松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆シビックプライドと転出抑制、移住・定住(三浦半島)

2020-03-12 | 1.研究活動
 シビックプライドには、転出を抑制する効果があるか。

 その町に愛着や誇りがあれば、簡単には引っ越さないだろうということは、なんとなくわかる。でも、常識的に考えて、引っ越しの理由は、転勤だとか家を買うなど、もっと外部的で大きな理由がある場合が多いだろう。

 横浜に生まれ、横浜で育ったのに、なぜ三浦半島に移ったのか。やはり、大きな理由は、横浜は不動産の値段が高かったことだろう。隣が横浜市でも、横浜でないといきなり値段が安い。

 横須賀市は、2013年には、全国自治体で最多の「転出超過」自治体だった。今でも、歯止めがかからない状態で続いている。
 でも、平成30年度横須賀市民アンケート報告書をみると、「問4 あなたは横須賀市に自分のまちとしての愛着を感じていますか」で、8割近くの回答者が、横須賀市に愛着を感じている(「感じている」(47.0%)「やや感
じている」(32.5%)の合算)と答えている。

 千葉県流山市は、この3年で「人口を増やした」自治体ランキング9位になっている。その平成30年度流山市市民意識調査報告書「問10 あなたは、流山市に愛着を感じていますか」では、「愛着を感じている」(33.8%)、「どちらかといえば愛着を感じている」(46.1%)の合計が 79.9%となっている。

 人口減少ナンバーワン都市と人口増加上り坂都市も、愛着度では、ほぼ同じ数字となっている。

 かつて調査したことがあるが、人口増加の要因はいくつかあるが、通勤に便利で不動産がお手頃で買える自治体が、人口を伸ばしている。

 シビックプライドが、住民の転出抑制、あるいは移住・定住にまったく寄与しないとはいえないが、さほど大きな効果はないといえるだろう。シビックプライドの効果を列挙すれば、5番目くらいに、そっと書くくらいの効用と考えてよいだろう。

 
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