師匠が
「今度『夕去りの茶事』をしましょう」
と仰ったのは
確か9月頃だったと思います
「夕去りの茶事」とは
まだ明るい夕方ごろに席入りをし
夕暮れから宵へと
時間と共に暮れて行く風情を味わう茶事です
滅多に経験することの無いこの茶事を
是非とも私も体験させていただきたいと
思ったものの
そのお話を聞いた頃は
実家の父の容態が刻々と変わっていて
万一不幸にもその時が重なってしまったら
お茶事は諦めないといけないなあと
二重に不安な気持ちになっていました
しかし
先月父は自らの最期の日を定めていたかのように
穏やかにあの世へと旅立ちました
先週二七日(ふたなぬか)の法要を済ませ
私は12月13日の夕去りの茶には
何の心配もなく
出席させていただくはずでした
ところが・・・!?