UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十六話Part3

2024-12-08 19:26:21 | 日記
 バン! バン! バン! 
 
 地獄の門から出てきた巨大な腕。赤黒く、筋肉質のその腕はとても大きいが、なんとなく小頭を抱えてる鬼の腕に似てると思った。そのスケールは数十倍は違うが、小さくしたらこの小頭を抱えてる鬼の腕になりそう。けどやっぱりその大きさは驚愕するものがある。だって片腕で地面を叩くたびに、山が……揺れている。けど不思議なことに鳥たちが飛び立つ……とかない。それが小頭にはちょっと不思議だった。だってこんな衝撃が伝わってきたら、それこそ山に生息してる鳥類が一斉に飛び立って空を染める……とかあるものじゃないだろうか? けどそんな様子は全くなかった。
 
「ひゃっ!?」
 
 癇癪を起した子供のように山をバシバシと叩いてた腕。きっとデカすぎて腕だけしか出れないことにむかついてるんじゃないかな? と小頭は思ってた。するとそんな腕がいきなり小頭達の方に向かってきた。けどそれを余裕をもって鬼はかわしてくれる。
 
「捕まえられるとか思った……」
「あれはただ暴れてるだけだ。俺たちが狙われてるわけじゃない」
 
 そんな風に落ち着いた声で言う鬼。けど小頭達が乗ってた木々はさっきの一撃で吹き飛ばされた。木々の枝に紛れて遠巻きにこの場所をみてたのに、小頭達の姿がさらされることになってしまう。けどどうやら魑魅魍魎達は小頭達には反応しないらしい。ただ山を下りて町へと向かってるみたいだ。
 
「なんで……こんなことに? どうしたらいいのあれ?」
 
 小頭はこのまま魑魅魍魎が際限なく出てきたらどうなるのか……という事を考えて顔が青くなる。小頭は自分に何が出来るかなんて思ってないが、この事態を認識してるのが小頭ただ一人だとするなら、自分がやるしかないのかもしれない、くらいは思ってる。
 
「誰かが開いた」
「開いた?」
「あの門を開いたやつがいる」
「じゃあ、あれを開いた人を見つければ、閉じる事ができるって事?」
 
 もしもバトル的な展開になったらどうしよう……と小頭は思ってた。けどどうやらどうにかなる? ちょっとだけ希望が見えてきたかもしれない。朝に起きたら眼の前に鬼が居て絶望が続いてたが、少しの光明が見えてきたかもしれない……と小頭は思った。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 129

2024-12-08 19:22:21 | 日記
 「つっ……はあはあ……」
 
 まずいです。なんとか周囲の目玉は破壊できました。どうやらプニちゃんに包まれて、それによって電撃が目玉たちにも届くようになった。するとそのせいでしょう。電撃が予想以上に効きました。
 いえ、多分巻き込まれた目玉達の電撃も暴走してたように思います。そのせいでかなり強力な電撃になってしまいました。私も何回意識が飛んだか……そのたびにポニちゃんが私の意識を引き戻してくれたからなんとかこうやって立ってられてます。
 
「ぽ、ポニ~……」
「ポニちゃん」
 
 電撃が収まって、目玉たちを包んでたポニちゃんも彼らを開放します。けど……どうやらポニちゃんにも相当な負担がかかってたようです。ポニちゃんの体は液状から戻ろうとしません。ただの水たまりみたいになってます。
 なんとかポコっと顔だけ出してますけど……アーマーになるのは無理そうです。
 
「ありがとう、少し休んでて」
 
 私はそう言って膝を押さえつつ立ち上がります。かなりの数を巻き込めたと思いますけど……それでもまだまだいるのが現状です。私だけじゃあ、あの数を全て相手にする……というのは現実的じゃない。
 それはわかってます。けど、勇者様とアイ様があの腕を破壊してくれるまでは頑張らないと。
 
 私は首元のチョーカーに意思を通します。
 
「回復と、力の循環を……」
 
 首元のチョーカーから全身に広がる光の線。それによって体が楽になりました。ジーゼ様から授かったこのチョーカー。私の未熟な所を補ってくれて、そして扱えきれないほどのエネルギーを含んでます。
 私の体には内包できないほどのエネルギーをたったこれだけの小さなアイテムに収める。それだけでもすごいことなのに、これには恐ろしいほどの汎用性があります。
 でもそれを使いこなせてないのが実情でしょう。今までは私はこのチョーカーから受ける力の供給は無理しない程度……でした。ポニ子アーマーがあったら、そもそも供給を受ける必要もなかったです。
 でもこれからはそうは行ってられないでしょう。私は周囲に風を起こしながら、静かに構えを取りました。
 
 あふれる力の本流。それが風となって周囲に流れてます。ちょこまかと動いてる小さな目玉はとりあえず無視しておきます。それよりも向かってくる大きな目玉でしょう。向かってくる腕を捌いて、懐にとびこみます。そして掌底を放ち、勢いよく後方の目玉を巻き込む形で吹き飛ばします。
 ポニ子アーマーがあったときほどじゃないけど……それでもそれなりに目玉を巻き込めそうです。