松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆批判の対義語は

2021-11-07 | 1.研究活動
 愛近、いろいろな事象のなかで、気がついたことがある。

 批判の対義語は、対案かと思っていたが、「自戒、自省」でもある。そして、不思議なことであるが、自戒、自省ができない人が結構いるということに、新ためて気がついた。自戒、自省ができない人は、懲りない人である。混乱期には、こういう人がことをなすのかもしれないが、普通の時は、迷惑である。

 批判ばかりする人が生まれてくるのは、
 ①経済的、社会的にうまくいっていない
 ②子どもの時からの教育(育ち)のゆがみ
 ③社会的訓練の乏しさ(職業体験の貧弱さ)
等があるだろう。
 ①は、金持ち喧嘩せずである。
 ②は、自分では、どうしようもできないところもあるから、③の社会的訓練で、変えていくのが、正攻法だろう。社会的訓練のひとつに、若いときのまちづくりや地域への参加、大人になっての職業体験がある。
 まちづくりや仕事では、批判ばかりしていても、相手にされないからである。

 自戒、自省がない人は、どういう理由からだろう。
 ①性格もあるのだろう。偏屈な性格である。ただ、これは本人の責任とは言えないので気の毒である。
 ②社会的訓練の乏しさもあるだろう。注意してもらったりするなかで、①も多少、修正されていくと思う。こういう機会が多いと、大人になったころには、だいぶ修正される。

 自戒、自省ができない人が、民主主義を説くのは、悪い冗談である(タチも悪い)。民主主義は、価値の相対性である。いろいろな考え方があり、それぞれによさがある。その良さを取り入れて、よりよいものをつくっていくのが、民主主義である。いいかえれば、民主主義は、他者の良いところを認めるということなので、他者の批判ばかりの人や自戒、自省のできない人は、結局、民主主義はできないということである。

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