余録:上官から翌午前２時４５分に出撃すると命じられ…

毎日新聞　2014年08月06日　01時39分（最終更新　08月06日　01時40分）

　上官から翌午前２時４５分に出撃すると命じられたのは５日朝だった。「帰って寝ろ」と言われたが、誰も眠れなかった。夜８時には上官がやってきて「朝食」が供された。上官は「任務の朝食」と呼んだが、彼は「最後の朝食」と名づけた

▲先日訃報（ふほう）が伝えられた広島への原爆投下機エノラ・ゲイに搭乗した最後の生き証人、セオドア・バンカーク氏はその前夜の様子をそう語っていた。４年前のインタビューでも「原爆投下は戦争終結を早めた」「同じ状況下ならまた投下する」と語っていた同氏である

▲このバンカーク氏ももし自分が広島に住んでいたら、原爆投下を「たぶん許せないだろう」と語り、「核は廃絶すべきだ」との言葉も残している。その死去によってエノラ・ゲイ、そして長崎への原爆投下を行ったボックスカーの搭乗員全員が世を去ったことになる

▲原爆を投下した軍人たちは歴史のひつぎに納められても、もたらされた惨禍を被爆者は今も生きている。放たれた核の恐怖もまた現在なお世界を支配している。普通の人々の暮らしが巨大な火球に焼かれたあの朝から人類は同じ場所を堂々めぐりしているだけなのか

▲戦争終結のための原爆使用がうたわれた当時も、核による平和が唱えられた以後６９年間も、核兵器の真実を映し続けてきたのは失われた命のむごさ、戦後も続いた被爆の苦しみである。ただその真実を知る者も高齢化して、被爆者手帳所持者も今年２０万人を下回った

▲次の世代の人類へ引き継ぐべき真実を掘り起こし、記録する時間はすでに貴重である。その真実をもって一刻も早く歴史の神殿へと納めたい核の恐怖だ。　　

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つぶやき　

　私が最初に聞いたのは「新型爆弾」だった。そのうち　いつの間にか「ピカドン」になった。

　閃光が走り爆風に木造の家や塀がふっ飛ばされ、人さえ共に飛ばされたと聞く。一瞬の光線で皮膚が焼けただれ　その熱さと痛みで川に飛び込んだ人も大勢居られたとか？

また　その後の火災でも多くの方々が亡くなられた。

私が市内を未だ帰らぬ女学生であった姉を祖母と共に岩国から探しに広島に行って市内を歩いたのは原爆投下後の３日後の９日だった。　市内は焼け野原とは言うものの焼け残りの残骸やそれと思われる物は全くない平な黒っぽい野原だった。

ところどころに防火用水や塵入れのセメント造りの箱が見えただけであった。人の姿は全く見えない。

　その後　何時　学校が始まったのかよく覚えていないが学校が始まり教室で私の周りに腕や顔にケロイドの跡も痛ましい学友がいた。

彼らは特に痛みを訴えるわけではないがケロイドは腕半分くらいあり　顔も光線を浴びた部分のみだったが顔のケロイドの部分の目はいいようのない恐ろしい印象を受けたことは覚えているが・・・・。　

学校が私立だった所為かその後生徒の募集があり　かなりの方の入学生徒が見えた。彼らはおそらく市内でなく郊外の方々だと思う。

今　数年前　発行の同窓生名簿を見るとありし日の昔の姿を思い出す。勿論　今は皆さんももう８０歳を過ぎている。この同窓生名簿には旧制中学の卒業生の名がかなり抜けているようだ。

６・３・３制が導入され我々は在籍のまま　この制度にかわったのでは？と思う。したがって中学卒業と言う卒業式があったのか？どうかさえ記憶にない。

かの　平山郁夫 の名前をこの名簿の旧制中学卒業生の中に、その名をとどめていた。

最初にその名を発見？した時は流石に驚いたものだ。彼は中学を卒業するや東京に転居して芸大に進んでいた。学年は２年先輩で３年生であった。　戦時中は学徒動員で軍需工場に派遣されていたようだ。

　数年前に東京で在京の同級の学友による同窓会があったが私は会が東京新宿で夜の６時開催なので足の悪い私は参加はしなかったが数日後　集まった同級生の写真が送られてきた。

写真に映った方々の名前の説明も付いていたが面影を感じる方も・・・そうでなく全く分からない方も居られた。　卒業後半世紀以上経っている所為かよく分からない。無理もないがも？

放射能・熱線・・後から人体に及ぼすその影響の恐ろしさを聞かされた。学校再開の朝礼でこの土地には放射能の影響で７０年間は草も生えない」と言われたが実際には９月か１０月には既に雑草が生えてきた。

現在の核爆弾の威力はこの広島型原爆の数百倍？いや数千倍とも言われる。しかも飛行機からの爆撃ではなくフイに襲いかかるミサイルであると言うからその恐怖は想像に余りある。

東京では一つの超高層ビル内の人は５０００人～数万人と言われるが原爆が投下されればどれだけのビルが残るか？どのくらいの被災者がでるか、これまた想像外である。

還り見れば酔生夢死か？