なんでシールドなんて与えたのか? と誰もが思うでしょう。だってシールド・盾と言うのはその対象を『守る』のがその目的だからです。倒すべき敵を守る物を与える。
それは確かに矛盾と言えます。けどそんなのは私だってわかってます。だからこそ、これはただのシールドではありません。考えても見てください。本当にとても硬い盾というのはその人にとって有効なのでしょうか?
いきなり押し付けられたものがその人に、存在にとって最適なのか? と。結論はそんなことはないでしょう。もしも私が絶対に壊れない盾を持ってたとしましょう。
それはこの話の中だけでも、絶対に壊れない最強の盾とします。その前提。それを無理やり押し付けます。きっと喜んでくれるでしょう。だって絶対に壊れない最強の盾なのですから。
でも同時にその盾がとてつもなく重かったら? それは私には軽々と扱えるものでした。けど、その盾は他の人に取っては持ち上げることもできない盾だったのです。
そうなるとどうでしょうか? それはその人に取って喜ばしいものでしょうか? つまりはですね、そういうことです。いくら良いものであっても、それが本当に他人にとって良いものかなんてのはわかりません。
今回の私のシールドもそうです。確かに私は別に攻撃的な意味で目玉に魔法を使ってません。あくまでもシールドを付加したというだけです。でもそれは私が有利になるための布石なのです。
以前の考えでは魔法というのは完成された物……というのが私の認識でした。だから一生懸命、完成された魔法を早く、強く発動する。それを完璧にするのが魔法の訓練だったのです。
けどそれは間違いでした。魔法には工夫を加えることができる。それを私はジーゼ様や勇者様、そしてアイ様のお陰で知ることができました。なので私もそれを実践してみました。
シールドの硬さを私はまずはゼロにしました。そしてそのかわりに反発性を与えました。一回弾力を与えて見たんですが、そうなるとあの気持ちいい「ガン!」とか「カン!」とかいう音が聞こえなるなります。
それに弾力があったら、勢いが吸収されます。スピード感も劣りますしね。それにこれは遊びではなく、戦いということも忘れてはだめです。言うなればこれはちゃんと攻撃になってないといけない。
そんな高度な結果が求められることだったのです!! そうこれは遊びでは決して無いのです!!
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