
地域コミュニティと事業化を考えた。すぐに忘れるので、今後、考えるメモとして書いておこう。
自治会をNPO化した例として、山形県川西町にある「きらり吉島ネットワーク」が有名である。NOMAの研修に、川西町から職員が来たので、あらためて自治会をNPO化する意味を考えることができた。
今日の自治会・町内会は、活動の単位としては、小さすぎる。やはり子どもが減ったことが大きい。高度成長の時、人がたくさんいたころ前提に作られている仕組みが、もはや重すぎるのだろう。そこで、単位を大きくして、他の団体も取り込み、大きな組織として、地域の課題に対応していこうというのが、今日の一つの方向である。
もうひとつの方向性がNPO化である。自治会・町内会の自立化のひとつが、事業化による自立化である。自治会・町内会でも、買い物支援や犬の散歩、壊れた鍵の直しといったコミュニティビジネスをやっている例がある。収入面もあるが、生きがいや地域の連携という効果も期待できる。
きらり吉島では、お弁当の販売なども行っている。私も食事をつくるのでよく分かるが、、一人の場合、食事作りは億劫になる。民間事業が成り立たない地域では、給食サービスやお弁当の販売は、結構、ニーズもあるだろう。こうした事業化を進めていくと、自治会・町内会という地域コミュニティ組織では荷が重くなる。そこでNPOということになるのだろう。
自治会・町内会の役割のひとつが、親睦機能(お祭りや演芸大会)である。新しい人を引き込もうと、みんなで親睦のためのアイディアを出すが、多くの場合、企画倒れになる。なぜか。それは、もともと地域の祭り(親睦)は、厳しい共同作業(稲刈りなど)の裏返しとしてあるからである。ともに苦労を共にしたからこそ、祭りも楽しいし、人も集まってくる。
ボランティアではなくて事業ならば、その気になるという人もいるだろう。会社で培った知識、経験を活かす機会にもなる。地域における事業は、企業の事業とは行動原理が違うので、事業化の理念や運営方法は手さぐりになるが、「企業とは違うのだ」という、ある種の理念と方法性さえ明確にしてあげれば、自分たちで工夫できる余地は大きいだろう。それには、カタチから入るのが近道で、事業運営にふさわしい組織形態(NPOなど)を採用するというものよい方法である。
自治体政策では、この辺りは、まだまだ未開の分野で、おおいに研究の余地があると思う。