松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆政策起業家とは何か(4)・政策起業のかたち(ツール)

2022-05-22 | 政策起業家
 政策を起業するのであるから、どんな形式で政策を提案したらよいのか、政策起業のかたち(ツール)も論点だろう。

 政策形式を法規範と非法規範に分けると、それぞれの代表が条例と計画である。

 条例は、自治体の事務に関する立法形式で、議会の議決により制定される。政策形式としての条例の強みは、議会の議決を経て制定されることから、住民の意思を反映していること、審議過程の透明性に優れ、オープンな議論を通じ政策決定できることなどがある。

 計画は、「一定の公の目的の実現のために目標を設定し、その目標を達成す るための手段を総合的に提示するもの」(塩野宏『行政法Ⅰ』有斐閣 p.213を参考にした)である。

 私の得意なかたちは、条例提案である。若者政策もシビックプライド政策も、政策提案に当たっては、モデル条例をつくっている。ただ、いずれも基本条例なので、さほど苦労せずに、書くことができる。

 政策法務の考え方は、もともとは政策起業と近似性がある。政策法務は、政策を実現する手段として法務を使う考え方である。法務の手段性を強調する考え方で、2000年の地方分権改革以後、世に出てくるが、もともと条例は道具なので、政策法務という考え方は、特別のことではない。

 すでに書いたが、「かながわ政策法務研究会」に、この度、復活して参加することにした。この研究会も、当初は、国法を乗り越えようという機運があふれていたが、徐々に、霞が関法務をなぞるような流れになってしまい、その分、研究会への足も遠のくようになってしまった。それでも、この時代、自分たちで勉強しようというのは、大いに評価すべきことなので、私も、できる限りの応援をしたいと思って復活してみた。

 その流れで、政策法務の原点が分かるような、法務本の原稿を書いた。このテーマは、研修等で、いつも話していることなので、楽に書けた。問題は、出版で、政策法務ブームは去っているので、乗れる出版社があるのかが一番の問題だと思う(今、知り合いの編集者に見てもらっている)


 話がそれてしまった。政策起業家としては、私は条例がつくれるというのは、強みだと考えているが(逆に、私の政策起業は、条例とセットなので、重たすぎて、二の足を踏むという方向にも働くようだ。その意味では、条例を使うという手法は、逆に、弱点なのかもしれないが)。

 私は、条例まで書くが、そこまでいかなくても、計画を示せれば、政策起業としては十分であると思う。
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