

空は晴れ上がり
鳥たちはにぎやかにさえずっています


大寄せ茶会のように
不特定多数の方をお招きするわけではなく

三名の親しい方を自宅に招いて
お茶を飲んでいただくことが
どれほどリスクの高いことなのか・・・


できることをやらないで
後悔したくはない・・・


賛同してくれる人
応援してくれる人がいる・・・


しばらく逡巡しましたが
結局これまで通りのことを
粛々と行っていきたいという
心の声にしたがうことにしました


ただ普段と少し変えるべきことはないかと
いくつかの点を考えてみました


○席入り後 初炭がすんだら連子窓と下地窓を開ける

○千鳥の盃はしない

○濃茶を飲んだ後 各自茶巾で茶碗を拭いていただく

○最後に濃茶を亭主相伴させていただく
  (これは気持ちの問題です)


茶事前日
そんなことを考えていたら
頭の中にどこからか
ふと浮かんだ言葉がありました


「虎穴に入らずんば虎子を得ず」


この度の茶事は
「石橋を叩いて渡る」気持ちで

あえて

「虎穴」に挑む覚悟をもって

催すことにいたします



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