UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十七話Part4

2024-12-16 18:18:32 | 日記
「来たか」
「ははっこれってあれなのかな?」
「あれ?」
「ほら、これだけデカいとなると、あの山――」
「まさか……」
 
 そんな事をのんきに言ってるふたり。そんな二人を見てたら、思わず野々野小頭は「危ない!」と叫んでた。だって地獄の門からでてきたでっかい腕が大きく持ち上がって下がってきてた。その下にはもちろん正面に立ってる鬼男と鬼女がいる。小頭の必死の叫び。それは届かずにズドオオオオン――と巨大な腕が地面に落ちた。その振動で思わず小頭はひっくり返る。
 
「あ……あぁ」
 
 その衝撃の光景に小頭は地面にお尻をついたままそんな声を出してた。だって地面が……そう地面が巨大な手の形にへこんでる。信じられない光景だった。こんなのきっと鬼男も鬼女もぺしゃんこになってるだろう。そのことが……小頭にはショックなんだ。友達とかでは決してなかった。何なら、なんなのかすらわかってない。けど、ちょっとだけ交流したわけで、その中で彼の事少しはわかったような気がしてた。ぶっきらぼうだけど、優しい所とか……そんな事を思い出す。
 けど命はあっけなく散ってしまった。余裕そうにしてたのに……そんな思いがあふれ出す。
 
「なんで……バカ……」
 
 小頭が絞り出した言葉はそんなのだっだ。するとその時だ。何やら巨大な腕が持ち上がってきた。明らかに腕自体は下に力を入れてるみたいにみえる。けど、それに反して手は徐々に持ち上がりつつあった。
 
「なにか……いったか?」
 
 そんな事を鬼男はいってたけど、流石に小頭には届いてない。けど、小頭からは巨大な腕を持ち上げてる鬼男事態はみえてる訳で……明らかにホッとしてる。
 
「そのまま耐えてて」
「早く頼む」
 
 二人の鬼のそんなやりとり。どうやら腕を持ち上げてるのは鬼男だけのようだ。ならば鬼女は何をしてるのか……鬼女は体を低く保ち、集中してる。そしてその体は今迄にないくらいに赤くひかってた。熱を放ってるのか、湯気が沸き立ち、周囲の景色が揺らいでる。そしてその額の角……それも真っ赤に輝いてた。
 
「ふしゅううううううううううううううう」
 
 そんな息を吐く鬼女。そして次の瞬間、彼女の攻撃が始まったのだ。それは嵐のような激しさだった。一回で終わらない、濁流のような連続攻撃。それによって巨大な腕は傷つき、おられ、変な音がして無様な様相になってしまってた。
 門の向こうの声は届かない。けど、悲鳴を上げてるのはなんとなく小頭にも伝わってきた。
 

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 135

2024-12-16 18:12:29 | 日記

 

 一体あの子は何をやってるのか? そんな事を自分は思う。ちらっと見た時、彼女の知られざる一面を見たような気がして、そっと目をそらしたのは内緒だ。見なかったことにしよう……それがきっと優しさというものだろう。
 
 こっちも強敵と相対してるわけだが、それでも仲間を、友を気にかけるのは普通のことだろう。まあそんな事をやってたらアイ殿から――
 
「余裕そうですね。サクッと倒してくれません?」
 
 ――とかいう嫌味を言われるわけだ。それができるのなら、やってるところだ。彼女だってそれはわかってる。嫌味になるとわかってるから言ってるのだ。それに彼女は効率を何よりも大切にしてる。
 ここでこんな所で足踏みしてるのとか、彼女的にはスケジュール的に色々な予定が狂ってしまって嫌なんだろう。イライラとしてるのがわかる。けどだからって勢いだけで倒せるくらいの相手ではない。
 なにせ……だ。なにせ、眼の前の輪っかに腕が生えた敵は学習してる。それは確実だ。同じ攻撃が効くことはない。それにこちらの動きを完璧に予測してるかのような動き。
 こいつは見てない。けどきっと周囲が見てる。そう目玉たちだ。だからこそミレナパウスさんも周囲の目玉を引き受けてくれてるんだろう。彼女でも目玉なら無理なく倒すことができる。
 けど無理なく……とはいっても、それはある程度の数までは……といえる。自分やアイ殿なら目玉を何体相手にしても大丈夫だが、流石にミレナパウスさんはそうじゃない。でも、彼女は頑張ってくれてる。戦闘だってようやく慣れてきた感じなのに……
 
(なんとか彼女の負担を減らしたいが……それの一番の近道は……)
 
 向かってくる腕を聖剣で受け止める。体全体に走る衝撃。きっと以前の肉体のままではこの一撃さえも受け止めることばできなかっただろう。それだけの攻撃力がある。
 それに細かに振動してるのか、体の内部にも痛みが走る。これでなんとなく痛い……程度なのは、自分の身体が既に生身……とは言えなくなってるからだ。もしもこれが生身の肉体だったら、今のできっと内蔵をズタボロにされてるだろう。つまりはそういう攻撃なんだ。
 強力な腕力に任せた攻撃だと思わせておいての内部破壊までも織り込んだ攻撃。一つの攻撃に二つの手段が織り交ぜてる。恐ろしく効率的な攻撃ではないだろうか? 
 やっぱりどこかこういう機械的な存在は効率ってやつを目指しがちなのか? と思ってしまう。