松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆書評『自治するまちのつくり方』(イマジン出版)

2021-12-22 | 新城市がヒットを飛ばせる理由
 イマジン出版から、拙著『自治するまちのつくり方』(イマジン出版社)の書評が出ているけれども、ご存じですかとの連絡をいただいた。月刊自治研 2021年12月号(第63巻747号)の書評欄だった。
 
 横浜市役所にいたころは、たくさんの雑誌を定期購読していた。この雑誌もはるか以前は、定期購読していた。出入りの本屋さんが、職場に届けてくれた。岩波の『世界』なども定期購読していて、引っ越しをするときに、数冊を残して、捨てたような気がする。雑誌だけで、月10冊くらい購読していたが、いつから、やめたのだろうか。
 たしか、本屋のおばさんが、なかなか集金に来ず、ずいぶんとたまって、支払ったようなことがあった。

 書評は、次の内容である。
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新城市
 愛知県新城市。英語でニューキャッスル。面積約500平方キロ(横浜市より広い)、人口4万4000人。平成の合併によっても人口5万人を維持できなかった。愛知県内唯一の消滅可能性都市、愛知県内高齢化率最高市。
行き詰まりを絵に描いたような市だ。一方、「若者議会」という言葉を聞いたことがある方は多いだろう。これは新城市発祥の言葉だ。市には若者条例があり、若者議会条例がある。

全国初
 アイディア行政にとどまらない。自治基本条例(2012年)から始まって、市民自治会議、若者議会、市長選公開政策討論会条例(20年施行。合併以来の市長が21年退任、条例の真価が問われている。松下の前著『選挙はまちづくり』イマジン出版参照)、地域自治区(地方自治法202条の4)の自治振興事務所長を市民から選ぶ市民任用制度、市民まちづくり集会などを積み重ねてきた。20年以上にわたる世界中の「ニューキャッスル」(つまり新しい城)「アライアンス」事業は国際交流の見本のようなものだ。
 著者はそれらを「全国初の政策づくり」と呼ぶ。本書では、その発想の立役者の市民へのインタビュー、最後に市長インタビューが置かれている。
 今年10月31日市長選が行われ新市長が誕生した。「全国初の政策」の検証が市民によって行われるだろう。私たちも関心を持ってみていこう。著者はこれらの政策のかなりの部分にアドバイザーとして関わっている。本書の価値はその先に輝くだろう。

コミュニケーション能力
 書評子は横浜市職員時代の著者に会ったことがある。すべてのことにポジティブ、抜群のコミュニケーション能力。書評子の出不精、ネガティブ、人生に悲観的、の正反対の性格の人に出会って驚いた記憶がある。本書には「分権協働時代の地方公務員像」を論じた章があって、彼が求める職員像に納得がいった。「励ます地方自治」がモットーだ。本書のポイントの一つは「励まし方」を学ぶことかもしれない。

評者 菅原敏夫 本誌編集委員
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 興味深いのは、最後の「コミュニケーション能力」のところで、横浜市時代に、評者の菅原さんに会った部分である。
 たしかに、お会いしたことを覚えている。NPOがテーマだったような気がする。もう20年以上も前のことになる。菅原さんは、当時は、小さなシンクタンクに所属していたような気がする。

 ここにも書いてあるように、菅原さんは、「思索の人」のような風貌だった。さっき、グーグルで画像を見たら、たしかに哲学者のようだ。

 この書評でうれしいのは、私の「励ます地方自治」が理解されたことである。「励ます地方自治」は研究者には、全く相手にされていない。おそらく理解できないのだろう。学会の大勢は、住民自治といえば民主的統制である。たしかにそれもあるが、地方自治のもう半分は、共同体の事務に由来する仕事で、ここでは統制ではなく、連携、協力、話し合いである。ここでは「励まし」が、ものを効率的に動かす。

 考えてみると、私の発想や行動パターンを知り、書評を書くためにしっかり本を読まないと、「励ます地方自治」が理解されないということである。厳しいが、がんばろう。

 他方、実務家は、「励ます地方自治」を理解できるようで、今度、フォーラムをやる、前新城市長の穂積亮次さんも、同じ趣旨のことを言っている。

 ここで、募集中のフォームの紹介。
『自治するまちのつくり方-「住民自治」を深堀りしてみませんか』-前新城市長の穂積亮次さんをお招きして

■日時:2022年1月15日(土) 13時~16時ごろ
■ツール:ZOOM
■参加費:無料(どなたでもご参加いただけます)
■締め切り:実施日の2日前まで(2022年1月13日)
■受付:【このフォーム(申込み)】からお申し込みください。お申し込みくださった方に、開催前日にミーティングルームのIDとパスワードをお知らせします。

 有意義な会としたい。

 



  
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