松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆ナッジ理論と自治会・町内会の活性化

2023-03-06 | 1.研究活動
 ナッジ理論を使って自治会・町内会の活性化を図ることができないか。

 ナッジ(nudge)とは、英語で「ひじで小突く」「そっと押して動かす」の意味である。ナッジ理論とは、行動経済学の理論の1つで、人々の選択肢を奪うことなく、情報発信や選択肢の提示の方法を工夫することで、人の行動を望ましい方向にそっと後押しする手法である。

 階段に「ここまで登ると○○カロリー消費」と書かれたステッカーがはってある。このステッカーが目に入れば、「階段にしてみよう」という気になる(所沢市役所の階段には貼ってある。私は、研修室から食堂に行くとき、これを見ながら登る。

 提唱者の一人であるリチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞したことによって注目を集め、日本でも環境省や全国の地方自治体でも注目され、住民向けの健診や予防接種の受診促進、口座振替の促進、災害時の自主避難の促進など、多様な分野で、ナッジ理論が試行・導入されている。

 ナッジ理論は、要するに、人の行動のクセを使って、政策目標に誘導する政策手法である。
  
 人の行動のクセはいくつかある。これを自治会・町内会の活性化(フリーライダー防止)に応用できないか。

・損失回避 人は利益を得るよりも損失を避けようとする。10 万円の得をした喜びよ りも 10 万円を損した悔しさの方が大きい。いつまでも記憶に残る。
 自治会・町内会がなくなることの怖さ、一度失うとあとで後悔するといった「損」を具体的に分かりやすく強調する。

・現状維持 現状を改善できる選択肢があったとしても、現状維持を選択してしまう。無料お試し期間に惹かれて加入したが、解約が面倒なので、そのまま継続してしまう。
 集合住宅入居時に自治会・町内会に入るような仕組みをつくる

・同調性効果 自分だけが社会規範に反したり、他の人と違う行動をとることに抵抗を感じる。他の人がマスクをしているので、自分は必要ないと思っていてもマスクをする。
 地域のさまざまな人たちがまちのために活動していることを知らせる「ご近所さんはみなやっています的なキャンペーン」
 シビック・プライドの導入で、地域における帰属意識や当事者性を訴求することで、人々は行動変化を起こす


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