「うう……」
小頭はフラフラとしてた。目的の場所にはついてた。いや実際ここが目的の場所なのかどうか、実はあんまり覚えてない。一応最近はだいたいラインでそういうやりとりをすると思うけど、幾代ちゃんはそんな事しないんだよね。ただ分かれる時に次はここで待あわせね! とかいうくらいである。時間もちゃんとその時に指定してると思う。けど小頭はよく覚えてなかった。だって別に小頭が覚えてなかったとしても、足軽はちゃんと覚えてるからだ。なのでなんの問題もなかった。
一応この田舎の事なんてあんまり知らない足軽と小頭だから、幾代もちゃんと次の待ち合わせ場所は全くいったこともないような場所を指定する……なんて事はなかった。それこそ今はスマホでも地図アプリを使えばそれでも大丈夫だと思うが、けどそういう事は幾代はしなかった。
ちゃんとこれまで遊んだ場所で行ったことがある場所を指定してた。だからなんとなくは小頭も覚えてるが、ここだ!! と確信はない。けど鬼はここにまっすぐにきた。まるで確信めいたみたいだった。
「ここでいいんだよね?」
小頭はそんな風に鬼にいう。けど鬼は別になにかを言ってくれることはない。ただちらりと小頭を見て、そして再び目を閉じる。そして背中を壁に預けてる。小頭達は学校にきてた。小学校だ。多分この学区というのか? この地域の子供が通う学校だろう。でも確かに幾代が言うにはこの小学校はもう廃校になってるらしい。子供がいないから街の方の学校に統廃合がされてるとか……けど学校がそのままなのはなにかで使ってるかららしい。
ママさんバレーとかっていってた。鬼は動かないし、小頭はお姫様抱っこの影響でちょっと気持ち悪くなってた。お姫様抱っこに憧れとかあったが、あのスピードはない……そう思ってた。本当にまるで自動車ばりに速かったたのだ。それできっと速すぎたからまだ幾代は来てないんだろう。自転車で行くことを想定して出てたのだ。それなにまるで自動車で来てしまったくらいの時間でついたのだから、待ち合わせよりも早くついてるのは明白。とりあえず夏の日差しがとてもうっとうしいから木陰を求めて小頭は移動した。
ミーンミンミン
そんなセミの鳴き声が木霊してる。時折通り過ぎる車の音……それ以外は本当に自然の音しかしない。日陰から日向を見てると、もわもわとしてた。地面が熱であっためられてその熱が湧き上がってるようだ。
小頭は水筒から水をコップに注ぎ口に含む。コクコク――とちびちびとのんでる。いくら熱いといっても一気に飲んでしまったらすぐになくなってしまう。だから大切に飲んでるのだ。