UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十六話part4

2024-12-09 18:20:21 | 日記
ぐうぅぅぅ――
 
 そんな風な音が夏空に響く。夏空だけど空気的にはさわやかとかじゃない。田舎だし、山の中だし、本当ならさわやかな状況のはずだ。けどここはそんなことは全然ない。小頭は嫌な感覚をずっと感じてる。まるでねばつくような、ねっとりした空気。けど日本の夏なんだから湿気だろ……とか、そういうのではない。だってこっちはそこまでねばつく空気は感じてなかった。関東よりももっとさっぱりしてると小頭は思ってた。けどここにきて全身に沸き立つ鳥肌と嫌な空気……これはきっと勘違いじゃないだろうと思ってる。
 そんな中の気が抜けるような音。一体何? と思って隣を見ると、女鬼が「へへっ腹減っちった」――とかいってる。美人な顔で無邪気に笑うその姿は鬼でなかったら思わず惚れてしまいそうなほどだった。
 
「お腹、ですか? 何かあったかな?」
 
 小頭は小さなポシェットをガサガサとまさぐる。けどそれを止めて鬼女はこういった。
 
「いいよ。だって、食料は目の前にたくさんあるだろ?」
「え?」
 次の瞬間だった。風が吹き抜けたと思ったら、鬼女の姿は消えてた。そして魑魅魍魎の行列に突っ込んでいって彼女が行った部分が大きな衝撃で一瞬で見えなくなった。鬼女がなにかしたんだろうけど、小頭には何をしたのかなんて全く見えない。けどズドドドドドドド――ととてつもないことが目の前で起こってる事は理解した。
 
「えっと……止めなくていいの?」
「あいつはああいうやつだ。それに……」
 
 何やらは鬼男が抱えてる小頭をジッとみてくる。なんだが居心地が悪い。おろしてくれてもいいんだけど、でもそうなると逃げる時にまた抱えられることになるし、鬼男は小頭の重みなんて全くもって感じてないようなので、甘えることにしたんだ。確かに最初は兄以上に近くに来られることに拒否感があったが、力ではどうせかなわないのだ。なので諦めて受け入れてたら、馴れたみたいだ。
 
「あいつが腹を空かせてると、お前を食うかもしれないからな」
「え……」
 
 一瞬、鬼男が何を言ってるのかわからなかった。だからちょっとおどけた感じで「そんなバカなぁ~」とか言ってみる小頭。けど鬼男はただ小頭を見るだけだ。それが真剣なまなざしで……え、マジ? と頭で思う。けど小頭だって考えた筈だ。鬼なら、人を食べるのか? と。そしてその最初の犠牲者が兄である野々野足軽ではないのか? と。実際違った訳だけど、「鬼」なんだし、人を食べるのも無いわけじゃないのかもしれない。
 
「彼女にはお腹いっぱいになってもらおう」
「それがいい」
 
 哀れな魑魅魍魎達に野々野小頭は静かに黙祷をささげた。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 130

2024-12-09 18:12:49 | 日記
 今まではポニ子アーマーの特徴、それを使って大量の目玉を巻き込むことで一掃してきました。けど今の私の腕や脚は勿論だけど、伸びる……なんて事はありません。それを出来そうもないです。
 もしかしたらこのチョーカーから供給される有り余るほどのエネルギーを使えばそれもできるのではないか? と思ったわけですけど、どうやら私にはそこまでの才能……というのはない見たいです。私はそもそもそんな器用じゃないですしね。
 ただ一つの事を一生懸命突き詰めるしかできない、不器用な女です。だから下手に新しい事をしようとすると、ダメみたいです。既にバトル……というか直接的な戦闘にようやく慣れてきたところなんですから、ここから更に腕を増やしたり、伸ばしたり……なんてのはまだ私には早い応用……という事でしょう。
 
 いずれはそういう練習をしてもいいのかもしれません。でも……今ではない。ただの付け焼刃の攻撃なんて、私の場合は上手くいかない。
 そうなると、やっぱり今あるもので最大限の効果を発揮させることが大切です。私がもっとも得意とするものはなにか……それは魔法でしょう。
 
 でも私の……というか私の世界の魔法はそれほど高度ではないと思い知らされました。それこそジーゼ様の魔法とは比べるべくもないし、勇者様の魔法とだって……でも魔力が有り余るほどあるというのはそれだけで強みではあります。
 まだ私は肉弾戦ではそんなに無茶なことは出来ません。基本を大切にするしかないでしょう。
 
「よく見て、自分の動きを確認。落ち着いて行動。ここぞという時に、力いっぱい……打つ!!」
 
 今度はキックを決めた目玉が吹き飛んで行ってピンボールのように、他の目玉にガンガンガン! ――とぶつかって反射していきました。
 
「…………」
 
 なんだろう。なんかちょっと気持ちよかったです。球が連鎖して跳ねていく感じ、とてもよかった。スッキリしたともいえるかもしれないです。それになかなかに効率も良かったです。
 私はもっともっと……という気持ちになります。もっともっと連鎖させたい。そこに魔法を加えたらどうでしょう? 面白い思い付き、のような気がします。
 
 私は早速自分の使える魔法から、有用そうな魔法の詠唱を始めました。