松下啓一 自治・政策・まちづくり

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★政策法務研修(那須塩原市)

2019-10-27 | 2.講演会・研修会
 那須塩原市における政策法務研修である。

 3年目前後の職員が対象である。したがって、多くの職員は、条例をつくったこともないし、そもそも自分で考えて政策を提案するという経験がない職員である。今回は、そんな事情を考えて、重点を絞ることにした。

 まずは欠かせないのは、法律と条例の関係である。いろいろな判例があるが、徳島市公安条例判決が基本である。これを時間をかけて考えることにした。

 次に、立法事実の重要性である。これが条例の目的規定に直結する。そして、この目的規定がきちんとできれば条例づくりの半分は終わったようなものである。

 具体的には若者政策条例を中心に考えることにした。事前の宿題が、人口ビジョンを読み、市の政策の現状を調べておくことである。職員は日々の仕事に追われて、人口ビジョンを見ることもないだろう。でも、これを見ると、自治体の今と将来が見えてくる。

 このようなまちの今と未来を踏まえると、新城市の若者政策、若者議会とは違う若者条例が見えてくる。実際、若者とシティプロモーションを合体した条例、Iターンに焦点をあわせた条例など、まちの事情に合わせた条例が提案された。

 これが条例づくりである。条例は他のまちの条文をコピーしたものではないという意味が、実際に理解できたと思う。今は、こうした研修を実践する機会がないだろうが、徳島市公安条例とこの立法事実の把握とそれを目的に記述する作業は、いずれきっと役に立つと思う。上っ面をなぞる法務研修では、身につかないことを学べたと思う。

 この研修は1.5日間なので、那須塩原に一泊した。夜、事務局の人たちと盛り上がったが、実際は、2時間半の間、私ばかりしゃべっていたことになる。26年間の横浜市職員時代の体験は濃密で、2時間半では、自治体職員の仕事に関連したエピソードだけでも、3分の1も語れない。

 那須塩原市では、副市長さん以下の皆さんに、若者条例を制定したらどうですかと、しつこく声をかけた。今なら、全国2番目である。那須塩原は、鎌倉時代、源頼朝以来の歴史がある(この日も翌日から「巻狩りまつり」だった)が、鎌倉幕府は、東国政権なので、「東国初の若者条例」というのが、私が考えたキャッチフレーズである。

 那須塩原は、開拓者魂のまちでもある。市役所の住所は。「共墾社」というところである。とてもいい名前ではないか。開拓者魂ならば、やはり若者条例ではないかとも、思ったことも、しつこく進める背景にある。

 今回も、この研修を企画した総務課の皆さんにはお世話になった。とくに、夜になっても、一人で政策づくりのエピソードをしゃべり、学生を自慢する講師には閉口しただろう。いずれにしても、お世話になったことに感謝申し上げたい。

 那須塩原は、牛乳のまちなので、お菓子は美味しい。私のお勧めは、こころのさとのクッキー。道の駅明治の森黒磯で売っているとのこと


 
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